OBSの配信においてBGMがあると雰囲気を演出できるため、積極的に使用する配信者も多いです。ただ、OBSでBGMを流したいと思っていても、方法がわからない方もいるはずです。

本記事では、OBSの配信時にBGMを流す方法と、商用利用ができるBGMのフリーサイトを紹介します。手順などをわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしていただき、配信に活用してください。

OBSで配信中にBGMを流す方法

本章では、OBSの配信中にBGMを流す方法を解説します。BGMを流す方法は、主に以下の4つです。

• メディアソースを取り込む
• YouTubeから再生する
• ローカルファイルを再生する
• プラグインを利用する

各方法の手順を詳しく解説しているため、配信で音楽を流す方法の理解と、自身に合った再生方法を見つけてみてください。

メディアソースをOBSに取り込む

1つ目は、メディアソースをOBSに取り込む方法です。OBSのソースに直接音源ファイルを取り込み、配信中にBGMを流すことができます。

まず初めにOBSを開き、「ソース」内のプラスボタンをクリックしてください。

プラスボタンをクリックすると以下のように表示されるため、「メディアソース」を選びましょう。

メディアソースを選ぶとソースを作成する画面が出力されるため、「新規作成」の箇所にBGMの名前を入力してください。

なお、名前は自由に決められるため、どのようなBGMかわかるような名前を設定すると良いでしょう。名前が決まったら、OKボタンを押してください。

OKボタンを押すと以下の画面が出力されるため、「参照」ボタンをクリックして音源ファイルを選択すれば、取り込み完了です。

なお、配信中にBGMを流し続けたい場合は、黄色の下線で示した「ループ（繰り返し）」にチェックマークを入れましょう。

YouTubeから再生する

OBSで音楽を流す場合、YouTubeの音声をBGMとして利用できます。まず初めに、OBSのコントロールパネルにある「設定」をクリックしましょう。

設定の一覧から「音声」を選択し、「デスクトップ音声」を「規定」に変更してください。最後に画面右下の「適用」ボタンを押して、設定は完了です。

上記の設定が終われば、OBSを開きながらYouTubeを再生することで、BGMとして使用できます。

なお、正しく設定されているかは、「音声ミキサー」内にある「デスクトップ音声」を確認しましょう。デスクトップ音声のバーが以下画像のように反応していれば問題ありません。

ローカルファイルを再生する

自身のパソコンに保存されている音源をデスクトップで再生し、BGMとして利用する方法です。設定方法は「YouTubeで再生する」で解説した手順と同じです。

• OBSのコントロールパネルから「設定」をクリック
• 「音声」を選択し、「デスクトップ音声」を「規定」に変更
• 最後に画面右下の「適用」を押して設定完了

なお、ローカルファイルを再生する際は、著作権に注意してください。

音源を含む様々なデータには著作者（データを作った方）がおり、他者が無断で使用することを防ぐために著作権が存在します。無断でデータを使用してしまうと、著作権侵害に該当してしまうため、権利関係は事前に必ず確認しておきましょう。

また、フリー素材であっても商用利用不可とするデータもあるため、配信を収益化している場合は使用を避けてください。

プラグインを利用する

OBSに「SoundBoard Dock」というプラグインを入れると、音声ファイルのポン出しを行うことができます。

ポン出しとは、好きなタイミングでボタンを押すことで、音声や映像を即座に流すことができる機能です。

まずはSoundBoard Dockをインストールし、OBSを再起動してください。

再起動後に画面上部の「ドック」を選択すると、矢印の部分に「Soundboard」が表示されるため、クリックしてください。

Soundboardをクリックすると上記の画面が出るため、画面左下のプラスボタンを押しましょう。

「名称」は自由に決められるため、わかりやすい名前で保存しておきましょう。

次に「参照」を押すと音声データを追加できるため、希望のデータを追加してOKを押してください。

OKを押すと、Soundboardに追加した音声が表示され、設定が完了します。上記画像のように、サウンド名が書かれた青いボタンを押せば音が出せるようになります。

なお、OBSにプラグインを入れる手順は以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。

OBSにおけるプラグインの入れ方とは？おすすめのプラグインも紹介

商用利用可能なBGMフリーサイト

本章では、商用利用できるおすすめのBGMフリーサイトを紹介します。

前述のとおり、ネット上の素材を利用するうえで一番気をつけたいことは、著作権や商用利用に関するルールです。

フリーサイトでは誰でも素材を自由に使用でき、また商用利用が可能であれば配信が収益化されている場合でも問題ありません。各フリーサイトで扱うBGMには特徴があるため、以下の章を参考に好みのフリーサイトを見つけてみましょう。

