【配信初心者にもオススメ】Stream Deck / Stream Deck + 実機レビュー&活用ガイド

はじめに:配信操作が「ボタンひとつ」で変わる

配信初心者がつまずきやすいのが「操作の多さ」です。OBSでのシーン切り替え、BGM調整、マイク操作など、手動では手間が多すぎます。

Elgatoの「Stream Deck」シリーズは、これらをワンタッチで操作できるガジェットです。

ゲームプレイの真っ最中、DiscordをミュートするためにAlt+Tabキーで画面を切り替えたり、OBSの録画開始ホットキーを必死で思い出そうとしたりした経験はありませんか?Stream Deckの真価は、カスタマイズ可能なLCDキーが、割り当てられた機能のアイコンを視覚的に表示する点にあります。これにより、複雑なショートカットキーを記憶する必要から解放され、直感的なワンタッチ操作で無数のアクションを実行できます。

今回は「Stream Deck」と「Stream Deck +」を実際に使用し、初心者にも使えるかどうかを検証しました。

編集部員 おかき
編集部員 おかき

ワンタッチで操作できる…ねぇ…

おかきちゃん、落ち込んでるみたいだけどどうしたの?!

想 ふうか
想 ふうか
編集部員 おかき
編集部員 おかき

配信中に設定どこや~って探したり、操作に手こずってるうちに、リスナー半分帰ってたんだよ・・・

“配信あるある”だね……!でもね、おかきちゃん!そんなときこそ「Stream Deck」の出番なんだよ!助っ人の機材マスターに記事をお願いしたから、レビュー見てみよー!

想 ふうか
想 ふうか

製品概要:Stream Deck、Stream Deck +、Stream Deck Neo

製品名主な構成特徴向いているユーザー
Stream DeckLCDボタン×6、×15、×32
(シザー式、クラシック式)
直感的で柔軟なボタン操作、コスパ良し初心者~上級者、キーの数で幅が広がる
Stream Deck +LCDボタン×8 + ダイヤル×4音量・明るさなど物理的に微調整できる初心者~中級者、操作にこだわる人
Stream Deck NeoLCDボタン×8、Infobar、2点タッチ日常利用を想定したNeoシリーズ初心者~中級者、導入には最適

Mac or Winに対応し、USB接続で専用アプリでボタンやダイヤルに機能を割り当て可能です。 知識ゼロでも感覚的に設定できるのが魅力です。

今回検証した機器の詳細スペック

機能Stream Deck MK.2(15キー)Stream Deck +
LCDキー数15個(クラシック式)8個
多機能ダイヤルなし4個(押し込み機能付き)
タッチパネルなし1個(108 x 14 mm)
サイズ(スタンドなし)118 x 84 x 25 mm140 x 138 x 110 mm
重量(スタンドなし)145 g465 g
接続USB 2.0(着脱式USB-C)USB 2.0(着脱式USB-C)
外観カスタマイズフェイスプレート交換ダイヤルキャップ交換

セットアップ手順

  1. 接続 – Stream Deck本体を、付属のUSBケーブルでPCまたはMacのUSBポートに直接接続します
  2. ソフトウェアのダウンロード – Elgato公式から「Stream Deckアプリ」をダウンロードします
  3. 基本操作 – 機能をドラッグ&ドロップでボタンに割り当てます
  4. カスタマイズ – アイコンやラベルも自由にカスタマイズ可能です

ソフトウェアの基本操作

Stream Deck アプリ
  • アクションパネル – 画面右側の利用可能な「アクション」を、左側のキーレイアウト上にドラッグ&ドロップします
  • フォルダ機能 – キーを別のキーの上にドラッグすると、フォルダが作成され、実質的に無限のコマンドを格納可能です
  • プロファイル – 「ゲーム用」「配信用」「動画編集用」といったプロファイルを作成し、手動または自動で切り替えができます
編集部員 おかき
編集部員 おかき

うわ〜、フォルダとかプロファイルとか、急に“できるやつ”感が出てきたな…

想 ふうか
想 ふうか

設定の仕方は難しかったりするのかな?

