OBSのノイズゲートとは?設定方法やノイズ抑制との違いも解説!

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配信中にクリアな音声を届けたいなら、OBSの「ノイズゲート機能」が役立ちます。このツールは、一定音量以下の音を自動でカットしてくれる便利な機能です。
環境音やマイクのホワイトノイズが気になる場合でも、ノイズゲートを活用するだけで音声のクオリティが一気に上がります。
この記事では、ノイズゲートの基本的な仕組みを解説しつつ、実際の設定方法を詳しく紹介します。
まず、OBSで音声設定する方法やおすすめ設定をお探しの方は、こちらの記事をチェックしましょう。
OBSで音声を設定する方法!高音質で配信できるおすすめ設定を紹介
「配信環境をもっと充実させたい」と考えている方は、この記事を参考にノイズゲートの知識をマスターしましょう。
OBSのノイズゲートとは?
OBSのノイズゲートとは、配信中に入り込む余計な音を自動的にカットして、音声をクリアに整えるための便利なフィルター機能です。
ただし、設定を間違えると小さな話し声までもカットされることがあるため、微調整が重要です。
ここでは、以下の項目に沿ってノイズゲートの仕組みについて解説します。
- ノイズゲートの基本性能
- ノイズゲートの用語解説
- ノイズ抑制との違い
ノイズゲートの基本性能
ノイズゲートは、音の大きさによって音声を通すか遮断するかを判断するフィルターです。簡単に言えば「音の門」のようなもので、小さな音はブロックし、大きな音だけを通す仕組みとなっています。
ノイズゲートを活用すると、以下のような効果が得られます。
- 環境音の除去
空調音やキーボードのタイピング音、マウスのクリック音など、配信に不要な音をシャットアウトできる - 無音状態をキープ
自分が話していない間は配信音声を無音にできるため、クリアでストレスのない音声を視聴者に届けられる - 音声のクオリティ向上
ゲーム実況やゲーム配信、雑談配信などでマイクが拾うノイズを抑え、プロレベルの音声品質を実現できる
ノイズゲートの用語解説
ノイズゲートの設定にはいくつかの項目があり、それぞれが音声の処理に直接影響します。
以下に主要な項目の意味と設定のポイントをまとめました。
項目 | 詳細 | 設定のコツ |
---|---|---|
閉鎖しきい値 | どの程度の音量を下回ったら音を遮断するかを決める値。 | 低すぎるとノイズが通りやすくなる。高すぎると小声や語尾がカットされる。 |
開放しきい値 | 音を通すために必要な音量を決める値。 | 開放しきい値と閉鎖しきい値の差を適切に調整することで、自然な音声を確保。 |
動作開始時間 | しきい値を超えてからノイズゲートが動作を始めるまでの時間。 | 短いと音が突然切れる印象を与える。長すぎるとノイズが通る場合がある。 |
保持時間 | 音がしきい値を下回ってからミュートになるまでの猶予時間。 | 自然な音声の切り替えを目指して設定する。 |
解除時間 | ミュート解除後、音を再び遮断するまでの猶予時間。 | 短くしすぎると不自然な音声途切れが発生するため注意。 |
ノイズ抑制との違い
ノイズゲートとノイズ抑制は似たような機能に思われがちですが、実際には異なる働きをします。
フィルター名 | 働き | 特徴 | 活用例 |
---|---|---|---|
ノイズゲート | 一定の音量を下回る音を完全にカット。 | 静かな環境に適しており、話している間に入るノイズはそのまま通す。 | 自分が話していないときの静寂を確保したい場面で有効。 |
ノイズ抑制 | 周囲のノイズ全般をカット。 | 音質の劣化が少ないが、甲高い声など一部の音声を誤ってノイズと判断して消してしまう場合がある。 | 雑音の多い環境でも音質を安定させたいときに場面で有効。 |
OBSでノイズゲート使用前に設定したい2種類のフィルター
ノイズゲートを使用する際、事前に「ノイズ抑制」と「ゲイン」のフィルターを設定することをおすすめします。なぜなら、ノイズ抑制でマイクが拾う雑音を軽減し、ゲインで音量バランスを整えた後にノイズゲートを適用することで、よりクリアな音声を実現できるからです。
ここでは、以下2種類のフィルターについて解説します。
- ノイズ抑制
- ゲイン
OBSのマイク音質に特化したフィルタが気になる方は、こちらの記事もチェックしましょう。
ノイズ抑制
ノイズ抑制フィルターは、配信中にマイクが拾う「ジー」や「ザー」といったバックグラウンドノイズを軽減するための機能です。
うまく活用できると、視聴者にとって快適で聞き取りやすい音声を届けられます。
効果 | 推奨設定値 | 注意点 |
---|---|---|
一定の持続音をカットして音声をクリアにする | 軽度のノイズの場合:0~-5dB強いノイズの場合:-10~-20dB | 抑制レベルを上げすぎると、話し声の一部がノイズと判定されカットされる可能性がある |
次に、ノイズ抑制フィルターの種類である「RNNoise」と「Speex」の特徴について解説します。
RNNoise
RNNoiseはAI技術を活用したノイズ抑制フィルターです。ゲーム実況や雑談配信でバックグラウンドノイズを最小限に抑えたい方に向いています。
主な特徴は以下の通りです。
- AIがノイズと音声を自動で判断し、不要な音を的確に除去
- 追加の細かい設定は不要なので、初心者でも簡単に使いこなせる
- キーボードのタイピング音やマウスクリック音、PCファンの音などを効果的に軽減
- ただし、ノイズ除去の過程で音質に若干の影響が出ることも
- AIによるリアルタイム処理をするため、CPU負荷が比較的高め
- 「ス」「プ」といった音がカットされることがあり、歌配信や声の細かな表現を重視する配信には不向き
Speex
Speexは、OBSに初期搭載されているノイズ抑制フィルターで、軽度のバックグラウンドノイズを抑えるのに向いています。
主な特徴は以下の通りです。
- ツマミを動かすだけで、簡単にノイズ抑制の強さを設定できる
- 抑制レベルを高くするとノイズをしっかり軽減できるが、その分声質に影響が出る可能性がある
- 空調音や軽めのホワイトノイズを効果的に抑えられる
- RNNoiseほど強力な抑制効果はないが、CPU負荷が低く、手軽に利用できる
- 抑制レベルを強くしすぎると、声が歪んだり不自然に聞こえることがある
Speexは、以下のような方におすすめです。
- 軽度のノイズが気になるが、CPU負荷を抑えたい方
- 初心者で簡単な設定で使えるノイズ抑制を探している方
ゲイン
ゲインは音量を調整するためのフィルターで、音声を配信に適したバランスに整える役割を担います。
ゲインの設定手順は、以下の通りです。