魔王魂

魔王魂はBGMだけでなく、アーティストの楽曲や効果音まで提供しているフリーサイトです。BGMは主に以下のジャンルを提供しています。

• ピアノ
• 民族音楽
• オーケストラ
• ファミコン風　
• ファンタジー

多くのジャンルから、自身の配信スタイルに合ったBGMも探せるため、雰囲気や世界観をBGMで演出したい方におすすめです。

また、有名アーティストの楽曲も配信に利用可能で、作曲者公認のため安心して利用できます。

さらに効果音も豊富で、魔法や戦闘効果音、システム音や物音まで幅広く提供しています。動画作成のみならず、配信中にポン出しする効果音の素材探しにも役立つ便利なフリーサイトです。

甘茶の音楽工房

甘茶の音楽工房は、BGMの素材が500点以上あることが大きな特徴です。サイト内でBGMを探す際は、イメージもしくはジャンルから選ぶこともできるため、非常に便利です。

なお、イメージにおいてはコミカル、幻想的、シリアス、雄大などの項目に分けられており、自身の配信イメージに合ったBGMが選びやすくなっています。

さらに、ジャンルにおいてもポップやジャズ、オーケストラやオルゴールなど様々です。気になるジャンルやイメージをクリックすると、該当するBGMが並ぶページに移行します。

各BGMには「楽しい冒険」や「船の旅」など、より詳細なタイトルがつけられているため、BGMの雰囲気をイメージしやすくなっています。タイトルをクリックするとすぐに試聴が開始されるため、ぜひ気になるBGMを探してみてください。

YouTube オーディオライブラリ

YouTube オーディオライブラリは、YouTube公式が提供するフリーサイトです。アカウントを持っていれば誰でも利用でき、特別な手続きは必要ありません。

BGMや効果音を選ぶことができ、素材をお気に入り登録できる機能も備わっているため、再度BGMを探す手間が省けます。BGMにおいては音楽のジャンルやムード（ハッピー・穏やか・悲しいなど）が記載されているため、雰囲気に合わせたBGMを見つけやすいです。

また、効果音についてはカテゴリで分類されており、環境音や衝撃音、家の中の音などが用意されています。2024年12月時点でBGMは約1,400種類、効果音は約520種類もあるため、豊富な素材から最適な音楽を見つけてみましょう。

なお、YouTube オーディオライブラリはYouTubeで配信を行う際にも組み合わせて使うことができます。OBSを用いてYouTubeで配信する方法は、以下の記事を参考にしてください。

OBSを使ってYouTubeで配信する方法は？最適な設定も解説

SHW

SHWは、和をイメージしたBGMや和楽器の音源に絞って素材を提供しているサイトです。

各BGMの説明欄には、使用されている和楽器のほか、イメージ（穏やか・優しい）も記載されているため、選びやすい仕様となっています。ダウンロードは通常の秒数に加え、複数回BGMを繰り返したい場合に便利な長尺版のダウンロードも可能です。

また、日本の伝統的な音楽として有名な「囃子」の音源も提供しています。囃子には太鼓や三味線、尺八などが用いられていますが、ダウンロードの際は「全楽器バージョン・笛なし・三味線なし」など、特定の楽器を抜いた音源を使うこともできます。

ダウンロードした素材をそのまま販売する行為以外はすべて利用可能とホームページに記載があるため、厳しいルールもなく初心者でも安心して使用可能です。

OBSのBGMに関する用途別の設定方法

本章では、OBSのBGMに関する用途別の設定方法を解説します。

OBS内でBGMを流しながら配信を行うと、自身の声と重なってしまい、話し声が聞こえなくなる可能性があります。雰囲気を作るうえでBGMは重要な役割を果たしますが、配信時の音声と重なってしまうと、聞き手にとってはストレスを感じやすい配信になってしまいます。

