OBSを使っている方の中には、YouTubeでライブ配信を行いたいと思っていても、連携方法がわからない方もいるでしょう。本記事では、OBSを使ってYouTubeでライブ配信を行う方法を解説します。

またYouTubeで配信する際のおすすめの音声設定や画質設定も解説しています。これからYouTubeで配信を始めようとする方は、ぜひ参考にしてください。

OBSを使ってYouTubeで配信する前の準備

OBSを使ってYouTubeで配信する場合、事前にYouTube側でライブ配信を有効化させなければなりません。

まずYouTubeを開き、画面右上のカメラマークから「ライブ配信を開始」を選択します。

ライブ配信を開始をクリックすると、下記の画面が出てくるため、「リクエスト」を押しましょう。

リクエストを押すと、電話番号および確認コードの入力を求められるため、指示に従い進めてください。

確認コードが正常に入力されると、上記の画面に移ります。「電話番号を確認しました」と表示されれば、OBSとの連携を申請する手続きは完了です。

なお、申請が完了するまでに最大で24時間かかってしまうため、申請は早めに終わらせておくことをおすすめします。

OBSを使ってYouTubeで配信するための方法

本章では、YouTubeで配信するための方法を解説します。主な方法は以下の2つです。

• アカウント連携によって配信を開始する
• ストリームキー連携で配信を開始する

アカウント連携は、OBSのアカウントとYouTubeを連携させる方法で、OBSが推奨する連携方法でもあります。

ストリームキーは、YouTubeで発行したキーをOBS内に貼り付けることで、配信を可能にする方法です。それぞれの詳しい設定方法を見ていきましょう。

アカウント連携でYouTubeに接続する場合

まず初めに、アカウント連携によってYouTubeに接続する方法を解説します。特段難しい工程はないため、以下で解説する手順を1つずつ押さえていけば、初心者でも問題なく連携が可能です。

OBS側の設定方法

初めにOBSを開き、コントロールパネルの「設定」をクリックします。

設定をクリックすると以下の画面に移動するため、「配信」を選択してください。配信を選択後、サービスの箇所を「YouTube – RTMPS」に設定しましょう。

次に「アカウント接続（推奨）」のボタンがあるため、クリックしてアカウント連携を進めていきます。

アカウントを接続

「アカウント接続（推奨）」のボタンをクリックすると、以下の画面が表示されます。

スマートフォンに認証メールが届くため、自身のログインであることを確認したうえ、上記画像に表示されている数字を選択してください。

なお、上記はあくまで説明用の画像のため、必ず自身の端末に表示された数字を入力しましょう。

数字の入力が完了すると、「アカウントの選択」と表示される画面へ移ります。自身のGoogleアカウントを選択すると、下記画像のとおりOBS Studioにアクセス権を与えるかどうかの選択が表示されます。

ここでは「続行」を選択してください。続行を選択し連携に成功すると下記画面に切り替わるため、ブラウザを閉じてOBSに戻りましょう。

OBSに戻り、下記画像の配信設定で「接続されたアカウント」にアカウント名が入っていれば、連携は成功しています。

配信の管理で項目を設定

アカウント連携に成功すると、コントロールパネルに「配信の管理」という項目が出現します。

「配信の管理」を選択すると、以下画像のように複数の項目が表示されます。

設定すべき項目と、各項目の詳細は以下のとおりです。

項目名	詳細
タイトル	配信のタイトルを記載できる
説明	どのような配信をするのか、概要を記載する場所
プライバシー	視聴可能な範囲を決める箇所で、以下3つから選択する 公開：一般の方も視聴可能 非公開：自分のみ視聴可能 限定公開：リンクを知る方のみ視聴可能
カテゴリ	配信するコンテンツのカテゴリを選ぶ
子ども向けに作られていますか？	子ども向けかどうかを選択する
サムネイル	配信のサムネイルが設定できる
遅延	遅延をどれほどの秒数以内で抑えられるかを設定する箇所で、以下3つから選択する 通常の遅延：10秒程度 低遅延：6秒程度 超低遅延：3秒程度

配信の際は必ず上記の項目を設定しましょう。

ストリームキー連携で配信を開始する場合

本章ではストリームキー連携で配信を開始する方法を解説します。

ストリームキーで連携させるためには、冒頭で解説した「OBSを使ってYouTubeで配信する前の準備」を済ませておく必要があります。申請が完了しないとストリームキーが発行できないため、注意しましょう。

OBS側の設定方法

まず初めにOBSを開き、コントロールパネルの「設定」から配信を選びます。

上記画像の「サービス」を「YouTtube – RTMPS」に設定すると、「ストリームキーを取得」のボタンが出るため、クリックするとYouTube Studioの画面に遷移します。

