OBSが重い・ラグい・カクつく時の原因・対処法をわかりやすく解説

OBSが重い原因の多くは、配信に必要な処理がパソコンの性能に追いついていないことにあります。

無駄なタスクを終了させたり、ビットレートを見直したりすることで、ストレスフリーな配信を実現可能です。

この記事では、「ゲーム配信がカクつく…」「配信がラグい」といった悩みを解消するために、適切な対処法を順を追って解説します。

OBSがすぐに重くなることでお悩みの方は、参考にしながら設定を見直しましょう。

OBSが重い・カクつくようになった時に考えられる原因は?

OBSが重くなったり、配信がカクついたりする時に考えられる主な原因を3つまとめました。

原因内容
OBSの設定がPCに負荷をかけている解像度、フレームレート、ビットレートなどの設定が高すぎると、PCに過剰な負荷をかけることがある
ゲームの設定が負荷を増大させている高グラフィックのゲームを配信する際にカクつく場合、ゲーム側の設定が原因の可能性が高い
通信環境の不安定さ通信速度が遅い、または接続が不安定な場合も原因になり得る

自分がどの原因に当てはまっているのかわからないという方のために、原因を探る方法を次の章で解説します。

OBSが重い原因を「ログファイル」で特定

OBSには「ログファイル」という機能が備わっており、ゲーム設定や通信環境の問題、PCのスペック不足など、原因をピンポイントで見つけることが可能です。

以下では、ログファイルの利用方法を解説します。

ログファイルをアップロードする

まず、配信または録画を30秒程度実行しましょう。短い時間でも十分な情報が記録されるので、無理に長時間試して重い環境を呼び起こす必要はありません。

その後、以下の手順でログファイルのアップロードをしましょう。

ログファイルをアップロードする

1.OBSのメニューから「ヘルプ」を選択
2.「ログファイル」→「現在のログファイルをアップロード」をクリック
3.表示されたURLをコピー

ログ分析ツールでエラーを確認する

アップロードしたログファイルは、専用の分析ツールでエラーの内容を確認できます。ツールは英語表記ですが、翻訳機能を使えば問題ありません。

分析結果には、以下の3つのカテゴリーがあります。

ログ分析ツールでエラーを確認する
分析結果分析内容トラブル例
Critical(深刻な問題)配信や録画に直接影響を及ぼす問題が「Critical」として赤枠で表示されます。GPUのハードウェアアクセラレーションが適切に動作していない
Warning(警告)設定を見直したほうが良い箇所が「Warning」として橙色枠で表示されます。OBSのサンプリング周波数とオーディオインターフェースの設定が一致していない
Info(補足情報)OBSの動作環境や設定に関する補足的な情報が水色枠で表示されます。ビットレートが低い

分析結果のURLは他の方と共有可能です。自分では解決が難しいと感じた場合は、知識を持つ信頼できる方にURLを送るのも一つの方法です。

OBSが重い時の対処法①OBSの配信・録画設定を最適化

ログファイルでOBSが重い原因を特定したら、以下の順に設定を見直し、配信・録画設定を最適化しましょう。

  • 最新バージョンにアップデートする
  • ゲームキャプチャを使用する
  • ハードウェアエンコーダーを使用する
  • 解像度とフレームレートを下げる
  • OBSを管理者モードで起動する
  • 不要なソースを削除する
  • プレビュー機能を無効化する
  • ビットレートを最適化する
  • プリセットを変更する
  • ネットワークの最適化を有効にする

最新バージョンにアップデートする

OBSの動作が重いと感じたら、まず最新バージョンへのアップデートを検討しましょう。

最新バージョンでは、不具合の修正や最適化が進んでおり、配信や録画が軽くなる可能性が高いです。

アップデート方法は以下の通りです。

最新バージョンにアップデートする

1.OBSのバージョン確認

  • メニューバーから「ヘルプ」をクリック
  • 「OBS Studioについて」を選択
  • 現在のバージョンを確認

2.公式サイトで最新版をダウンロード

  • OBS公式サイトにアクセス
  • 使用中のOSに合ったインストーラーをダウンロード
  • インストール時に設定がリセットされることを防ぐため、「設定を保持」を選択

