VTuberを目指す人は年々増えています。しかし、すべての人が成功できるわけではありません。「成功するVTuber」と「埋もれてしまうVTuber」の違いはどこにあるのでしょうか?
今回は、VTuber文化の黎明期を作ったレジェンドのみなさんに、成功するために必要な条件や戦略、そしてVTuber業界のリアルについて伺いました!
すだちー、今日はVTuberになりたい人必見のインタビューだよ!
やったぁ!ついに僕にもVTuberデビューのチャンスが・・・!VTuberになれば、ゲームしてスパチャもらって悠々自適な生活が待ってるんでしょ?
簡単に言っちゃって〜! でも、VTuberで成功するのって、実際はどのくらい難しいのか気になるよね・・・?
ということで、業界大注目のVTuber公開オーディション番組 「VTuber登龍門」 の審査員を務めるレジェンドのみなさんに、そのリアルを聞いてみたよ!
「VTuber登龍門」とは?
「VTuber登龍門」は、VTuber業界のさらなる発展と拡大を目的に、登龍門BOXが主催する公開オーディション番組。今回、お話を伺ったレジェンドたちが審査員を務め、合格者は「登龍門BOX」の所属VTuberとして活動することができる。
お話を伺った審査員のみなさん
岩永太貴さん
超大手VTuber事務所「にじさんじ」を生み出した、いちから株式会社(現:ANYCOLOR株式会社)の元最高執行責任者。現在のVTuber業界の著しい発展に最も寄与した人物の一人。現在は株式会社yokazeの代表取締役を務める。
酒井聖さん
登録者100万人超えの超人気VTuberのオリジナルイラスト素材制作など、実績多数。VTuber向けのハイクオリティな衣装や配信背景など、20,000点以上の素材がダウンロードできるサービス「うさねこメモリー」を運営している。バーチャルデザイン会社Memorynator株式会社の代表取締役を務める。
田中良典さん
VTuber史上二人目の登録者100万人突破を果たした「バーチャルYouTuber四天王」の一人「輝夜月」を生み出した発案者。さらには「ピンキーポップヘップバーン」の制作など、VTuber業界の黎明期に非常に大きな影響を与えた。株式会社VICの代表取締役を務める。
松田純治さん
現存するすべてのVTuberが生まれるきっかけとなった、オリジナルを創り出した一人。その実態は世界初のバーチャルYouTuber「キズナアイ」の共同原案者。現在は株式会社TAKE1の代表取締役を務める。
松本貴雄さん
「VTuber登龍門」の発起人。VTuber黎明期に一世を風靡した「輝夜月」を裏で支えた制作陣の一人。現在は株式会社jig.jpにて本番組の総合プロデューサーを務める。
成功するVTuberの共通点とは?
── VTuber市場は年々拡大していますが、成功するVTuberにはどのような共通点がありますか?
田中さん
成功といっても、フォロワー数やチャンネル登録者数が多いことなのか、収益を上げられることなのか。色々あるけど、何をもって「成功」としますか?
── では、YouTubeの収益化条件である「チャンネル登録者数1,000人」を基準とするのはどうでしょうか?
岩永さん
登録者数を基準にするなら、もうちょっと上げたほうがいいですね。1,000人なら特別なタレント性がなくても到達できるんですよ。
田中さん
収益といっても、月に1万円程度ですしね。もちろん、その前に挫折する人も多いですが、続けることができる女性であれば、そこまで難しい数字ではないです。
岩永さん
男性の場合は、継続だけでは難しくて、カテゴリー特化などの戦略がさらに必要になります。
松田さん
一番の共通点は「継続」ですね。
── 継続というのは、毎日配信することですか?