心配ご無用!設定はドラッグ&ドロップが中心です!しかもプロファイルを切り替えれば、ゲーム、雑談、動画編集も使い分けできるんです。ちなみにプロファイルの自動切り替え、マジで神機能ですよ…

機材に詳しいウマヅラ
機材に詳しいウマヅラ

検証:実際の配信シーンで使ってみた

① OBSを使ったゲーム配信

  • ワンタッチでシーン切り替え
  • マイクON/OFF、BGMの再生/停止
  • Stream Deck + のダイヤルでリアルタイム音量調整も可能
    →視線を外さず配信操作できるのは大きな利点です。

② 雑談・顔出し配信

  • カメラON/OFF、照明ON
  • Live2Dモデルの表情切り替え
  • 定型コメントの送信(例:「コメントありがとう!」など)
    →「配信準備アクション」を1ボタンで実行できるのが超便利です。

③ 動画編集やビジネス用途にも活用可能

  • Premiere ProやDaVinci Resolveのショートカット操作
  • ZoomやTeamsのマイク・画面共有ON/OFF
  • 定型文入力やアプリ起動
    →配信だけでなく、日常のPC操作効率化にも効果大です。

初心者向けおすすめ設定3選

1. 日常作業の効率化

  • アプリ/サイト起動: 頻繁に利用するアプリケーション(Discord, Spotifyなど)やウェブサイトをワンタッチで起動
  • 定型文入力: チャットでの挨拶(「gg!」「配信へようこそ!」)や、ゲーム内コマンドを瞬時に入力

2. ゲームプレイの快適化

  • Discord操作: 公式の「Discord」プラグインで、マイクのミュート、スピーカーのミュート、プッシュ・トゥ・トークを専用キーに割り当て
  • 音量・音声デバイス切り替え: 「Audio Device」プラグインで、スピーカーとヘッドホンを瞬時に切り替え

3. 配信クオリティの向上

  • OBS基本操作: 「配信開始/終了」「録画開始/終了」「シーン切り替え」で、プロのようなスムーズな番組進行を実現

Stream Deck + の強み1:ダイヤル操作が快適

Stream Deck +は、物理ダイヤルとタッチストリップという新たなインターフェースを導入することで、コントロールの「質」を根本から変える、異なる哲学に基づいたデバイスです。

アナログ調整の威力

  • オーディオコントロール – ゲーム音、Discordのボイスチャット、BGMなど、個別のアプリケーションの音量をリアルタイムで微調整
  • ライティングコントロール – Elgato Key Lightなどの対応照明機器と連携し、明るさや色温度をスムーズに調整
  • カメラコントロール – Webカメラのズーム、露出、ホワイトバランスをダイヤルで直感的に操作
  • クリエイティブアプリケーション – 動画編集ソフトのタイムラインスクラブや、Photoshopのブラシサイズ調整が感覚的に
    →フィジカルに操作できるから、配信中でも迷わない・失敗しないです。

Wave Linkソフトウェアの解放

Stream Deck +が持つ価値の中で、最も重要なのが、Elgatoの強力な仮想オーディオミキサー「Wave Link」ソフトウェアのアンロック機能です。

Wave Linkアプリ
Wave LinkとStream Deckの連携

Wave Linkは、自分自身が聞く音(モニターミックス)と、配信に乗せる音(ストリームミックス)を個別に作成・管理できる非常に高度なソフトウェアです。従来はElgatoのWaveシリーズのマイクが必須でしたが、Stream Deck +を所有しているユーザーは、使用しているマイクの種類に関わらず、Wave Linkの全機能を利用できます

これは、例えばShure SM7BやAudio-Technica AT2020といった人気のプロ向けマイクを使用しているユーザーが、追加のハードウェア投資なしに、オーディオミキシング環境とVSTプラグイン(エフェクト)対応を手に入れられることを意味します。

Stream Deck + の強み2:拡張アクセサリー

Stream Deck +には2つの拡張アクセサリーがあります。

Stream Deck + を最大限に活かす拡張機器

製品名役割特徴おすすめ対象
XLR DockオーディオI/F高音質マイク接続+Stream Deck連携本格的に音声を扱う人
USB Hub拡張&給電安定したUSB接続と配線整理機材が多い人・ノートPC配信者

これらを組み合わせることで、Stream Deck + を中心にした配信環境がさらに快適&機能的になります。

「配信環境の拡張」に興味がある方は、導入を検討してみる価値アリです!