以下の章では、喋っている間は自動でBGMの音を下げる設定や、特定のシーンのみBGMを使いたい場合の設定を解説していますので、ぜひ参考にしてください。

話している間はBGMを小さくしたいとき

話している間はBGMを小さくしたい場合、「サイドチェイン/ダッキングソース」というコンプレッサーの設定を行えば解決可能です。

サイドチェイン/ダッキングソースは、特定の音声（自身の声など）を認識した際、他のBGMを小さくしてくれます。

まずはOBSを起動し、音声ミキサーに注目しましょう。

今回は「話している間は他の音を小さくする」ことが目的のため、マイクではなく「デスクトップ音声」の3点部分をクリックします。クリックすると下記のような表示が出るため、「フィルタ」を選択しましょう。

フィルタをクリックすると新たな画面が出力されるため、左下のプラスボタン（下記画像参照）を押し、「コンプレッサー」を選んでOKをクリックします。

コンプレッサーを選択すると以下の画面になるため、「サイドチェイン/ダッキングソース」を未設定から「マイク」に設定すれば完了です。

BGMをフェードイン・フェードアウトさせたいとき

BGMをシーンごとにフェードイン・フェードアウトさせたい場合、「auto fade audio」というスクリプトの利用がおすすめです。

まずは「GitHub Gist」にアクセスし、「auto fade audio」のzipファイルをダウンロードします。

ダウンロード終了後、再びOBSに戻り、画面上部の「ツール」から「スクリプト」を選びます。

スクリプト選択後に左下のプラスボタンを押し、ダウンロードした「auto_fade_audio.lua」を選択して「開く」を押しましょう。

以下画像のように、ダウンロードしたファイルがスクリプトに追加されていることを確認し、「閉じる」を押してください。

以上で設定は完了で、シーン切り替え時にBGMが自動でフェードイン・フェードアウトするようになります。

特定のBGMを入れたいとき

特定のゲームのBGMを入れたい場合、「アプリケーション音声キャプチャ」の追加を行いましょう。

まず、OBSのソースパネル左下のプラスボタンを押してください。「アプリケーション音声キャプチャ」の表記があるため、選択しましょう。

アプリケーション音声キャプチャが追加されると、以下の画面が出てきます。

「ウィンドウ」ではゲーム名が選べるようになっており、ウィンドウで指定したゲーム音のみ配信に入れることができます。

OBSでBGMが聞こえないときの原因および対処法

本章ではOBSでBGMが聞こえないときの原因と対処法を解説します。BGMが聞こえない場合、音声ミキサーの設定に不具合があるか、PC側の音量が小さいことが考えられます。

それぞれの原因に対処する方法を詳しく解説しているため、以下の章を理解しておき、万が一に備えましょう。

BGM自体の音量が小さい

OBSで配信を行う際、自分は音が聞こえていて、相手が聞こえない場合は音声ミキサーの設定に問題がある可能性が高いです。

例えば、YouTubeの音声をデスクトップ再生によってBGMで流している場合は、「音声ミキサー」にある「デスクトップ音声」の音量バーを動かしてみましょう。

音量バーを右へ動かすことで、音を大きくすることができます。

さらに、以下画像のようにスピーカーのアイコンが赤くなっている場合は、ミュートの状態です。

スピーカーのアイコンを再度クリックすることでミュートが解除できます。

PC側の音量が小さい

音声が自分だけでなく相手にも聞こえていない場合、PC側の音量が小さいことが考えられます。

まず、OBSのコントロールパネルから「設定」を選び、「音声」を選択しましょう。

上記の画面で「デスクトップ音声」を「規定」に変更すれば、OBSの設定は完了です。最後に、自身が使うデバイスの音量を設定し、音が出るか確認をしてみましょう。

上記で紹介した方法を試しても改善されない場合は、こちらの記事もチェックしてください。

OBSで音が出ない？症状別のトラブル解決法を分かりやすく解説！

OBSでBGMを設定したら、次は？

今回は、OBSでBGMを流す方法や、商用利用可能なフリーBGMサイトについて解説しました。BGMを適切に設定することで、配信の雰囲気を作り、視聴者にとって心地よい空間を演出できます。

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