松本さん
3ヵ月から半年が最初の壁と言われていて、そこで挫折する人がほとんどなんですよ。順調に進んでも、軌道に乗るまでには最低1年かかります。それでも早いほうです。
だから、途中で諦めずに、1年は腰を据えてやれるかどうかが問われます。
松田さん
時間軸でいうと、まずは半年から1年。その間、週に4〜5日は配信してほしいですね。半年間続けても週1の習い事みたいなペースでは難しいです。
酒井さん
登録者数で見るなら最低でも1万人、理想を言えば3万〜5万人くらいがひとつの成功ラインになると思います。
── なるほど。では、チャンネル登録者数に関係なく、専業VTuberとして生計を立てている人に共通点はありますか?
田中さん
トップ層ではない人で、生計を立てられている人の特徴としては、メンバーシップの高額プランに加入してくれる熱心なファンがいるとか、物販がしっかり売れているとかですかね。広告収益だけで生活できるのは、長年活動を積み重ねてきた人に限られていると思います。
── VTuber活動の配信収益だけで生活するのは難しいという前提があるんですね。
岩永さん
そういう風潮ですよね。
専業VTuberでやっていくのは簡単じゃないって思ってたけど、やっぱり厳しいんだねぇ・・・
チャンネル登録者数が1,000人になっても、VTuber一本で食べていくには全然足りないってこと!? 僕はどうすれば・・・(絶望)
まあまあ、続きを聞いてみようよ! 何か突破口があるかも!
そ、そうだよね・・・! きっとまだ僕にもチャンスはあるはず!
早く成功するには個人勢?企業勢?
── 「VTuber登龍門」の合格者は「登龍門BOX」に所属できますよね。やはり、早く成功するには、事務所所属を目指すべきなのでしょうか?
田中さん
そこは逆で、所属しない未来のほうが正しいと思います。
── えっ!そうなんですか。
岩永さん
最速で専業を目指すならそうですよね。中抜きされないので。
松本さん
「VTuber登龍門」は、そういった考えを広める目的があるんです。実際、「登龍門BOX」は還元率が高く、運営側の取り分は5%です。他の事務所はだいたい30〜50%を持っていきますが、多くの人はそういうことを含めて、収益の流れも知らずに活動を始めてしまうのではないでしょうか。「VTuber登龍門」は審査で合格・不合格は出していますが、それがメインではなくて、VTuber業界全体のリテラシーを向上させる役割が大きいと思っています。「しっかり考えてから挑戦してほしい」という啓蒙の意味合いが強いんです。
酒井さん
なんというか、審査をしていると、サークル活動を見ているように感じることが多いんですよ。ビジネスをしようとしているのに、しっかりしたビジネスの理論がないんですよね。
松本さん
例えば、K-POPのオーディション番組では、応募者のプロ意識がまるで違いますよね。芸能領域は長い歴史のなかで、歌やダンス、容姿といった明確な評価基準が確立されています。でも、VTuberの世界は配信自体の歴史も浅く、雑談もあれば歌もゲームもあるというオールジャンルな領域です。「プロとは何か?」という概念自体が曖昧なんですよ。
この曖昧さのせいで、VTuber志望者を食い物にする悪徳業者が出てきてもおかしくない。そんなところに搾取されるくらいなら、「VTuber登龍門」に参加してほしいんです。我々はそういった搾取をしないし、不合格者にも正しい道筋を示してあげることができます。「VTuber登龍門」って、VTuber業界知見向上番組なんですよ。
── 挑戦者の未来を真摯に考えてくれる番組ですよね。最近は、以前よりも厳しい方向にシフトしている印象がありますが、それはなぜですか?
岩永さん
松本さんがあえて厳しいことを言ってくれています。
松田さん
VTuberって「これができない」「あれが苦手だから」と、消去法的に目指す人も多いと思うんですよ。
酒井さん
特にやりたいことはない、みたいな。
松田さん
そうそう。それが前提だと正直ちょっと厳しいので。やっぱり、消去法でVTuberを選んだ人は、熱量が足りないんですよ。「VTuberだからこそできること」とか「このジャンルで勝負したい」といった明確な目的はあってほしいです。
カワボで自作のビジネス書を朗読するASMRだけど?
