一匹狼VTuber七狼さくやさんに聞く「やらない」と決めたことを「やる」たった一つの理由

「フック」を作り続ける——飽きさせない配信のために

―― 配信スタイルは、最初から今のような感じだったんですか?

User 1
さくやさん
最初は、自分のなかにある「VTuber像」をそのままなぞろうとしていたんですよ。「可愛くて、歌もゲームもふわふわしていて」みたいな、いわゆる王道。でも、隠せなかったですね(笑)。

3回目くらいの配信でもう本来の私が出てしまって、それからはリスナーさんが私をいじってくれて、その空気感ができていったかな。今のスタイルは、本当にリスナーさんとの共同作業で出来上がったものなんです。

―― なるほど「共同作業」ですか。

User 1
さくやさん
配信って、こっちが喋るだけだとお互いつまらないんですよ。文字情報しか戻ってこないコメント欄に対して、私が引き金を引いて反応してもらわないと、空気は生まれないので。

―― 飽きさせないための工夫もたくさんされてますよね。

User 1
さくやさん
長時間の配信って、面白いことをしていてもどうしても「だれる」タイミングがあるじゃないですか。そういうときに反応せざるを得ないフックを、こちらから作っていくようにしています。

―― 具体的にはどんなことを?

User 1
さくやさん
衣装チェンジを頻繁にしたり、エフェクトを切り替えたり、配信中にいきなりLive2D(2Dイラストを動かす技術。VTuberのモデル制作で広く使われている)の黒猫モデルや狼の姿に切り替えたり。

「あ、いま狼になった」「黒猫だ」って、コメントしたくなるネタを散りばめているんです。長く見てくださっている方ほど、ずっとコメントできるわけではないので、こちらから引き金を引いてあげる必要があると思っています。

―― なるほど。確かに表情や衣装チェンジをこまめにされている印象があります。

User 1
さくやさん
そうなんですよ、Stream Deck(配信者向けの、ボタンを押すだけで操作を切り替えられるデバイス)を2台使って、表情・髪型・場所移動までぜんぶ登録していて、配信中もずっとカチカチ操作しています。家族には真似できない速さらしいです(笑)。

―― しかも喋りながらですもんね(笑)6月のデビュー2周年に向けても、大きなアップデートを準備されているとか。

User 1
さくやさん
まだ言えないことも多いですが、モデルのバージョンアップや他にも色んなことを予定しています。
とにかくお披露目事項が多すぎて、本当に自分でもこんなに増やす必要はないよなって思いますし、周りからも言われるんですが、ただただリスナーさんを驚かせ続けたい気持ちが強くて。

現行のモデル全身(取材時)

―― 6月が楽しみです。

User 1
さくやさん
当日まで内緒のところもいっぱいあるので、ぜひ追ってもらえると嬉しいです。

1日4〜8時間配信を支えるセルフメンテナンス

―― 多忙な中でも、ジム通いやボイトレを欠かさず続けていらっしゃいますよね。

User 1
さくやさん
過去に2回倒れて救急車で運ばれたことがあって、家族に「次は知らないからね」と本気で怒られたので、今はかなり活動量を抑えているつもりなんです。配信は1回4〜8時間で、週に3〜4回くらい。長く続けるためにはこれくらいが限界で。今はあえて、自分から活動量にリミットをかけています。

―― リミットをかけて8時間配信!

User 1
さくやさん
長時間座っていると坐骨神経痛がすごくて。梨状筋症候群(お尻の梨状筋が硬くなって神経を圧迫し、痛みやしびれが出る症状)と診断されていて、ひどいときは足を引きずるくらいになります。
だから週2回ジム、月2回整体、配信終わりにはマッサージガン(プロのアスリートも使う筋膜リリース用の振動マッサージ機器)、というメンテナンスサイクルを回しています。

―― 姿勢を変えずに座りっぱなしなんですもんね……。加えてボイトレもあって。

User 1
さくやさん
8年通っていてもジムでは筋肉痛にならないのに、ボイトレでお腹がバキバキになるのは衝撃でした。「お腹に空気を入れて、腹圧をかけたまま歯のすきまから20秒かけて吐ききる」みたいな練習があって、それで筋肉痛になるんですよ。だから、まだ私は「Vシンガー」の「V」までしか到達してないんです、っていつも自分に言い聞かせています(笑)。

―― アスリートじゃないですか。お休みはどうやって決めているんでしょう?

