esportsの競技人口|世界・日本の最新統計とランキングを調査

esports(eスポーツ)は世界中で大きな盛り上がりを見せていますが、一体どれくらいの規模で流行しているのか、具体的な数字まで知っている方は少ないかもしれません。

実は、すでにサッカーや野球といったメジャースポーツに匹敵するほどの熱狂が巻き起こっています。

本記事では、世界全体と日本国内それぞれの競技人口や市場規模といった最新データを徹底的にまとめました。

なぜこれほどまでに急成長しているのか、高額な賞金や企業の動きといった背景まで掘り下げて解説します。

【世界】esportsの競技人口と関連指標

世界中で熱狂を生み出し続けているesportsですが、具体的な規模感を知ることで、配信者として活動する際のポテンシャルを深く理解できます。

ここでは、世界の競技人口、市場規模、そして視聴者数という3つの視点から、esports業界の現状と未来を紐解いていきます。

競技人口:約1.3億人

世界のesports競技人口は、推定でおよそ1億3,000万人にのぼると言われています。

提示した1億3,000万人という数字は多くのメディアで引用されていますが、あくまで業界による推計であり、公式な統計機関による確定値ではありません。

正確な人数の把握が難しい背景には、サッカーや野球のような統一された国際的な統括団体によるカウントが存在しないという事情があります。

市場規模:約16.2億ドル

2024年のesportsの市場規模は、約16.2億ドルの水準まで拡大すると見込まれています。

市場規模の算出については調査機関によって見解が分かれていますが、どのデータを参照しても市場が右肩上がりで成長している傾向は変わりません。

市場を支えている主な収益源は、企業からのスポンサー料と放映権です。TwitchやYouTube Gamingといったオンライン配信プラットフォームの普及も、esportsの市場規模拡大を後押ししています。

視聴者数:約4.7億人

2021年の公式データによると、世界全体のesports視聴者数は約4億7,400万人を記録しました。

Newzooの調査によれば、4億7,400万人の内訳は、月1回以上視聴する「esports愛好家」が約2億3,400万人、たまに視聴する「偶発的視聴者」が約2億4,000万人となっています。

さらに最新の推計では視聴者数が増え続けており、ASO Worldの調査によると2025年には6億4,110万人に達すると予測されています。

esportsの概要を押さえたい方は、以下の記事も参考にしてください。

>>esportsとは?仕組み・歴史・人気種目をわかりやすく解説

【日本】esportsの競技人口と関連指標

国内のesports市場も着実に成長を続けており、配信者として活躍できる土壌は整いつつあると言えます。ここでは、日本国内における競技人口、市場規模、ファン数という3つのデータから、日本の現状を紹介します。

競技人口:約400万人

日本のesports競技人口は、推定で約400万人と言われています。

世界全体の競技人口が約1.3億人であることを踏まえると、日本のシェアは全体の約3%程度にあたります。ただし、提示した数値は公式な統計ではなく、あくまで推計値である点に注意が必要です。

日本人プレイヤーの特徴として、「ストリートファイター」や「鉄拳」をはじめとする格闘ゲームのプレイヤー数は世界的に見ても多く、日本が誇る強みとなっています。配信を始める際は、こうした国内ならではの人気の傾向を掴んでおくとよいでしょう。

市場規模:約146.85億円

2023年の日本国内におけるesportsの市場規模は、前年比117%となる146.85億円に到達しました。

一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)の発表によると、コロナ禍が落ち着き、オフライン大会やイベントが復活したことが成長を大きく後押ししています。市場の内訳を見ると、イベント運営費が全体の約37.6%と最も大きな割合を占めており、次いでスポンサー収入などが続きます。

市場の成長推移は以下のとおりです。

  • 2021年:約78.4億円
  • 2022年:約125.5億円
  • 2023年:約146.85億円

出典:JeSU「eスポーツの市場と推移

世界市場と比較すると約6%程度の規模ではありますが、2025年には200億円に迫る勢いで拡大を続けており、国内企業の投資意欲も高まっています。

ファン数:約856万人

2023年の日本国内におけるesportsのファン数は、前年比110.3%増の約856万人を記録しました。

ここで言う「ファン」とは、試合観戦や動画視聴の経験がある方、テレビの関連番組を見たことがある方などを指す広義の数字です。

ファン数の推移と予測は以下のとおりです。

  • 2021年:約743万人
  • 2023年:約856万人
  • 2025年予測:1,000万人超

出典:JeSU「eスポーツの市場と推移

これから配信を始める方にとって、850万人以上の潜在的なファンが国内にいる事実は、大きな励みになるでしょう。

esportsの競技人口が増加している理由

世界中でesportsの競技人口が右肩上がりに増えている背景には、単なるブームでは終わらない構造的な変化があります。かつては「ゲームは遊び」と捉えられていましたが、現在では巨額のマネーが動き、国が支援する一大産業へと進化しました。

ここでは、プレイヤーを惹きつけ、業界を拡大させている3つの具体的な要因について解説します。

大会賞金の高額化

大会賞金の規模が桁違いに高騰したことで、esportsは「一攫千金が狙える夢のある職業」へと変貌を遂げました。

象徴的な事例として、サウジアラビアで開催された「Esports World Cup 2024」では、賞金総額が6,000万ドルを超え、esports史上最高額を記録しました。