VTuberに「ワンチャンの下剋上」はある?
松田さん
YouTubeにも「VTuber登龍門」みたいなオーディション番組もあれば、いわゆるYouTuberとして個人で活動する人もいる。その共通点を考えるのが難しいのと同じで、VTuberもジャンルが広がりすぎて、「こうすれば成功する」という明確な型がなくなってきた気がします。昔はトークがおもしろければいけるといったファーストペンギンのタイミングがあったと思うんですけど、今は広がりすぎちゃったから。ちゃんとした芸事のスキルがないと難しい時代になってきたんじゃないかな。
── なるほど。VTuberとして成功するには、何かしらのスキルや経験が求められる時代になっている?
岩永さん
そうですね。むしろ、経験を積んできた人が有利になる世界であってほしいとも思いますし。10年間配信を続けてきた人に、いきなり始めたばかりの人が勝つのはさすがに難しいですよね。
松田さん
今のトップ層のVTuberも、もともとはニコニコ動画やニコ生で活動していた人たちです。収益化できなくても配信を続けてきた歴戦の配信者が、時代の変化とともにマネタイズのチャンスを掴んだっていう流れですよね。
岩永さん
そうです。YouTubeの収益化の仕組みや、VTuberのキャラクターIPを活かしたマネタイズのしやすさが噛み合って収益になっているだけで、見えないところでは15年やっている。
松田さん
VTuberという日の光を浴びたことで花が咲いたけど、埋まっている根っこの部分はすごく長かったってことですよね。
田中さん
その反面、エンタメの世界には「ワンチャンの下剋上」もある。
岩永さん
ありますね。
田中さん
それが「才能」ですよね。何十年も活動してきたバンドよりも、顔出しナシの女子高生の歌が一瞬でバズったりする。そういう瞬間を端から見ている人は「自分もいけるかも」と憧れたり、夢を抱くじゃないですか。そこに「好きなことで生きていこう!」というキャッチコピーが響くんですよね。憧れ自体を否定はしませんが、何年も毎日配信を続けたり、動画を作り続けても、1円も稼げない人だっています。
田中さん
VTuberが注目されて、たくさんの人が「目指したい」と思う時代になりました。でも、今から20年後、もしプラットフォームがなくなってしまったら?VTuberとして活動してきた経験が、履歴書にも書けず、仕事にもつながらなかったら?そういう未来に直面する人を少しでも減らせるなら。それが俺が「VTuber登龍門」に参加している理由です。
岩永さん
実際、ワンチャンを本当に掴む人って、いないわけじゃないんですよね。
松田さん
いるんですよ。
岩永さん
いるんですけど、VTuberをビジネスとして考えて戦略的に取り組むなら、ワンチャンの成功は超イレギュラーな例外。「基本的にはないもの」として話を進めるべきなんです。
「ワンチャンの下剋上」って、実際にはほとんどないんだね
そんな・・・!
僕は運命の一本がバズって、一夜でスターになる予定だったのに・・・・・
必要なのは「勘違い力」
── 経験者が有利というお話でしたが、他にはどんな人が向いていますか?
