「esports（eスポーツ）の世界で一番稼いでいる選手は誰だろう」「日本人プレイヤーはどのくらいの位置にいるの」などの疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

esportsは今や世界中で数億人が注目する巨大なエンターテイメント産業へと成長しました。トップ選手の獲得賞金は数億円にのぼり、大規模な国際大会では数百万人が同時視聴する時代です。

本記事では、選手別・チーム別・ゲームタイトル別の賞金ランキングや視聴者数ランキングを詳しく紹介します。

esports業界の現在地を知りたい方、プロゲーマーを目指している方は、ぜひ参考にしてください。

【選手別】esportsの賞金ランキング

esportsで最も稼いでいる選手たちは、世界大会での活躍によって数億円規模の賞金を獲得しています。世界と日本のトッププレイヤーたちのプロフィールや獲得賞金を見ていきましょう。

世界ランキングTOP5

世界のesports賞金ランキングでは、Dota 2のプロ選手が上位を独占しています。世界大会の賞金規模が桁違いであることが、獲得賞金総額に大きく影響しているでしょう。

ここでは、世界ランキングTOP5を紹介します。

第1位：Johan Sundstein選手（$7,184,163）

Johan Sundstein選手は、デンマーク出身のDota 2プロプレイヤーで、ゲーム内ネームは「N0tail」として知られています。獲得賞金総額は710万ドルを超え、世界最高額を誇ります。

OGチームのキャプテンとして2018年と2019年のThe Internationalで2連覇を達成し、esports史上最も成功した選手の一人となりました。

チームの精神的支柱として仲間を鼓舞し、試合中の的確な判断で勝利を引き寄せます。引退後も業界で影響力を持ち続けており、多くの若手選手の憧れの存在となっています。

第2位：Jesse Vainikka選手（$6,486,623）

Jesse Vainikka選手は、フィンランド出身のDota 2プロプレイヤーで、「JerAx」の名前でファンに親しまれています。

獲得賞金総額は640万ドルを超え、Johan Sundstein選手と同じくOGチームのメンバーとして2連覇に貢献しました。

サポートポジションのスペシャリストとして、革新的なプレイスタイルでゲームの流れを変える能力が評価されています。2020年に現役を引退しましたが、esports界に大きな足跡を残した選手です。

第3位：Yaroslav Naidenov選手（$6,227,771）

Yaroslav Naidenov選手は、ロシア出身のDota 2プロプレイヤーで、「Miposhka」というゲーム内ネームで活動しています。

獲得賞金総額は620万ドルを記録。Team Spiritのメンバーとして「The International 2021」「Esports World Cup 2025 [Dota 2]」で優勝を果たし、一躍世界のトップに躍り出ました。

サポートプレイヤーとしての献身的な立ち回りと、緊迫した場面での冷静な判断力が持ち味です。

第4位：Anathan Pham選手（$6,024,411.96）

Anathan Pham選手は、オーストラリア出身のDota 2プロプレイヤーで、「ana」として知られています。

獲得賞金総額は600万ドルを超え、OGチームのコアプレイヤーとして「The International」2連覇（2018年／2019年）の立役者となりました。

若くして頭角を現し、クラッチシーン（勝負の分かれ目）での圧倒的なパフォーマンスが特徴です。一度引退しましたが復帰を果たし、今でもファンから絶大な支持を得ています。

第5位：Sébastien Debs選手（$5,949,442.73）

Sébastien Debs選手は、フランス出身のDota 2プロプレイヤーで、「Ceb」の名前で活動しています。

獲得賞金総額は590万ドルに達し、OGチームのオフレーンプレイヤーとして「The International」の2連覇（2018年／2019年）に貢献しました。

選手としての実力だけでなく、コーチとしての経験も持ち合わせており、チーム全体の戦術構築にも深く関わっています。ベテランプレイヤーとして豊富な経験と知識を武器に、チームを勝利に導いてきました。

