OBSで字幕をリアルタイム表示!自動翻訳付きの配信方法を紹介!

OBSで字幕を表示すると、海外の視聴者や聴覚にハンディキャップがある方にも配信を届けられるので、新しい視聴者を増やせる可能性があります。

しかし、「設定方法がわからない」「必要なソフトが何か知りたい」と悩む方もいるでしょう。

この記事では、OBSを使った字幕の表示方法について、「インストール版」と「ブラウザ版」に分けて解説します。

「インストールなしで字幕を表示させたい」という方は、「OBSで字幕を表示する方法【ブラウザ版】」からチェックしましょう。

OBSで字幕を表示する方法【インストール版】

OBSで字幕をリアルタイム表示する際に、多機能で安定した動作を求めるなら「ゆかりねっとコネクターNEO(以下、ゆかコネ)」というツールがおすすめです。

インストールが必要なので、以下の手順を参考に設定を進めましょう。

「ゆかりねっとコネクターNEO」をインストール

「ゆかりねっとコネクターNEO」をインストール

1.「ゆかコネ」のダウンロードページにアクセス

2.ページ内の「ダウンロード」ボタンをクリック
 ・Googleドライブのページが開いたら、「ダウンロード」ボタンを選択してファイルを保存しましょう。
 ・ファイル名は「YNCneo_v2.0.xxx.exe」のようにバージョンごとに異なります。

3.ダウンロードしたファイルをダブルクリックで実行
 ・Windowsの警告が出た場合は「詳細情報」をクリックし、「実行する」を選択しましょう。

4.インストーラーが起動したら、「次へ」をクリック

5.使用許諾契約を確認し、「同意する」を選択
 ・「デスクトップにショートカットを作成する」にチェックを入れると便利です。

6.インストール完了後、「ゆかコネ」を起動
 ・デスクトップにショートカットを作成していない場合は、インストール先フォルダからダブルクリックしましょう。

起動時にエラーが出た場合は、インストールに問題が生じている可能性があります。一度アンインストールして、再度上記手順をやり直しましょう。

OBSで「WebSocket」を設定

続いてはOBSを開きましょう。

「ゆかコネ」と連携するために、OBS側でのサーバー有効化が必要なので、以下を参考に設定を進めましょう。

OBSで「WebSocket」を設定

1.OBSを起動しツールから「WebSocketサーバー設定」を選択

2.開いたウィンドウ内で「WebSocketサーバーを有効にする」にチェックを入れる

3.「サーバーポート」と「パスワード」をメモ
 ・初期設定のままで問題ありませんが、必要に応じて変更可能です。

4.設定完了後、「適用」⇒「OK」をクリック
 ・「適用」をクリックすると、セキュリティソフトやWindowsファイアウォールがブロックを警告する場合があるので、ブロック解除または「許可」を選択しましょう。

「ゆかりねっとコネクターNEO」の基本設定

続いては、最初にインストールした「ゆかコネ」を開き、以下の手順に沿って初期設定を進めましょう。

「ゆかりねっとコネクターNEO」の基本設定

1.「ゆかコネ」を起動

2.メニューが表示されたら、「共通設定項目」をクリック

3.音声と名前の設定
 ・「話す言語」:プルダウンメニューから使用する言語を選択
 ・「名前」:配信時に使用する名前を入力

4.「音声認識システム」の項目で「オフライン認識」にチェックを入れる

5.「プラグイン一覧」の中から該当するバージョンを選択

配信に合わせてフォントや文字サイズを調整したい場合は、OBS側で設定できます。

細かい設定を後回しにしても字幕表示に支障はないので、一旦スルーして残りの設定を進めることをおすすめします。

「ゆかりねっとコネクターNEO」と「OBS」を連携

続いては、OBSと「ゆかコネ」を両方起動して連携作業に進みましょう。

「ゆかりねっとコネクターNEO」と「OBS」を連携

1.OBSで接続情報を確認
 ・OBSを起動し、画面上部のメニューから「ツール」を選択
 ・サーバーポート(通常4455)とパスワードをメモしておく

2.「ゆかコネ」で接続設定
 ・WebSocket5の設定ボタンをクリック
 ・表示された画面で、OBSのサーバーポートとパスワードを入力
 ・「OBSに接続」をクリックし、画面に「接続しました」と表示されれば連携成功