XLR Dock

製品概要

XLRマイクを接続できるElgato製の高品質オーディオインターフェース

Stream Deck + と連携することで、ダイヤル操作でリアルタイム音量調整が可能

主な機能

  • XLRマイク入力(+48Vファンタム電源対応)
  • ノイズの少ない高性能マイクプリアンプ
  • ヘッドホン出力(ゼロレイテンシー)
  • USB-C接続(PCと連携)
  • Stream Deck + のダイヤルでゲインや音量調整

メリット

  • ダイヤルで物理的に音声をコントロールできる
  • オーディオ操作をStream Deck + に統合
  • デスク上に置きやすいコンパクト設計
  • Elgato Wave Linkとの連携で配信音声のミックスも自由自在

こんな人におすすめ

  • XLRマイクでプロレベルの音質を出したい人
  • 音量調整を配信中に直感的に操作したい
  • 複雑なオーディオセットアップをシンプルにしたい

USB HUB

製品概要

複数のデバイスを接続&給電できるStream Deck + 専用USBハブ

周辺機器の整理や安定した電源供給が可能に。

主な仕様

  • 接続ポート:
    • USB-A × 2(USB 3.2 GEN 1 MAX 5Gb/s、4.5 w 供給)
    • USB-C × 2(USB 3.2 GEN 1 MAX 5Gb/s、7.5 w 供給)
    • USB-C(PC接続用)× 1
    • USB-C(AC電源接続用)× 1
  • カードリーダー
    • SD、microSD(UHS-I対応)

メリット

  • 安定した給電とデバイス接続が可能
  • デスク周りのケーブルをすっきり整理
  • コンパクトでモニター下にも設置しやすい

こんな人におすすめ

  • Stream Deck + 以外にも多くの周辺機器を使う配信者
  • ノートPCで配信する際の電力不足を解消したい
  • ケーブルを一箇所にまとめてスマートに配線したい

注意点や感想

  • 使用にはStream Deck +への取り付けが必要で、プラスドライバーを使用します。ビスが小さいので多少の注意が必要です。
Stream Deck +を分解した時のビス穴
  • USB HUBにはACアダプタが付属していません。別途100W供給のType-C電源の用意が必要です。
  • 個人的な感想として、XLR DockのXLRを使用した際、数フレームの音声遅延を感じました。またUSB HUBは急速充電には対応しておらず、スマホの給電には不向きです。

上級者向けテクニック

「マルチアクション」でまとめて実行

複数のコマンドを一つのキーに連鎖させて登録できる機能です。例えば、究極の「配信開始」ボタンは以下のシーケンスを自動実行します。

  1. OBS Studio起動
  2. Discord起動
  3. ゲーム起動
  4. 10秒待機
  5. 「配信待機」シーンに切り替え
  6. イントロBGM再生
  7. ストリーム開始
  8. 「配信開始しました!」をポスト

Stream Deckのマルチアクション設定

必須プラグイン紹介

  • Volume Controller
    アプリごとの音量をダイヤルで個別に調整できる。 ゲーム / 通話 / 音楽の音量を一括管理に便利。
  • Audio Switcher
    音声出力デバイス(スピーカー / ヘッドホンなど)をワンタッチで切り替え可能。 配信・作業・視聴モードの切り替えに最適。
  • OBS Studio
    OBSとの公式連携プラグイン。 シーン切り替え・録画・配信開始/停止などをStream Deckから直接操作。
  • Alive Studio
    OBS Studioのプラグイン、Alive StudioをStream Deckから直接操作。 VTuberやアバター配信におすすめ。