User 1
さくやさん
私の場合は「足の爪の長さ」を見ることがあります(笑)。手のネイルは月1で外せないんですけど、足の爪は自分で切らないといけないので、忙しくなると爪を切ることも忘れちゃうんですよ。爪が伸びていることに気づいたら、「あ、これはまずい」って分かる、っていう。

―― 初めて聞いた指標です(笑)

User 1
さくやさん
頻繁に足の爪を切る習慣がある人にはまったく参考にならないですけど、私は気にしないタイプなので、これがいい目安になるんです。VTuberになってからは喉の指標も加わりました。喉がおかしいと思ったら、絶対1日は休むようにしています。

「続けることは、それ自体が才能」

―― VTuberとして、長く続けたいという気持ちは強いですか?

User 1
さくやさん
強いです。歌枠リレーで、前職で活動していた頃に応援してくれていた方と、楽屋でたまたま出会ったことがあったんです。VTuberになって名前も姿も変わっているのに、活動を続けていることを知ってボロ泣きしてくださって。「長く続けてきて良かった」って心から思った瞬間でした。

―― それはこちらも泣けちゃいますね。

User 1
さくやさん
私自身も、推している相手にはどこかで表舞台にい続けてほしいなって思うので、自分も同じように続けていきたいんですよね。

―― 最後に、リスナーさんと、同じように活動しているVTuberさんに向けてメッセージをお願いできますか?

User 1
さくやさん
リスナーさんへは、もう「いつもありがとう」と「これからもよろしく」しか言うことがなくて。長くやるので、先に逝かないでくださいね、って思っています(笑)。
先に逝かないでね by ボス

―― 縁起でもないけど、愛がこもってます(笑)VTuberの方に向けてはいかがですか?

User 1
さくやさん
これは私がいつも思っていることなんですけど、配信していない時間の仕事って、ものすごく多いんです。スケジュール作成、企画、サムネ発注、ゲーム購入、ライブのセトリ、許可取り、グッズの発注・梱包・発送。配信していないと「休んでいる」と思われがちですけど、実は配信していないあいだの仕事のほうがずっと多くて。

―― ぜんぶ、見えない仕事ですもんね。

User 1
さくやさん
その大変さって、なかなか伝わりきらないと思うんです。それでも、続けてほしいなと思っていて。私、好きな言葉があって。「好きなことも、嫌いなことも、続けることは才能」っていうんですけど、続けていれば、それは才能があるってことなんですよ。喜ぶ人は、かならず1人はいる。

―― たとえ1人のためでも、やる価値がありますか?

User 1
さくやさん
VTuberの活動を通じて、誰かが幸せになってくれることって、よく考えると異常なことじゃないですか。家族や恋人以外の人が、自分の活動で笑ってくれたり、救われてくれたりする。その「異常さ」を当たり前だと思わずに、続けてほしいなと思います。
それが結果的に「心の平和」につながって、最後には世界平和につながるはず——って、B’zの稲葉さんも言っていた気がします(笑)。

―― 世界平和!急にスケールが大きい(笑)稲葉さんが言っていたなら間違いないです!

配信ツールAlive Studioアンバサダー0期生の顔

―― 七狼さくやさんはAlive Studioのアンバサダー0期生としてもご活躍されています。実際に配信で活用するなかで、いちばんお気に入りの機能はどれですか?

User 1
さくやさん
エフェクト機能ですね。スーパーチャットをいただいたときに発火する「金シャッター」演出をずっと使っているんですけど、これがもう本当にお気に入りで。音付きの演出ってあまりないので重宝しています。

―― 音でいうと、効果音もかなり多用されていますよね。

User 1
さくやさん
そうですね、5秒に1回は何かしらの効果音を入れていないと不安になるくらい使っています(笑)。私のなかでは、配信しながら同時に編集している感覚で使ってますね。

―― たしかに、さくやさんの配信は音の要素が多くてにぎやかです。

User 1
さくやさん
要望をひとつ言わせてもらうと、バラエティ系の効果音がもっと増えたら嬉しいです。テレビ的なリアクションの音みたいなジャンルが充実したら、もっといろんな表現ができるなと思っていて。開発の方、よろしくお願いします(笑)。

―― 伝えます(笑)ルーレットの企画も楽しいなと思いました。

User 1
さくやさん
「朝活のランチメニュー決めルーレット」ですね。 配信時間が長くて、もはや夜ご飯決めルーレットになっていますが(笑) ルーレットの視認性も高いし、リスナーさんにも好評です。

―― あとちょっとで回るタイミングで盛り上がり、ルーレットの出目で盛り上がるという。

User 1
さくやさん
そうですね。ルーレットに限らずアイデア次第でいろんな使い方ができると思うので、これからも企画ごとに新しい使い方を見つけていきたいです。

―― 終始お話を盛り上げつつ、七狼さくやさんならではの覚悟と、リスナーさんへの愛情が、お話のあちこちから伺えました。「面白いほう、リスナーが喜ぶほうを選ぶ」という生き方、これからも応援しています!

インタビュー:加瀨 ひかる 文:坂本 祐介

この記事を書いた人

ストマガ編集部

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