VTuber企業案件の相場とは?依頼費用の目安と選び方を徹底解説

「VTuberに案件を依頼したいけど、費用相場や選び方がわからない」――そんな悩みを抱える企業担当者は少なくありません。近年はZ世代を中心に動画プラットフォームの視聴時間が増え、従来の広告だけではリーチしにくい層へのアプローチ手段として、VTuberの活用が注目を集めています。

エンタメ性と親近感を兼ね備えたVTuberは、企業メッセージを自然に届けられる存在です。

本記事では、VTuber企業案件の費用相場や依頼の方法、成功のポイントまでを徹底解説します。

VTuber企業案件の費用相場はいくら?

VTuber企業案件の費用は、起用するVTuberの登録者数、再生回数、案件の内容や契約期間によって大きく変動します。PR動画制作、ライブ配信、SNS投稿など実施形式によっても相場は異なります。

チャンネル規模相場(1案件あたり)備考
5,000〜15万人1〜30万円個人VTuberや小規模事務所のVTuber
15〜50万人30〜100万円中規模VTuber(企業案件実績あり)
50〜150万人100〜300万円人気VTuberや大手事務所所属VTuber
150万人以上300万円〜大規模なキャンペーンやタイアップ

※上記は目安であり、案件内容や契約条件によって上下します。

費用が変動する主な要因

VTuberの起用費用は、一律ではなくさまざまな条件によって変動します。依頼前に、どの要素がコストに影響するのかを把握しておくことが大切です。

  • 起用するVTuberの人数
    複数人起用の場合、費用は加算されます。
  • プロモーション形式
    動画・配信・SNS投稿・ライブコマースなど、形式により料金が異なります。
  • 契約期間・拘束時間
    長期契約や出演頻度が高い場合は、費用が上がる傾向があります。
  • 所属事務所の方針
    事務所によっては、料金体系や最低契約金額があらかじめ設定されている場合があります。

VTuber企業案件の依頼方法

VTuberへの案件依頼には主に3つの方法があります。

1. 所属事務所を通じて依頼

大手VTuber事務所の場合、料金プランや契約条件が明確になっていることが多く、安心して依頼できます。

ただし、大手事務所所属のVTuberは、人気や影響力に応じて報酬が高額になる傾向があります。

2. 案件紹介サービスを利用

「ぶいきゃす」「AttendMe」など、VTuberと企業をマッチングするサービスを活用する方法です。条件交渉や契約書作成の手間を軽減できます。

一方で、提携しているVTuberが限られている場合、希望するVTuberを起用できない等の可能性があります。

また、「Alive Project byGMOペパボ」が提供している企業向けプロモーションサービスでは、企業の目的や予算に応じたプロモーションが可能です。キャスティングだけでなく、配信企画や進行管理のサポートも行っており、初めてVTuber案件を依頼する企業でも安心して活用できます。

3. 直接コンタクト

SNSやYouTubeチャンネルを通じ、個人VTuberに直接依頼する方法。小規模案件や柔軟な条件設定が可能です。

ただし、個人VTuberの場合、過去の実績や信頼性の確認が難しく、トラブルのリスクが高まる可能性があります。また、契約書の作成や確認を企業側で行う可能性があり、法的なリスクを回避するための対応が求められます。

依頼時のポイントと注意点

VTuberへの案件依頼では、費用だけでなく進行面や契約内容のすり合わせも重要です。トラブルを防ぎ、効果的なコラボを実現するために、次のポイントを押さえておきましょう。

  • プロモーション内容の明確化
    商品の魅力や訴求したいポイント、VTuberに期待するトーンや演出などを具体的に共有しましょう。曖昧な指示は、イメージのずれや炎上リスクにつながります。
  • 契約条件の確認
    報酬額、納期、成果物の納品形態、二次利用の可否などを事前に明文化しておくことが大切です。口頭やDMでのやりとりだけで進めるのは避けましょう。
  • VTuberの実績確認
    過去の案件実績や配信内容、視聴者層(年齢層・男女比など)を確認し、自社のターゲットと合っているかをチェックします。
  • トラブル時の対応ルール
    納期遅延や炎上などが起きた際の対応責任を契約書で明確にしておくと、リスクを最小限に抑えられます。

企業案件成功のための工夫

VTuber企業案件は、単に依頼するだけでは効果を最大化できません。以下のポイントを押さえると成果につながりやすくなります。

ポイント詳細
ターゲットに合ったVTuber選定チャンネルのファン層や配信スタイルを調査し、自社商品との親和性、VTuberの配信ジャンルや基礎知識の有無を確認
コンテンツ設計広告感のあるコンテンツを視聴者は避ける傾向にあるため、「広告」感を出さず、自然な動画や配信の中でPRを行う
データ活用配信後の再生数、クリック数、コンバージョン率を分析し、施策による一時的な効果だけでなく、継続的に効果測定することも重要

VTuber企業案件の事例

VTuberを活用した企業案件は、個人VTuberから大手事務所所属VTuberまで多様に展開されています。以下にいくつかの事例を紹介します。

キャラクターコンセプトを反映したゲーミンググッズ販売

  • 企業名:REJECT
  • 製品名:Gaming Mousepad FENON XL SOFT VTuber Edition
  • 起用VTuber:天鬼ぷるるさん、とおこさん、でぃっとさん
  • 案件内容:VTuber本人と共にデザインを考え、スペックとアート性の両方を追求したマウスパッドをオンライン販売
  • 特徴:キャラクターコンセプトを落とし込み、ファンが普段使いできる高性能グッズとして展開

出典元:PR TIMES

にじさんじVTuberとアパレルブランドのコラボ

  • 企業名:株式会社アダストリア
  • ブランド名:.st(ドットエスティ)
  • 起用VTuber:にじさんじ所属VTuber(葛葉さん、椎名唯華さん、魔界ノりりむさん、不破湊さん)
  • 案件内容:ブランドと一緒に企画を担当し、理想のファッションアイテムを制作
  • 特徴:VTuberがブランドと共同で商品企画を行うことで、ファンとのエンゲージメントを高め、ブランドの認知度向上に寄与

出典元:PR TIMES

ホロライブVTuberとコラボ、生配信でゲームファンに直接アプローチ

  • 企業名:株式会社MIXI
  • ゲーム名:タワーオブスカイ(TOWER OF SKY)
  • 起用VTuber:ホロライブ所属VTuber(白上フブキさん、夏色まつりさん、さくらみこさん、星街すいせいさん、雪花ラミィさん)
  • 案件内容:ゲーム内にVTuberが登場したり、生配信でゲームをPRする形でプロモーションを実施
  • 特徴:大手事務所所属のVTuberを起用することで、広範なファン層へのアプローチが可能となり、プロモーションの効果を最大化

出典元:MIXI(NEWS)

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まとめ

VTuber企業案件の費用相場は、VTuberの影響力や案件内容によって幅があります。依頼の際は、目的の明確化・VTuber選定・コンテンツ設計・データ分析の4点を意識することが成功の鍵です。

今後は、VTuberと企業のコラボがより多様化し、オンライン・オフラインを横断したプロモーションが主流になると考えられます。

企業担当者は、まず小規模な案件から試験導入し、効果を検証しながら段階的にスケールする方法がおすすめです。

この記事を書いた人

ストマガ編集部

「ストリーマーマガジン」は、VTuberや配信クリエイターに興味がある方、ご自身でも活動されている方、そしてこれから配信をはじめてみたい方を応援するWebメディアです。 配信初心者さんからベテランさんまで、幅広く楽しめる情報をお届けします。

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