1.「音声ミキサー」の「マイク」上で右クリックし、「フィルタ」をクリック
2.「マイクのフィルタ」内の「+マーク」をクリックし、「ゲイン」を追加
3. 目盛りを確認しながら調整
マイク音量の目盛りを見ながら調整します。通常の話し声が緑から黄色の範囲(音量の適正ゾーン)に収まるように設定しましょう。
ゲインを設定する際は、以下の点に注意しましょう。
- 音量の上げすぎに注意
ゲインを高く設定しすぎると音割れの原因になります。赤の目盛り(クリッピングゾーン)に達した場合は値を下げましょう。 - ノイズ抑制との組み合わせが重要
ノイズ抑制フィルターを先に適用し、雑音を抑えてからゲインを調整すると、よりクリアな音声となります。
OBSでノイズゲートを設定する方法
続いては、ノイズゲートの設定手順を紹介します。

1.「音声ミキサー」の「マイク」上で右クリックし、「フィルタ」をクリック
2.「マイクのフィルタ」内の「+マーク」をクリックし、「ノイズゲート」を追加
3. 閉鎖しきい値と開放しきい値を調整
ノイズゲートの設定画面で、「閉鎖しきい値」と「開放しきい値」を調整します。この2つの値が、音声をカットするか通過させるかの基準です。
ノイズゲートの効果は、使用するマイクや周囲の環境によって異なります。一度設定したら録音テストをして、音声が自然に聞こえるかチェックしましょう。
OBSでノイズゲート使用後に検討すべきフィルター
ノイズゲートで音声を一定の基準に整理した後、さらなる音質向上を目指すなら「リミッター」と「コンプレッサー」の使用をおすすめします。
この2つのフィルターは、音量のばらつきや急な音割れを防ぎ、視聴者に安定した音声を届けられます。
ただし、設定する際はノイズゲート⇒リミッター⇒コンプレッサーの順に行うことが大切です。
ここでは、それぞれの機能と設定方法について解説します。
リミッター
リミッターは、音量が設定した上限を超えないように自動で調整するフィルターです。
配信中の大声やゲーム音が予想外に大きくなった場合でも音割れを防いでくれるので、快適な音量を保てます。
リミッターの設定手順は、以下の通りです。