3.テキストソースの名前を統一
 ・OBSで作成する「テキスト(GDI+)」ソースの名前と、「ゆかコネ」側の「送信先名」を一致させる必要があります。

4.音声認識をテスト
 ・「ゆかコネ」のメイン画面で「音声認識」を開く
 ・マイクを設定し、認識が正しく動作するか確認
 ・OBS画面で字幕がリアルタイムに表示されることを確認

自動翻訳機能を使った多言語字幕の設定方法

OBSと「ゆかコネ」を組み合わせることで、自動翻訳機能を使った多言語字幕の表示が可能になります。

以下の手順で、翻訳機能を活用した設定をしましょう。

自動翻訳機能を使った多言語字幕の設定方法

1.「ゆかコネ」を起動

2.「翻訳言語と翻訳エンジン」を開く

3.翻訳元言語(自分が話す言葉)と翻訳先言語(表示したい言語)を選択
 ・最大4つの言語に同時翻訳が可能
 ・不要な翻訳項目には「999:表示なし」を設定

4.翻訳エンジンの選択
 ・無料で利用する場合:「共用翻訳サーバ」
 ・高精度な翻訳を求める場合:有料プランを検討

5.OBSを起動

6.連携済みのWebSocket5を開く

7.作成したソースの名前を翻訳1~翻訳4に設定

8.翻訳設定を「ゆかコネ」と連携

9.WebSocket5の設定ボタンをクリック

10.翻訳字幕をOBSのテキストソースに割り当てる。
 ・字幕が重ならないよう、OBS内で適切な位置に配置
 ・フォントサイズや背景色を視認性に合わせて調整

11.テスト配信で確認
 ・ライブ配信前にローカル録画を実施し、字幕が正しく表示されているか確認
 ・英語や中国語など言語を変更し、リアルタイム翻訳されているか確認
 ・字幕のタイミングや翻訳精度を確認し、必要に応じて調整

以上で、自動翻訳機能を活用した多言語字幕の設定は完了です。

翻訳の精度はエンジンによって異なるので、重要な場面では事前にスクリプトを用意するのもおすすめです。

配信画面のレイアウトを工夫し、ゲーム画面や内容に影響が出ないように注意しましょう。

OBSで字幕を表示する方法【ブラウザ版】

OBSで字幕をリアルタイム表示する際、手軽さを重視するなら「音声認識字幕ちゃん」の活用がおすすめです。

インストールが不要で、ブラウザ上ですぐに利用できます。

以下の手順を参考に設定を進めましょう。

  1. 「音声認識字幕ちゃん」をOBSで使う準備
  2. 字幕の位置やサイズをトリミング
  3. クロマキーで背景を透過
  4. フォントや色を変更してオリジナルデザインを作る

「音声認識字幕ちゃん」をOBSで使う準備

「音声認識字幕ちゃん」をOBSで使う準備

1.ダウンロードページにアクセスし、ブラウザ上でツールを起動
 ・推奨ブラウザはGoogle Chrome
 ・マイクへのアクセス許可を求められた場合は「許可」を選択しましょう

2.OBSを起動

3.画面下部の「ソース」で「+」をクリック

4.表示されたリストから「ウィンドウキャプチャ」を選択

5.「新規作成」を選び、わかりやすい名前を入力して「OK」をクリック

6.「プロパティ」でキャプチャ対象を設定

7.ドロップダウンメニューからブラウザウィンドウを選択

8.プレビューに字幕画面が表示されることを確認し、「OK」をクリック

画面が正しく表示されない場合、ブラウザが最前面に表示されていない可能性があります。ブラウザを一度アクティブにしてから再設定しましょう。

字幕の位置やサイズをトリミング

「音声認識字幕ちゃん」をそのままキャプチャすると、ブラウザ全体が映り込んでしまいます。

字幕部分だけを見やすく表示するためにも、以下の手順を参考に不要な部分をトリミングしましょう。

字幕の位置やサイズをトリミング

1.OBSのソースリストから、先ほど作成した「ウィンドウキャプチャ」を右クリック

2.「変換」→「変換の編集」を選択

3.モードが切り替わったら、以下のキー操作でトリミングを実施
 ・Windows:Altキーを押しながら赤い枠線をドラッグ
 ・Mac:Optionキーを押しながら赤い枠線をドラッグ