    設定方法は下記ヘルプページをご覧ください。
    Stream DeckにAlive Studioを設定するには?
  • SuperMacro
    複数の操作をまとめたマクロを作成し、1ボタンで実行可能。 配信開始 → OBSシーン変更 → BGM再生 → チャット送信など自動化に最適。
  • Streamer.bot
    Twitch配信との高度な連携が可能。フォロー・コメント・チャンネルポイントなどに応じたアクションを自動実行。

導入方法

※プラグインによってWindows、Macに非対応があります

「スマートプロファイル」で全自動化

現在アクティブになっているアプリケーションを検出し、対応するプロファイルを自動的に読み込む機能です。

Valorantを起動すれば自動的にゲーム用キーが表示され、Photoshopに切り替えれば編集用ツールが瞬時に現れます。

Stream Deckのスマートプロファイル設定

Stream Deckシリーズのユーザー向け選択

利用シーンおすすめモデル理由
初めての配信にStream Deck(15キー)必要十分なボタン数と価格帯。拡張性も◎
音量や照明も触りたいStream Deck +ダイヤルがあることで”調整系”に強い
最小構成で済ませたいStream Deck Neoライトユーザー向け
本格運用したいStream Deck XL大規模配信や複雑なマクロ運用に対応

こんなあなたにはStream Deck がおすすめ

  • VTuberや効果音を多用するストリーマー – 多数の表情、ポーズ、サウンドエフェクトを瞬時に呼び出したい
  • MMORPGやストラテジーゲームのプレイヤー – 膨大な数のスキル、アイテム、マクロを物理キーに登録したい
  • 多数のOBSシーンを切り替える配信者 – 複雑なシーン構成をダイレクトに切り替えたい
  • 予算を重視するユーザー – コストを抑えつつStream Deckの基本的な利便性を享受したい

こんなあなたにはStream Deck +がおすすめ

  • 音質とオーディオコントロールを最優先するユーザー – 音量バランスをリアルタイムで完璧に調整したい
  • Elgatoエコシステムのユーザー – Elgato製の照明やカメラを物理的にコントロールしたい
  • マルチクリエイター – 配信、ゲーム、動画編集、写真編集でダイヤルベースの直感的な操作を求める
  • 高性能なオーディオ環境を求めるユーザー – Wave Linkソフトウェアでプロレベルのオーディオミキシングを実現したい

まとめ:Stream Deckはライブ配信のベースとなる

  • 初心者でもすぐに効果が実感できます
  • 操作をボタン1つにまとめるだけで、配信のテンポが劇的に改善されます
  • 作業効率化にも使える万能デバイスです
  • パワーはPCに依存してしまうため、複雑なコントロールや配信中のキー設定などでPCスペックによってはフリーズ、ソフトウェアダウンの危険性があります。

“ボタン押すだけ”なのに、なぜか“配信うまい人”っぽく見える現象、ありますよね?

Stream Deck は、Elgato が提供する拡張性の高いエコシステムへの入り口となるデバイスです。 初期状態でも十分に便利ですが、使い込むほどに操作性と連携性の強みが際立ち、周辺機器やプラグインとの組み合わせによって、日々の作業効率を大きく向上させてくれます。

今回ご紹介したデバイスやプラグインは、その第一歩としておすすめできるものばかりです。導入したその日から使い始められ、必要に応じて少しずつカスタマイズを加えることで、自分に最適なワークフローを築いていくことができます。

Stream Deck への投資は、単なるガジェットの購入ではなく、時間と集中力を確保し、よりクリエイティブでストレスの少ない環境を整えるための選択とも言えます。

もうStream Deckなしの日々には戻れません…指が覚えてるから。

一度手にすると、もう元の操作には戻れない—— それが、Stream Deck の魅力です。

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今回検証した機器が気になった方は以下もチェックしてみてくださいね!
https://www.elgato.com/jp/ja/p/stream-deck

機材協力:Corsair Gaming, Inc.(Elgato)
レビュー:ウマヅラ

この記事を書いた人

               

ストマガ編集部

「ストリーマーマガジン」は、VTuberや配信クリエイターに興味がある方、ご自身でも活動されている方、そしてこれから配信をはじめてみたい方を応援するWebメディアです。 配信初心者さんからベテランさんまで、幅広く楽しめる情報をお届けします。

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