日本ランキングTOP5

日本のesportsでも、世界で活躍する選手たちが賞金を獲得しています。国内トップ5の選手たちのプロフィールと実績を紹介しますので、日本人選手の躍進ぶりをご覧ください。

第1位：Kakeru選手（$1,455,614）

日本人選手の第1位はKakeru選手です。獲得賞金総額は約1,455,614ドルで、世界ランキングでは111位に位置しています。

Kakeru選手は格闘ゲーム「ストリートファイター」のトッププレイヤーで、2025年に開催された「Capcom Cup 11」で見事優勝を果たしました。優勝賞金だけで100万ドルを獲得し、一気に日本人トップの座に躍り出たのです。

冷静な試合運びと、相手の心理を読む能力に長けており、世間では「次世代のエース」として期待されています。

第2位：kakip選手（$1,228,551）

第2位はkakip選手（通称：かきp）です。獲得賞金総額は約1,228,551ドルで、世界ランキングでは155位となっています。

kakip選手はデジタルカードゲーム「Shadowverse」のトッププレイヤーで、2021年に開催された「Shadowverse World Grand Prix 2021」で優勝しました。この大会の優勝賞金は約123万ドルで、当時の日本esports界で最高額の記録となりました。

戦略的思考に優れており、ゲーム内の確率計算や相手のデッキ構成を瞬時に読み取る能力が光ります。

第3位：feg選手（$1,003,000）

第3位はfeg選手（通称：ふぇぐ）です。獲得賞金総額は約1,003,000ドルで、世界ランキングでは204位に位置しています。

feg選手も「Shadowverse」のトッププレイヤーで、2018年に開催された「Shadowverse World Grand Prix 2018」で優勝を飾りました。日本人として初めて1億円超えの賞金を獲得した選手として、esports界の歴史に名を刻んでいます。

冷静沈着なプレイスタイルと、緊迫した場面でも動じない精神力が強みです。Shadowverse初期から第一線で活躍し続けており、後輩選手からも尊敬を集めています。

第4位：Gachikun選手（$646,084.53）

第4位はGachikun選手（通称：ガチくん）です。獲得賞金総額は約646,084ドルで、世界ランキングは404位となっています。

38の大会に出場し、主にストリートファイターシリーズで活動しています。最大の実績は2018年12月16日の「Capcom Cup 2018」での優勝で、25万ドルを獲得しました。

その他の主な実績として、2024年2月25日の「Capcom Cup X」で3位、2024年8月11日の「Esports World Cup 2024（SF6）」で同率3位（$75,000）などがあります。

第5位：Tokido選手（$613,805.68）

第5位はTokido選手（通称：ときど）です。獲得賞金総額は約613,805ドルで、世界ランキングでは434位に位置しています。

111の大会に出場し、多様な格闘ゲームタイトルで活躍しています。主な活動ゲームはストリートファイターシリーズですが、鉄拳、キングオブファイターズなど20以上のタイトルでプレイ経験があります。

最大の実績は2018年7月13日の「ELEAGUE Street Fighter V Invitational 2018」での優勝で、この大会で15万ドルを獲得しました。

esportsの基本的な仕組みや歴史について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

>>esportsとは？仕組み・歴史・人気種目をわかりやすく解説

【チーム別】esportsの賞金ランキング

esportsでは個人だけでなく、チーム単位での賞金総額も注目されています。世界トップ3のチームの特徴と獲得賞金を紹介しますので、強豪チームの実力を確認していきましょう。

第1位：Team Liquid（$56,396,588）

Team Liquidは、約5,600万ドルという圧倒的な獲得賞金額で世界1位に君臨し続けています。

Team Liquidの強さは以下の実績からも明らかです。

• 「Dota 2」の世界大会「The International」での優勝（2017年、2024年）
• 「Counter-Strike」シリーズでの数々のタイトル獲得