ストリームキーの取得方法

YouTube Studioを開いたら、画面右上のカメラマークを押し、「ライブ配信を開始」をクリックしてください。

ページが変わると、上記の画面が出てきます。画面左側の「エンコーダ配信」をクリックし、ストリームキーをコピーしましょう。

ストリームキーの使用方法

ストリームキーをコピーしたら、OBS Studioに戻りましょう。

OBSの配信設定に「ストリームキー」という箇所があるため、コピーしたストリームキーを貼り付けて完了です。

上記の設定により、OBSのコントロールパネルにある「配信開始」ボタンからいつでも配信ができます。

YouTubeで配信する際のおすすめの設定

本章では、OBSを使ってYouTubeで配信する際のおすすめの設定方法を紹介します。今回は以下3つの項目を解説します。

• 画質の設定
• 音声の設定
• 録画の設定

画質や音声の設定にこだわると、より見やすく聞きやすい配信が実現できます。視聴者にとってもストレスなく配信を楽しめるため、ファンの獲得も目指せるでしょう。

また、録画においても動画を見返す際に高画質の方が見やすいため、設定にはこだわるべきと言えます。

画質の設定

OBSのYouTube配信を綺麗な画質で行うための設定を解説します。

まず、OBSのコントロールパネルから「設定」を選び「出力」をクリックしてください。

画質の主な設定は、上記画像の黄枠内を調整していきます。各項目の設定内容は以下のとおりです。

項目名	推奨値
映像ビットレート	4,500～9,000 Kbps
音声ビットレート	128 Kbps
映像エンコーダ	ハードウェア（QSV,H.264）

映像エンコーダに関しては、高品質な配信を求める場合は本来「ソフトウェア（x264）」を選択します。

しかし、ソフトウェア（x264）の場合は高品質ゆえに、CPUのリソースを大幅に消費してしまうデメリットがあります。CPUを大幅に消費してしまうと動作が重くなり、配信時のトラブルになりかねません。

そのため、CPUの容量を確保しつつ、安定した配信ができるハードウェアが推奨されています。

音声の設定

配信時の音声を綺麗にするために、フィルタの設定を進めましょう。OBSにおける音声フィルタは、正しい順番に並べることで高音質の配信が可能になります。

初めに、音声ミキサー内の「マイク」の下にある3点をクリックしてください。

クリック後、「フィルタ」を選択しましょう。

フィルタを選択後、プラスボタンを押して音声フィルタの追加を行います。

上から、

• ノイズ抑制
• ゲイン
• ノイズゲート
• コンプレッサー

の順番で設定できていれば問題ありません。

完成した画面は以下のとおりです。

各項目における役割や設定のコツは以下のとおりです。

項目	役割や設定のコツ
ノイズ抑制	・マイクのザーザー音（ノイズ）を解消してくれる ・小さいノイズが入る場合：0～-5dB ・大きいノイズが入る場合：-10～-20dB
ゲイン	・マイクの音量を調整してくれる ・ゲインが小さい：マイク音は小さい ・ゲインが大きい：マイク音も大きい
ノイズゲート	【閉鎖しきい値】 ・設定数値を下回る音を削除する ・生活音の削除に最適 【開放しきい値】 ・設定数値より大きい音を認識する ・ささやき声を拾ってくれる
コンプレッサー	・音割れを防止してくれる機能 ・初心者の場合は、比率としきい値の2点のみ設定すれば問題ない ・音割れが起こる場合は比率の数値を上げる ・しきい値で設定した音量に達した際に、コンプレッサーが作動する

上記の設定を行い、綺麗な音声を視聴者に届けましょう。

録画の設定

録画時の設定は、OBSのコントロールパネルにある「設定」から「出力」を選び、「録画」の部分から変更できます。

録画ファイルのパスは、保存先を自由に決めて問題ありません。「参照」ボタンを押し、希望の保存先を選んでください。

録画フォーマットは、MPEG-4（.mp4）が推奨されています。mp4は、互換性が高い特徴を持ち、様々なデバイスやソフトウェアに対応しているため扱いやすいです。

カスタムマルチプレクサ設定については未記入のままで問題ありません。

YouTube配信で起こりがちな問題

本章ではYouTube配信で起こりがちな問題と解決策を解説しています。主な問題は以下のとおりです。

• ライブ配信が途切れる
• タイムラグが起きる
• 配信が重い

いずれも快適な配信の妨げになる現象で、視聴者にとってもストレスになってしまいます。スムーズに配信を行うためにも、万が一が起こったときに対処できるようにしておきましょう。

ライブ配信が途切れてしまう

ライブ配信が途切れてしまう主な原因は、OBS以外のアプリを開いていたり、OBSが最新バージョンになっていなかったりすることが考えられます。OBSで配信を行う際はバージョンを確認し、他のアプリを開かないように注意しましょう。

なお、上記の対応でも症状が改善しない場合は、パソコンを再起動して、様子をみましょう。

また、万が一配信が途切れてしまった場合は、YouTube Liveのリンクを参加者に共有しなければなりません。メールアドレスなどの連絡手段がわからないと即座に共有ができないため、事前に参加者のメールアドレスを共有し合っておくことも有効な対策です。