1.「音声ミキサー」の「マイク」上で右クリックし、「フィルタ」をクリック
2.「マイクのフィルタ」内の「+マーク」をクリックし、「リミッター」を追加
3. しきい値を設定
音量の最大値を設定します。通常の配信では-3dBが一般的です。
4. リリースタイムを設定
・音量がしきい値を超えた際に、抑制を解除するまでの時間を設定します。
・推奨値:50~100ms
リミッターを設定する際は、以下の点に注意しましょう。
- 音質改善の効果はない
リミッターは音量を制御するフィルターであり、音質そのものを改善する機能はありません。 - 元の音声がクリアであることが前提
ノイズが多い音声では、リミッターの効果が十分に発揮されません。環境音や雑音を減らした状態で使用するのが理想です。
コンプレッサー
コンプレッサーは、音量のばらつきを抑え、全体のバランスを整えるためのフィルターです。
声が小さいときは音量を引き上げ、大きいときは抑えることで、リスナーが快適に聞ける音声を作り出します。
コンプレッサーの設定手順は、以下の通りです。

1.「音声ミキサー」の「マイク」上で右クリックし、「フィルタ」をクリック
2.「マイクのフィルタ」内の「+マーク」をクリックし、「コンプレッサー」を追加
3. 比率(Ratio)の設定
大きな音をどの程度抑えるかを設定する項目。
一般的には「4:1」で、高く設定すると音が圧縮されすぎる場合があるため注意。
4. しきい値(Threshold)の設定
コンプレッサーが動作を開始する音量を設定する項目。通常の配信では-20dB程度がおすすめ。
コンプレッサーの設定方法は以下の記事でも解説しています。
OBSコンプレッサーの設定方法を解説!配信時のマイク音割れ対策に
OBSのノイズゲートに関連するよくある質問
OBSのノイズゲートを設定する際、音質に関する悩みやトラブルが発生することがあるでしょう。
ここでは、ノイズゲートの使い方やトラブル解消のポイントについて、よくある疑問を取り上げて解説します。
音質を改善しながら、ストレスのない配信環境を目指しましょう。
- ノイズ抑制を使うと音がこもるのはなぜ?
- OBS配信でホワイトノイズを消す方法は?
- OBSの設定にノイズゲートはいらない?
ノイズ抑制を使うと音がこもるのはなぜ?
音がこもる原因は、ノイズ抑制やノイズゲート、コンプレッサーといったフィルターの設定順序に問題がある場合が多いです。
以下の手順に沿ってフィルターの設定を進めてみましょう。
1. ノイズ抑制
2. ゲイン
3. ノイズゲート
4. リミッター
5. コンプレッサー
すべてのフィルターを設定した後、こもり具合が気になる場合は以下を試してみましょう。
- ノイズ抑制やコンプレッサーの数値を弱める
- フィルターの順序を再確認する
OBS配信でホワイトノイズを消す方法は?
配信中に聞こえる「ザー」というホワイトノイズを減らすには、OBSのノイズ抑制フィルターを活用するのが効果的です。
1. OBSの「音声ミキサー」で対象のマイクを右クリックし、「フィルタ」を選択
2. フィルタ設定画面で「+」ボタンを押し、「ノイズ抑制」を追加
3. ノイズ抑制タイプとして「RNNoise(高品質)」を選択
4. ノイズの強さに応じて、-5dB~-20dBの範囲で設定
設定値が高すぎると音質に影響を与える可能性があるため、テストしながら微調整しましょう。
OBSの設定にノイズゲートはいらない?
ノイズゲートは、静かな環境であれば必須ではありません。ノイズ抑制とゲイン調整だけで音声が十分クリアなら、無理に追加する必要はありません。
ただし、環境音が多い場合や周囲の雑音を完全にカットしたい場合には有効なフィルターといえます。
OBSのノイズゲートを設定したら、次は?
今回は、OBSのノイズゲート機能を活用し、配信中の雑音を抑えてクリアな音声を届ける方法を解説しました。ノイズゲートを適切に設定することで、空調音やタイピング音などの環境音を排除し、より快適な配信環境を実現できます。
配信で理想的な音質を目指すためには、以下の流れでフィルターを設定するのがおすすめです。
フィルタ名 | 役割 | 推奨設定値 |
---|---|---|
ノイズ抑制 | 背景ノイズを軽減 | -5dB ~ -20dB |
ゲイン | 音量バランスを調整 | 通常の話し声が黄色付近に |
ノイズゲート | 不要な音をカット | 開放しきい値-30dB前後 |
リミッター | 急激な音量の上昇を防止 | -3dB |
コンプレッサー | 音量のばらつきを抑え全体を整える | 比率4:1、しきい値-20dB |
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