酒井さん
未経験者で言うと、エンタメを本業にしている人は、多少はVTuberとして向いているんじゃないですかね。
松田さん
もしくは、まだ開拓されていないジャンルを狙える人ならアリですよね。プレイヤーが少ないぶん、チャンスも大きいので。
田中さん
俺は、今売れているコンテンツや人気のある人を見て、「自分ならもっと上手く作れる」「自分のほうがおもしろくしゃべれる」と思う人は、挑戦する価値があると思います。
岩永さん
上位互換が作れると思うなら、やったほうがいいですよね。
田中さん
その肌感覚がないと、セルフプロデュースは難しいと思うんですよ。だから、自分の感覚が本当に正しいのか確かめるために、とりあえずVTuberになってみれば?と思います。本当に今評価されているものよりもアウトプットの質が良ければ、自然と数字はついてくるはずなので。
岩永さん
同レベルのクオリティだと、やっぱり先行者優位があるので、後発で戦うのは厳しいんです。でも、逆に言えば、クオリティで明確に上回っているなら、すでにスタートラインには立てているわけで、迷わずどんどん挑戦したほうがいいです。
田中さん
あと、ウケたい、跳ねたいという気持ちはあるのに、「誰にウケたいのか」がはっきりしていない人が多いんですよね。
松田さん
それ、めっちゃありますね。
田中さん
みんな「世間」って漠然と言うんですけど、実際に売れている人たちは、そんな広い「世間」なんて見てないです。ターゲットを明確にして、その人たちに刺さるものを作っている。自分も基本的に、「売れている」だけで参考にすることはないです。自分の感性と合わなければ、なぜそれが流行っているのかなんてわからないから。
でも、自分が「おもしろい」と思うものが売れているなら、その理由を全部言語化できますよね。
そこから、「じゃあ、これよりおもしろいものを作るには?」とアイデアを出す。これが売れている人たちに共通する思考ロジックだと思います。
松田さん
ちゃんとターゲットを絞って、ペルソナを設定して、それに沿って考える。分析ですよね。
田中さん
あとは、結局は「勘違い力」が重要です。
岩永さん
そうそう。僕はそれを、ちょっと乱暴な言い方ですが「イタイやつ」と呼んでいます。実際、イタイやつのほうが売れるんです。
田中さん
わかる。イタイやつ、勘違いしてるやつ。ここにいるやつ全員、勘違いしてますよ。
(メンバーをぐるっと見渡しながら)
松田さん
天才だと思ってますよ(笑)。
岩永さん
VTuberはイタイぐらいがちょうどいいんです。ガワをかぶっているぶん、大げさにやってようやく帳尻が合う。特に、男性VTuberで伸びている人は、リアルで同じことをやったら「イタイな」と思われるようなことを、アバターを通して絶妙に表現しています。
松田さん
配信用に誇張しているので、リアルでこの場にいたら超うざいと思いますよ(笑)。
田中さん
アニメのキャラクターだと思ってほしいよね。
── 今、この記事を読んで「俺って天才じゃね?」と思っている人は、VTuberに向いている?
田中さん
むしろ「VTuber登龍門」に応募してほしいですね。
一同
ほしい!
田中さん
本物の勘違い野郎は、たぶん我々に否定されても勘違いし続けます。
松田さん
「こいつら全然わかってねえな」って(笑)。
田中さん
それがただの勘違いだったとしても、その責任をすべて背負う覚悟はあるか?ってことなんです。本当の勘違い野郎は「それでもやる」と突き進みます。でも、少しでも不安や迷いがあるなら、まずは仕事をしながら趣味として挑戦してみれば?と思います。
僕、めちゃくちゃ勘違いしてるし、調子乗りやすいし・・・
やっぱVTuber向いてるかも!!
うおおおおおおおお!!!
ルッキズムを超える!アバターの可能性
── アイドル業界では「若いほど有利」と言われますが、VTuber業界ではどうですか?
例えば、37歳の会社員が今からVTuberを目指すとしたら。
岩永さん
10年間、続けられるなら、可能性はあると思います。
結局、追いつくために10年を使う覚悟があるかどうかですよね。
田中さん
37年間の何かしらの蓄積があるなら、それを活かして勝てる可能性はあります。
── 非常にニッチな職業に就いていて、あまり知られていない分野について語れるとします。その強みを活かして、37歳から47歳まで活動を続けられるのであれば、50歳手前でバズる可能性もある、ということですね。
田中さん
それなら、20歳の何も知らないVTuberよりも勝率は上がります。
松田さん
ある程度年齢を重ねた人のほうが、配信の内容もおもしろくなりやすいし、人生経験があるぶんトークも磨かれています。そう考えると、30代でも40代でも挑戦する余地は十分にあるし、チャンスも多いと思います。
── 年齢関係なく、自分の強みを活かせるのがVTuberなんですね。トークが得意ならお笑い芸人、歌が上手いならアイドルなど、いろいろな選択肢があるなかで、あえて「VTuberを選んだほうがいい」と言えるのは、どんな人でしょうか?