トリミング中、枠線が緑色に変わった場合は調整中の状態を示しています。トリミングする際は、字幕部分だけが表示されるように赤枠線を調整しましょう。

また、トリミング後も字幕がブラウザとリンクして動作することをチェックしましょう。

クロマキーで背景を透過

字幕の背景色が邪魔に感じる場合は、クロマキー機能を使って透過処理しましょう。

クロマキーで背景を透過

1.OBSのソースリストから「ウィンドウキャプチャ」を右クリック

2.「フィルタ」を選択

3.フィルタ画面の「エフェクトフィルタ」で「+」をクリック

4.「クロマキー」を選択し、任意の名前を入力して「閉じる」をクリック

デフォルト設定では緑色の背景が自動で透過されます。背景が完全に消えない場合は、クロマキーの「色の類似性」スライダーを調整しましょう。

フォントや色を変更してオリジナルデザインを作る

字幕を見やすくしたいときは、フォントや色の調整をしましょう。

フォントや色を変更してオリジナルデザインを作る

1.音声認識字幕ちゃんの設定画面を開く

2.「フォント名」に希望するフォントを入力し「更新」をクリック

3.縁取り色を変えたい場合、「フチ色」を選択して調整

ゲーム配信の場合は、背景とのコントラストを考慮した配色がおすすめです。視聴者が目を引くような縁取りや影付きフォントを活用しましょう。

OBSで字幕設定をしたらテスト配信をしよう

字幕設定を終えたら、配信がスムーズにできるか事前に確認しておきましょう。

テスト配信のポイントは以下の通りです。

  • 配信前にローカル録画で動作確認
  • 友人や視聴者にテスト視聴してもらう
  • OBSのログをチェックして問題点を洗い出す

配信前にローカル録画で動作確認

OBSの字幕表示が正しく機能しているか、以下の順に沿ってローカル録画で確認しましょう。

1.OBSを起動

2.配信設定が完了している状態で「録画開始」をクリック

3.録画ファイルを再生し、以下のポイントをチェック
 ・字幕の遅延が発生していないか
 ・文字が潰れていないか
 ・表示位置やサイズが適切か

必要に応じて、フォントサイズや表示位置、字幕表示のタイミングを調整しましょう。

また、配信中にカクつく可能性があるので、字幕表示中のCPU使用率やメモリ使用量を確認しておくのもおすすめです。

録画⇒内容チェックを何度か繰り返して、理想的な設定に仕上げましょう。

友人や視聴者にテスト視聴してもらう

自分での録画確認後、身近な友人や信頼できる視聴者に協力してもらい、実際の配信環境で字幕が問題なく表示されるかをテストしましょう。

1.限定配信を設定
 ・YouTubeやTwitchなどで非公開または限定公開の配信を作成
 ・配信URLを友人に共有して視聴依頼

2.リアルタイムで意見交換
DiscordやLINE通話を使用して、字幕の見え方や翻訳精度について感想をもらいましょう。特に、以下の点を確認しましょう。
 ・字幕のタイミングがずれていないか
 ・配信画面で字幕がUIやゲーム要素と重なっていないか
 ・フォントや色が見やすいかどうか

3.指摘された問題点を修正
 ・例:字幕が右下のUIと重なっていた場合、表示位置を変更
 ・例:フォントサイズが小さい場合、大きめに調整

4.再度テスト配信をして修正箇所が解消されたか確認

OBSのログをチェックして問題点を洗い出す

字幕表示ツールを使うとOBSが重くなりやすいので、技術的な問題がないかOBSの「ログファイル」でチェックしましょう。

OBSのログをチェックして問題点を洗い出す

1.OBSの上部メニューから「ヘルプ」をクリック

2.「ログファイルを表示」→「最新ログを開く」を選択

3.エラーメッセージの確認
 該当するエラーがあれば設定を見直しましょう。
  ・例:翻訳APIや音声認識ツールとの通信エラー
  ・例:ブラウザソースやプラグインのエラー