内訳もユニークで、個別のゲームタイトルの優勝賞金だけでなく、複数のゲームで好成績を収めたチームを表彰する「クラブチャンピオンシップ」に2,000万ドルが配分されました。

プロチーム・スポンサーの増加

ゲーム関連企業だけでなく、誰もが知る巨大な一般企業がスポンサーとして参入したことで、業界の資金基盤が盤石になりました。

先述した「Esports World Cup 2024」には全27社がスポンサーとして名を連ねており、その顔ぶれは多岐にわたります。たとえば、以下のような私たちが日常的に触れる「非エンデミック企業(ゲーム業界以外の企業)」が積極的に投資を行っているのです。

  • Sony Group Corporation
  • Amazon.com, Inc.
  • PepsiCo, Inc.
  • TikTok(ByteDance傘下)

さらに、開催地サウジアラビアからは、国営石油会社AramcoやQiddiya Cityといった国家プロジェクト級の企業も参画しました。

政府・教育機関の支援

国がesportsを正式な産業やスポーツとして認定し、教育や政策面でバックアップする体制が世界中で整いつつあります。

特に中国では政府主導の強力な支援が行われており、2003年の時点で国家体育総局がesportsを公式スポーツとして認定しました。

こうした動きは中国に留まりません。日本でも専門学校にesports専攻コースが増加し、サウジアラビアは国家戦略「Saudi Vision 2030」の一環として巨額の投資を行っています。

【ゲームタイトル別】esportsの競技人口

ここからは、実際に世界中でプレイされている主要なesportsタイトルごとに、具体的な競技人口や人気の理由を見ていきます。

タイトルによってファン層の特徴が異なるため、自分がどのゲームで配信活動を行うかを決める際の貴重な材料になるはずです。代表的な5つのタイトルをご紹介します。

League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド):月間1億人超

世界で最も多くのプレイヤーを熱狂させているesportsの王者が、リーグ・オブ・レジェンドです。

5対5のチーム戦で敵陣の破壊を目指すMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)というジャンルで、高度な戦略性と連携が求められます。その人気は圧倒的で、月間のアクティブプレイヤー数はなんと1億人を超えています。

特徴は、世界大会「World Championship」の規模です。2025年大会の視聴者数はピーク時には675万人を記録しました。

プレイヤー数の多さはそのまま視聴者の多さに直結するため、配信者として多くの方に見てもらいたいと考えるなら、真っ先に候補に挙がるタイトルと言えるでしょう。

Counter-Strike 2(カウンターストライク2):月間ピーク160万人超

FPSの金字塔として、長年愛され続けているのがカウンターストライクシリーズです。2023年に最新作「カウンターストライク2」が登場し、その人気はさらに加速しています。

テロリストとカウンターテロリストに分かれて戦う硬派なタクティカルシューターで、一瞬の判断と精密な射撃技術が勝敗を分けます。同時接続者数のピークは160万人を超えており、特にヨーロッパやCIS地域(旧ソ連圏の国々)での人気は絶大です。

前作からの歴史が長く、esportsとしての競技シーンが非常に成熟しています。競技性の高さゆえに、「ガチ勢」と呼ばれるコアなファン層に向けた配信をしたい方におすすめのジャンルです。

Dota 2(ドータ2):月間ピーク70万~94万人

リーグ・オブ・レジェンドと並び、MOBAジャンルを牽引するもう一つの巨頭が「Dota 2」です。

複雑で奥深いゲーム性が特徴で、アイテムの組み合わせやマップの仕掛けなど、覚えるべき要素が膨大にあります。月間のピーク同時接続者数は70万〜94万人ほどで推移しており、熱心なファンによって支えられています。

Dota 2の最大の特徴は、なんといっても「賞金額の高さ」です。世界大会「The International」は、クラウドファンディング形式で賞金が集められるため、過去には賞金総額が4,000万ドルを超えたこともあります。

一攫千金の夢があるタイトルとして注目度は高く、ハイレベルなプレイを見せる配信には世界中から視線が集まります。

PUBG: BATTLEGROUNDS:月間ピーク79.9万人

最大100人が孤島に降り立ち、最後の1人になるまで戦い抜く「バトルロイヤル」ブームの火付け役となったのが「PUBG」です。

2022年から基本プレイ無料となり、再びプレイヤー数が増加傾向にあります。2024年12月のデータでは、月間ピーク同時接続数が約80万人に達しました。PC版だけでなく、モバイル版の「PUBG MOBILE」も数億人規模のユーザーを抱えており、特にアジア圏での知名度は抜群です。

日本でも「PJS」などのリーグが開催されてきた歴史があり、なじみ深いタイトルです。緊張感あふれる生存競争は、見ているだけでも手に汗握る展開が多く、実況プレイとの相性が非常に良いのが特徴です。