田中さん
容姿が大きく影響する職業で、自分がその基準では戦いづらいと感じる人は、VTuberのほうが勝ち筋が見えやすいです。
── なるほど。自分にトーク力や歌のスキルがあると自覚していても、容姿に自信がない場合は、戦略的にVTuberという選択をしたほうがいいということですね。
田中さん
声優やアナウンサーのように、本来は「声」が評価される職業でも、実際には見た目の良い人が選ばれやすい。それは、単純にビジネス的な強みになるからです。人は本能的に「より良いもの」を選び、その結果として市場の価値基準が形成されます。
だからこそ、見た目の基準で戦うのが難しいと感じるなら、アバターを活用できるVTuberで勝負するというのも、戦略のひとつだと思います。
田中さん
「アバターの価値とは何か?」を考えたとき、昔は「アバターだから炎上しない」と言われていました。でも実際は、中の人に紐づいて炎上しました。次に、「アバターはキャラクター物販がしやすい」というビジネス視点が出てきましたが、それで成功するのはごく一部の上位層だけで、再現性がありませんでした。
では、今の「アバターの価値」とは何か?俺は「バイアスを外せること」だと思います。人は第一印象の見た目で判断されがちですが、アバターならそのバイアスを外せる。例えば、40代・50代の女性が「私を推して!」と言っても、現実では難しいかもしれない。でも、実年齢より若いアバターを着れば、知的で経験豊富な女の子として受け入れられる。それが、VTuberが他の芸事とは違う部分だと思うんです。
一同
確かに。
田中さん
ルッキズムに一矢を報いる存在が、アバターだと俺は思っています。
VTuberは見た目のバイアスを超えて、自分の強みを最大限に活かせるんだね!
僕もイケメンVTuberになれば、バイアスを超えて人気者に!?
そうかもね!でも、見た目だけじゃなくて、中身もちゃんと磨かなくっちゃ!
これ以上磨いたら、輝きすぎてみんなの目がくらんじゃうよ!
レジェンドからのメッセージ
── 最後に、これからVTuberを目指す方、あるいはすでに始めていてもっと伸ばしたいと考えている方へ、みなさんから一言ずつメッセージをいただけますか?