ログファイルの分析結果は英語で表示されますが、ブラウザの翻訳機能を使えば問題なく利用できます。

配信中のトラブルを未然に防ぐためにも、今のうちに設定を見直しておきましょう。

OBSの字幕機能に関するよくある質問

OBSで字幕を活用する際、遅延や認識精度、Macでの利用方法などに悩む方も多いのではないでしょうか。

以下では、よくある疑問に対して具体的な解決方法を解説します。

字幕の遅延を減らすにはどうすればよい?

字幕遅延を減らすためには、環境整備もしくはシステムの最適化が必要なので、以下を参考に見直しましょう。

  • ネットワーク環境を改善
    自動翻訳機能を使用する際は安定したインターネット接続が必須です。LANケーブルを使用するか、高速Wi-Fi環境を確保しましょう。
  • PC性能の確認
    OBSや「ゆかコネ」はCPU負荷が高いソフトです。Intel Core i5以上のCPUと8GB以上のメモリが推奨されてます。
  • 設定を最適化
    「ゆかコネ」の設定で「遅延を軽減する」オプションを有効にしましょう。

音声認識の精度を向上させる方法は?

音声認識の精度を高めるポイントは以下の通りです。

  • クリアな発音を心がける
    滑舌を意識し、なるべくゆっくり話すと認識精度が向上します。難しい専門用語は事前にゆっくり発声して練習するのも有効です。
  • ノイズを最小限に
    静かな部屋で配信すること、ノイズキャンセリング機能を備えたマイクを活用することは最低限整備しておきたい環境です。
  • 認識エンジンを調整
    「ゆかコネ」で音声認識エンジンを「Google Speech API」に変更することで精度が上がる場合があります。
  • 辞書機能の活用
    配信でよく使う専門用語を辞書に登録しておくと、認識精度がさらに上がります。

Macで字幕を表示する方法はある?

Mac環境でも字幕を利用した配信は可能です。

方法詳細
ブラウザベースのツールを利用「音声認識字幕ちゃん」はGoogle Chrome上で動作するので、Macでも問題なく利用できます。ただし、Safariでは機能しないのでChromeを使用しましょう。
仮想環境でWindowsを動作させるMacに「Parallels Desktop」をインストールすれば、Windows環境を仮想的に構築できます。「ゆかコネ」を使ったリアルタイム字幕表示も利用可能です。
OBSの「Speech-to-Textプラグイン」を使用簡易的な字幕機能を実装可能ですが、翻訳機能は限られています。
「Restream.io」や「StreamElements」のような配信ツールを活用サードパーティの字幕機能を利用することで、多言語対応の配信が可能です。

Mac環境でOBSの利用を検討されている方は、以下の記事もチェックしましょう。

OBSはMacでも使える!ダウンロードの方法と配信時の設定を解説

まとめ

OBSを使った字幕の表示方法を、インストール版とブラウザ版に分けて解説しました。

字幕表示のポイントは以下の通りです。

方法特徴注意点
インストール版安定した多機能字幕表示が可能。翻訳も利用できる設定に時間がかかるため、丁寧に手順を進める必要あり
ブラウザ版インストール不要ですぐに利用可能簡易的な機能で細かい調整には不向き
テスト配信実際の配信環境で問題点を発見できるログ確認やフィードバックを通じた改善が必要

字幕を設定するときは、環境を整え、何度もテストを重ねることが重要です。自動翻訳を活用して多言語配信する場合は、翻訳精度や視認性をしっかり確認しましょう。

OBSで字幕だけでなくテロップも加えたい方は、以下の記事を参考に設定を進めましょう。

OBSにテロップを入れる方法!ライブ配信中に文字を流す方法も解説

この記事を書いた人

               

ストマガ編集部

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