初心者でも状況が分かりやすいため、配信の盛り上がりを作りやすいタイトルと言えるでしょう。

Overwatch 2(オーバーウォッチ2):月間2,200万~2,400万人

個性豊かなヒーローたちがチームを組んで戦う、アクション性の高いFPSが「Overwatch 2」です。

「タンク」「ダメージ」「サポート」という3つの役割に分かれ、互いの能力を活かして協力する楽しさがあります。月間アクティブプレイヤー数は2,200万人以上を維持しており、世界中で根強い人気を誇ります。

以前開催されていた公式リーグ「OWL」は縮小しましたが、現在はコミュニティ主導の大会や「Esports World Cup」などの国際大会が盛り上がりを見せています。キャラクターの魅力も強く、ファンアートやコスプレ文化とも親和性が高いため、ゲームプレイ以外の話題でも視聴者と交流しやすいのが魅力です。

これら以外のesportsのゲームジャンルが気になる方は、以下の記事も参考にしてください。

>>esportsの種類を完全網羅!ゲームタイトルや必須スキルを解説

【国別】esportsプロプレイヤー数ランキング(2024年賞金獲得者ベース)

ここでは、2024年に実際の大会で賞金を獲得したプレイヤー数をベースに、esports大国ランキングをご紹介します。

1位:アメリカ(3,445名)

2024年、世界で最も多くの賞金獲得プレイヤーを輩出したのはアメリカで、その数は3,445名にのぼります。

アメリカが1位に君臨する理由は、圧倒的な競技人口の裾野の広さと、プロを目指すための環境が整っている点にあります。大学にはesportsの奨学金制度があり、学業と両立しながらプロを目指す若者も珍しくありません。

活躍するゲームタイトルも多岐にわたりますが、特に賞金総額が大きい「Fortnite」や、北米地域が強豪として知られる「Call of Duty」などで多くのアメリカ人選手が活躍しています。賞金総額は約2,229万ドルを記録しています。

2位:中国(1,596名)

第2位は中国で、1,596名のプレイヤーが賞金を獲得しています。

プレイヤー数こそアメリカに次ぐ2位ですが、特筆すべきはその稼ぎ出す金額の大きさです。賞金総額は約3,681万ドルに達しており、国別の賞金総額では堂々の世界1位です。

強さを支えているのは、「Dota 2」や「League of Legends」といった高額賞金タイトルでの圧倒的な実績と、政府による強力なバックアップです。

さらに、中国発のモバイルMOBA「Honor of Kings」など、自国タイトルでのリーグ運営も盛んで、まさに国を挙げてのエリート教育が結果に結びついています。

3位:ブラジル(1,411名)

第3位にランクインしたのは南米の雄、ブラジルです。2024年には1,411名のプレイヤーが賞金を手にしました。

ブラジルと言えばサッカーのイメージが強いですが、esportsにおいても情熱的なファン文化と高い実力を兼ね備えています。特にFPSタイトルの「カウンターストライク」シリーズでは、伝説的なプレイヤーを輩出した強豪国として世界にその名を轟かせています。

モバイルゲームの「Free Fire」も爆発的な人気を誇り、PC環境を持たない層からも多くのプロが誕生しています。

4〜10位の国一覧

トップ3に続く国々も、それぞれ独自の特徴を持ったesports先進国ばかりです。4位から10位までのランキングは以下のとおりです。

  • 4位:韓国(934名)
  • 5位:フランス(926名)
  • 6位:ロシア(885名)
  • 7位:オーストラリア(885名)
  • 8位:イギリス(829名)
  • 9位:ドイツ(823名)
  • 10位:サウジアラビア(685名)

プレイヤー数が多い国と、賞金を多く稼いでいる国は必ずしも一致しません。配信でどの地域の試合を取り上げるか迷ったときは、こうした国ごとの特性を参考にしてみるのも面白いでしょう。

esports視聴プラットフォームの統計

2024年のTwitch全体の統計データによると、月間の平均アクティブ視聴者数は1億500万人を超え、年間の総視聴時間は156億時間以上という驚異的な数字を記録しました。

この数値はesportsの大会配信だけでなく、個人のゲーム実況や雑談配信なども含んだ全体のものですが、いかに多くの人々が日常的に配信を楽しんでいるかが分かります。

もちろん、Twitch以外にも選択肢はあります。YouTube Gamingも数億人規模の視聴者を抱えていますし、最近ではTikTok Liveでの配信も増えてきました。

それぞれのプラットフォームに特徴があるため、自分のスタイルに合った場所を見つけることが、配信者としての第一歩となるでしょう。

Twitchで配信する方法が気になる方は、以下の記事も参考にしてください。

>>Twitch配信の始め方&やり方!必要なものや収益化条件も解説!

まとめ

本記事では、世界規模で加熱するesportsの競技人口や、国別の市場動向について解説しました。

年々拡大する市場規模は、これから配信活動を始める方にとって大きな追い風です。自分のプレイスタイルやターゲット層に合わせて参入ジャンルを絞り込むと、ファン獲得への近道になります。

「世界に向けて発信したい」「国内の熱いファンと盛り上がりたい」という情熱を原動力に、紹介したデータを活かして、さっそく配信の準備を始めてください。

この記事を書いた人

ストマガ編集部

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