松本さん
では、僕から。これからVTuberを始めようとする人に伝えたいのは、「稼ぐためにVTuberをやろうとしないでほしい」ということです。もちろん、最終的に収益化を目指すのは全然いい。でも「お金を稼ぐためにVTuberをやる」という考え方だと、まず続かないし、伸びにくい。
大事なのは、自分の配信を振り返って改善しながら、「自分がどんな価値を提供できるのか?」を考えること。それができなければ、正直この世界で生き残るのは難しいと思います。
松田さん
これ、後になるほど、ハードルが上がるやつだ(笑)。
松田さん
こうあってほしいという話なんですが、VTuberを目指す人の多くが「自分はこれがやりたい!」と言う一方で、「それを見た相手にどう思ってほしいのか?」という視点をもっている人は意外と少ないんですよね。
さっきのターゲットの話にもつながるんですけど、「自分の配信を通じて、視聴者にどういう感情や体験を届けたいのか?」をしっかり考えることは、エンターテイナーとしての基礎ですし、それができる人は応援されるVTuberになれるんじゃないかなと思います。
酒井さん
次は僕がいこうかな(笑)。僕は、シンプルに言うと「何でもいいから世界一になれるものを身につけたほうがいい」です。今の時点で世界一じゃなくてもいい、成長の過程でもいいし、何か一つ「この分野なら自分が一番だ」と言えるものをもってほしいです。場所や文化、趣味嗜好、性別など、どんな軸でもいいんです。「この特定の条件下なら自分が一番」と言えるものを見つけ、それを広げていく。逆に、あまりにも広すぎるなら少し狭めてもいい。
結局、VTuberもビジネスも同じで、何かしらの強みや価値を打ち出せなければ生き残れない。長く活動したいなら「自分にしかない武器」を持つことが重要だと思います。
岩永さん
じゃあ次は僕(笑)。これからVTuberを始める人や駆け出しの人は、「何のために活動するのか」をはっきりさせて、優先順位をつけて考えたほうがいいと思います。理由はシンプルで、目的によってやるべきことが全然違うからです。
例えば、大手事務所に入りたいなら、オーディションに受かるための実績作りが必須です。自由に自己表現をしたいなら、事務所に所属しないほうがいいかもしれません。個人で責任をもって活動するほうが、理想を貫きやすいからです。
事務所に入るなら還元率の高いところを選ぶべきですし、個人でやるなら投資の考え方が重要になります。どれくらいのコストをかけて、どれくらいのリターンを得られるのか。活動資金をどう工面するのか。そういったお金の計算ができないと、継続は難しくなります。若くして成功したい、シンプルにお金を稼ぎたいなら、YouTubeでトレンドを追って成果を出す戦略が必要です。
結局、「何のためにVTuberをやるのか」によって、取るべき行動は大きく変わります。だからこそ、目的を明確にし、それに合った戦略で活動することが、長く続けるためには大事だと思います。
田中さん
これを読んでいる人がVTuberとして売れなかろうが、人気になろうが、正直どうでもいいです。
ただ、これだけは言っておきたい。自分は7年前、「これからはアバターを着た有名人が当たり前になる!」と言いましたが、誰も信用してくれませんでした。大人たちには「やめておけ」「そんなことで起業するな、絶対に失敗するぞ」と言われ続けました。でも、俺は絶対いけると思ってやった。結果、成功しました。
次に、「VRライブ」という仮想空間のライブをやりたいと思ったときも、「前例はないし、技術は未熟だし、絶対失敗する」「返金対応になるぞ」と言われました。でも俺は「できる」と言って、大手企業のプロデューサーに持ち込みをしました。「成功するかはわからないけど、やってみる価値はある」ということになりました。成功しました。
そして今、次の時代を作るために、また動いています。
だから、どれだけ周りに否定されようが、バッシングされようが、俺はやります。
「お前はどうする?」
以上です。
一同
おおー!
うん、今まで「VTuberやりたいな〜」くらいだったけど・・・
今、本気で「やる」って決めたよ!!!
レジェンドたちの言葉、読者のみんなには刺さったかな?
厳しいけど、真摯にVTuberのことを考えてくれていることが伝わる、素敵なインタビューだったよね!
余談だけど、インタビュー中、厳しい言葉に耐えかねたライターが「もっと光をください・・・」って何度も言ってたらしいよ!(笑)
それくらい夢を追うのは大変なのかもね!
だからこそ、「VTuber登龍門」と「ストマガ」はみんなを全力で応援していくよ!
「やる」って決めたら…「Alive Studio」
VTuberを始めるなら、世界観作りも重要ですよね。配信画面作成サービス「Alive Studio」なら、1,000点以上の商用利用可能な素材を組み合わせて、個性的でハイクオリティな背景やシーンデザインを自由にカスタマイズできます。トーク配信から歌枠、ゲーム実況まで、シーンごとに最適な背景を作成して、配信のクオリティをワンランクアップ!
理想のVTuber空間を「Alive Studio」で実現してみませんか?