当初は、戦略対戦ゲーム「StarCraft」をプレイする選手たちのコミュニティとして発足しましたが、2015年のTeam Curseとの合併を機に組織を拡大しました。現在では北米、ヨーロッパ、ブラジル、そしてアジアへと活動拠点を広げています。

第2位：OG（$38,773,813）

OGは、「Dota 2」の世界大会「The International」で史上初の2連覇（2018年、2019年）を成し遂げた伝説的なチームです。獲得賞金総額は約3,870万ドルにのぼり、その大部分を「Dota 2」のタイトルで獲得しています。

OGの歴史を語る上で外せないのが、2018年の世界大会で見せた奇跡的な優勝劇でしょう。主力選手の離脱という危機的状況の中、予選の最下層から勝ち上がり、世界王者へと登り詰めました。

また、ファンとの結びつきを強化する「ファントークン（デジタルグッズの一種）」の発行でも成功を収めており、ブロックチェーン企業Chilizグループによる出資を受けるなど、ビジネス面でも注目を集めています。

第3位：Team Spirit（$35,582,603）

Team Spiritは、1つの大会で約1,800万ドルというesports史上最高額の優勝賞金を獲得した記録を持つ、セルビア拠点の強豪チームです。

Team Spiritは複数のジャンルで高い実績を残しています。

• 「Dota 2」世界大会での2度の優勝（2021年、2023年）
• 「Counter-Strike 2」での2024年上海メジャー優勝および2025年IEMケルン優勝

2021年の世界大会優勝を機にトップチームの仲間入りを果たし、その後も主力選手の入れ替えを行いながら主要大会で結果を残し続けています。

2025年にはチェスのプロ選手と契約して頭脳戦の領域へ進出するなど、既存の枠にとらわれない活動を展開しています。

【ゲームタイトル別】esportsの賞金ランキング

esportsの賞金規模はゲームタイトルによって大きく異なります。ここでは、世界で最も多くの賞金が支払われているゲームトップ3を紹介します。これから参入するタイトルを選ぶ際の、一つの指標としてご覧ください。

第1位：Dota 2（$377,396,784）

「Dota 2」は、賞金総額約3億7,700万ドルという他の追随を許さない圧倒的な金額で1位に輝いています。

「Dota 2」が巨額の賞金を生み出す理由は以下のとおりです。

• 開発元Valveが毎年開催する最大規模の大会「The International」
• 「クラウドファンディング」方式の採用（ファンが購入したゲーム内アイテムの売上が賞金に加算される）

「Dota 2」は、5対5で敵の本拠地破壊を目指す戦略ゲーム（MOBA）です。「League of Legends」と並ぶ人気タイトルですが、賞金の爆発力では群を抜いています。

一攫千金を夢見るなら、避けては通れないタイトルと言えるでしょう。

第2位：Fortnite（$202,892,108）

「Fortnite（フォートナイト）」は、約2億200万ドルの賞金総額を記録しており、日本でも絶大な人気を誇るバトルロイヤルゲームです。

フォートナイトの大きな特徴は以下の2点です。

• 最大100人のプレイヤーが生き残りをかけて戦う「バトルロイヤル」形式
• 建築要素を取り入れた独自のアクション性

2017年のリリース以降、PCだけでなくPlayStationやSwitchなど幅広い機種で遊べることから、爆発的にユーザー数を増やしました。元々は協力プレイゲームとして開発されましたが、現在ではバトルロイヤルモードがメインの競技シーンとなっています。

年齢層が幅広く、配信映えする派手なアクションも多いため、ストリーマーとして活動を始める方にもおすすめです。

第3位：Counter-Strike: Global Offensive（$162,757,246）

「Counter-Strike: Global Offensive（CS:GO）」は、約1億6,200万ドルの賞金総額を誇る、タクティカルシューティングゲーム（FPS）の金字塔です。