タイムラグが起きてしまう

タイムラグが起きる主な原因は以下の3つです。

• ネット回線が問題を起こしている
• パソコンのスペックが不足している
• OBSの設定を間違えている

安価なルーターの利用や低スペックのパソコンはタイムラグを頻繁に引き起こす原因になります。使用する機器の性能不足が原因であれば、機材の変更も視野に入れましょう。

なお、配信の遅延については、OBSの設定を変更することでも解消できます。

まず、コントロールパネルの「配信の管理」をクリックしてください。

画面下部の詳細設定に「遅延」があるため、超低遅延もしくは低遅延を選んで設定は完了です。OBSの遅延に関する設定は以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。

【簡単】OBS配信で遅延解消する設定！設定以外の原因・対策も解説

配信が重くカクカクしてしまう

OBSでYouTube配信をする際に、動作が重いと感じたり、配信がカクカクしてしまう主な原因は以下のとおりです。

• パソコンのスペック不足
• プラグインを入れすぎている
• OBSの設定を間違えている

推奨されるパソコンのスペックは以下を参考にしてください。

CPU	メモリ
・Intel Core i7以上 ・AMD Ryzen7以上	16GB以上

上記のスペックであれば、OBSの動作が重くなる心配はありません。自身が使う機材と照らし合わせ、スペックが足りているかを確認しましょう。

また、OBSには配信を便利にするプラグインが複数存在します。当然ですが、プラグインのインストールはパソコンの容量を消費するため、不要なプラグインがあると動作が重くなります。プラグインを多くインストールしている方は、不要なプラグインをアンインストールするだけでも、動作が軽くなるでしょう。

そして、OBSの設定においてはビットレートを下げることで動作が軽くなる場合があります。

まず、OBSのコントロールパネルから「設定」を選び、「出力」をクリックしましょう。

出力をクリックすると上記の画面が表示されるため、「映像ビットレート」の数値を下げることで動作が改善することがあります。

なお、映像ビットレートの数値は下げすぎると画面がぼやけてしまうため、配信画面を確認しながら数値を調整してください。

上記で紹介した方法を試しても改善されない場合は、こちらの記事もチェックしましょう。

OBSが重い・ラグい・カクつく時の原因・対処法をわかりやすく解説

YouTube配信におけるおすすめのプラグイン

本章では、YouTube配信に便利なプラグインを厳選して紹介しています。

プラグインはOBSの機能を拡張できるため、配信がさらに便利になります。目的に合うプラグインをインストールし、自分好みの配信スタイルを作り上げましょう。

縦型でショート動画を取りたいとき

縦型でショート動画を取りたいときは、「Aitum Vertical」がおすすめです。Aitum Verticalは、OBS Studio内で縦型配信画面に設定し、配信できるプラグインです。

YouTubeでは元々、横向きの動画を楽しむことが主流でした。

しかし、TikTokやInstagramなどの人気SNSアプリによって縦型動画の需要が増え、YouTubeでも縦型のショート動画が流行るようになりました。横向きで撮影した動画を縦型に編集する作業は手間がかかるため、プラグインの導入で最初から縦型動画を撮影できる環境を整えておきましょう。

YouTubeと並行して同時配信をしたいとき

YouTubeと並行して同時配信をしたいときは、「obs-multi-rtmp」がおすすめです。

obs-multi-rtmpは、YouTtubeとTwitchなど複数のサイトで同時配信が可能になるプラグインです。

また、ジャンルによって配信サイトを使い分けている場合でも、サイトの切り替えが容易になるメリットがあります。

TwitchとYouTubeの同時配信を行う手順は、以下の記事で解説しています。

OBSを利用してTwitchとYouTubeの同時配信を行う手順

YouTubeに適した音量で配信したいとき

YouTubeに適した音量で配信したい場合、「Loudness Dock」の利用がおすすめです。Loudness Dockは、自身がどれほどの音量で配信を行っているのかを確認できるプラグインです。

YouTubeでは音量に規定があり、「-14LUFS」を基準値として設定しています。LUFSは「ラウドネスフルスケール」といい、人間が実際に耳で聞いた時の音量を数値に変換したものです。基準値の-14LUFSを超える音は、強制的に-14LUFSまで下げられてしまいます。

まずは「Loudness Dock」を利用して現在の音量を把握し、YouTubeに最適な音量で配信できるようにしましょう。

なお、プラグインの入れ方は以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

OBSにおけるプラグインの入れ方とは？おすすめのプラグインも紹介

OBSを使ってYouTubeで配信するなら、次は？

今回は、OBSを使ってYouTubeで配信する方法について解説しました。適切な設定を行うことで、スムーズで高品質なライブ配信が可能になります。

しかし、視聴者を惹きつける配信を作るには、画質や音声の調整だけでなく、配信画面の演出にもこだわることが重要です。そこでおすすめなのが、配信画面作成サービス「Alive Studio」です！

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