Counter-Strike: Global Offensiveが長く愛される理由はここにあります。

• テロリストと対テロリストに分かれて戦う、シンプルかつ奥深いゲーム性
• 60回以上のアップデートを経て完成された競技バランス

発売当初は批判もありましたが、度重なる調整により世界中のFPSファンを熱狂させるタイトルへと進化しました。特にヨーロッパでの人気が凄まじく、スウェーデンのチームなどが圧倒的な強さを誇ります。

2016年からは賞金総額100万ドル規模の大会も開催されるようになりました。

これら以外のesportsのゲームジャンルが気になる方は、以下の記事も参考にしてください。

>>esportsの種類を完全網羅！ゲームタイトルや必須スキルを解説

【ゲームタイトル別】esportsのピーク視聴者数ランキング

ピーク視聴者数は、そのゲームの人気の高さや、配信者としてのチャンスの大きさを示す重要なバロメーターです。多くの方が注目するタイトルで活動することは、あなたの配信を見てもらうきっかけ作りにも直結するでしょう。

ここでは、2025年に世界中で熱狂的な同時接続数を記録したesportsタイトルトップ3を紹介します。

第1位：League of Legends（約675万人）

リーグ・オブ・レジェンドは、2025年の世界大会「2025 World Championship」において、約675万人という驚異的なピーク視聴者数を記録しました。

2009年のリリースから長きにわたりMOBAジャンルの王者として君臨し、毎年開催される世界大会は、スポーツイベントとしても最大級の規模を誇ります。

配信者としてリーグ・オブ・レジェンドを扱うメリットは、視聴者層の厚さにあります。プレイの腕前を披露するだけでなく、プロの試合を一緒に観戦する「ウォッチパーティ」のような楽しみ方も人気です。

第2位：Mobile Legends（約413万人）

モバイル・レジェンドは、スマートフォン向けMOBAとして絶大な人気を誇り、2025年には約413万人の同時視聴者数を記録しました。

PCゲームが主流のesports界において、スマホ一つで手軽に遊べる本作は、特に東南アジアを中心に爆発的なブームを巻き起こしています。2025年の数字を牽引したのは、インドネシアで開催されたプロリーグ「MPL Indonesia Season 15」でした。世界大会ではなく地域リーグでこれほどの数字が出るという事実は、熱量の高さを如実に物語っています。

「機材にお金をかけずに配信を始めたい」という方にとって、スマホゲームであるモバイル・レジェンドは最適な入り口となるでしょう。

第3位：Counter-Strike: Global Offensive（約178万人）

FPSの金字塔であるカウンターストライクシリーズは、2025年も根強い人気を見せつけ、約178万人のピーク視聴者数を獲得しました。

現在は最新作のカウンターストライク2へと移行していますが、長年培われた競技シーンの熱気はそのまま引き継がれています。

2025年6月に開催された「BLAST.tv Austin Major 2025」では、The MongolZ対Team Vitalityといった好カードが実現し、多くのファンが画面に釘付けになりました。

FPSは日本でも人気のあるジャンルですが、カウンターストライクは世界標準のタイトルとして知られています。海外の視聴者も視野に入れたグローバルな配信活動を目指すのであれば、避けて通れないタイトルと言えるでしょう。

まとめ

esportsの賞金ランキングと視聴者数について、最新情報をまとめて紹介しました。主なポイントは以下のとおりです。

• 世界の選手別賞金ランキング1位のN0tail選手は約718万ドルを獲得
• 日本の選手別賞金ランキング1位のKakeru選手が約145万ドルを獲得
• チーム別賞金ランキング1位はTeam Liquidで、約5,639万ドルを獲得
• ゲームタイトル別ではDota 2が約3億7,739万ドルで圧倒的1位
• 2025年のピーク視聴者数1位はLeague of Legendsで約675万人を記録

esports業界は年々成長を続けており、賞金額や視聴者数も右肩上がりで増加しています。

東京eスポーツフェスタ2026の開催情報について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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