アップデート後は動作が改善されるか確認しましょう。古い環境で動作が重く感じる方にもおすすめです。

ゲームキャプチャを使用する

ゲーム配信時にキャプチャーボードが「カクカクする」「カクつく」という場合は、「ウィンドウキャプチャ」ではなく「ゲームキャプチャ」の使用をおすすめします。

設定手順は以下の通りです。

ゲームキャプチャを使用する

1.ソースを追加

  • OBSのソース一覧で「+」をクリック
  • 「ゲームキャプチャ」を選択

2.キャプチャモードの設定

  • 「特定のウィンドウをキャプチャ」を選択
  • プレイ中のゲームを指定

ハードウェアエンコーダーを使用する

配信や録画の動作を軽くしたいなら、ハードウェアエンコーダーの利用がおすすめです。

GPUを利用するエンコード方式は、GPUを搭載したPCで効果を発揮するので、CPU負荷を大幅に減らしつつ滑らかな映像を配信できます。

設定手順は以下の通りです。

ハードウェアエンコーダーを使用する

1.OBSの「設定」を開く
2.「出力」を選択
3.出力モードを「詳細」に変更
4.配信タブの「映像エンコーダ」を「NVIDIA NVENC H.264」に設定

<その他の推奨設定>

  • キーフレーム間隔:2秒
  • ビットレート:5,000kbps(配信先の推奨値に合わせる)
  • プリセット:パフォーマンス優先

<録画の場合>

  • 「録画」タブで同様にエンコーダを選択
  • 録画形式を「mp4」または「mkv」に設定

ハードウェアエンコーダーは、NVIDIA製GPUの「NVENC」やAMD製GPUの「VCE」、またはIntelの「Quick Sync」に対応しています。

解像度とフレームレートを下げる

配信や録画でPCに負荷がかかりすぎている場合、解像度とフレームレートを下げるだけでも改善できます。

高解像度や高フレームレートは映像の滑らかさや画質を向上させますが、PCの処理能力を超えてしまうと逆にカクつきやラグが発生します。

設定手順は以下の通りです。

解像度とフレームレートを下げる

1.「設定」→「映像」を開く
2.「出力 (スケーリング) 解像度」を変更

  • 推奨値:1,280×720
  • 解像度を下げるほどPC負荷が軽減されるが、画質が落ちる点には注意

3.フレームレートを変更

  • 「FPS 共通値」を30fpsに設定(デフォルトは60fpsの場合あり)
  • 30fpsは十分な滑らかさを保ちながら、PCへの負担を軽減

解像度とフレームレートのバランスは、以下を参考に設定しましょう。

解像度フレームレート推奨環境
1,920×1,08060fps高性能PC向け
1,280×72030fps一般的なPCに最適
640×36030fps負荷が限界に近い場合の選択肢

「高画質で配信したい」という気持ちはわかりますが、カクつきを減らすには画質を少し妥協することも大切です。

OBSを管理者モードで起動する

Windows環境は、GPU使用率が高いとOBSよりもゲームが優先される仕様となっています。

そこで、OBSを「管理者モード」で起動して優先度を引き上げ、動作を安定させる方法があります。

ただし、ゲーム側の動作が重くなる場合があるため、一時的な対処法として考えておきましょう。

設定手順は以下の通りです。

<通常版OBSの場合>

OBSを管理者モードで起動する

1.OBSを終了
2.OBSのショートカットを右クリックし、「プロパティ」を選択
3.「互換性」タブを開き、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れる
4.「OK」をクリックし、OBSを再起動

<Steam版OBSの場合>

1.Steamを開き、「ライブラリ」からOBS Studioを右クリック
2.「管理」→「ローカルファイルを閲覧」を選択
3.開いたフォルダで「bin」→「64bit」→「obs64.exe」を右クリック
4.「プロパティ」→「互換性」タブで「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェック
5.「OK」を押し、OBSを再起動

OBSを管理者モードで起動する方法は、GPU使用率が95%を超える場合に効果を発揮します。

OBSの優先度を上げるとゲーム動作がカクつく可能性がありますのでご注意ください。

不要なソースを削除する

OBSの動作が重い場合、意外に見落とされがちなのがソースの数です。

画面キャプチャや画像、テキストなど使わないソースがそのまま残っていると、OBSの動作に悪影響を及ぼすことがあります。

削除し忘れているソースがないか、以下を参考に確認しましょう。

ソース問題例対処方法
ゲームキャプチャ特定のゲームで動作が不安定になる一時削除して再設定
画像ソース大量の画像が負荷をかける必要最低限に減らす
ブラウザソース常時アクティブで動作が重くなる使用時のみ追加

実際にソースを削除する際は、重複ソースがないか、一時的に追加したブラウザソースはないかチェックしましょう。

プレビュー機能を無効化する

OBSのプレビュー機能を無効化することで、CPUやGPUの負荷を軽減できます。画面のリアルタイム表示を止めるだけでも効果は大きいので、一度試してみましょう。

プレビュー機能を無効化する

1.OBSのプレビューエリアを右クリック
2.「プレビュー有効化」のチェックを外す

ビットレートを最適化する

ビットレートとは、1秒間にどのくらいのデータを送信するか示す数値のことです。高すぎるとPCやネット回線に過剰な負担をかけ、カクつきや配信の途切れが発生します。

配信するプラットフォームごとに適切なビットレートの目安が異なるため、調整が必要です。

ビットレートを最適化する

1.OBSの「設定」をクリック
2.「出力」を選択
3.「ビットレート」の数値を調整

プラットフォーム最大推奨値負担軽減時の推奨値
YouTube Live4,500~9,000kbps2,000~3,000kbps
Twitch6,000kbps2,000~3,000kbps
ニコニコ生放送6,000kbps1,500~2,500kbps
ツイキャス6,000kbps1,500~2,500kbps

OBSでの配信と録画時のビットレート目安は、以下の記事でも解説しています。
【OBSのビットレート目安】配信&録画時の設定をわかりやすく解説

プリセットを変更する

プリセットとは、映像エンコードのパフォーマンスを調整する設定のことで、高品質なプリセットほどPCに負荷がかかります。

負荷軽減を目的とする場合は、以下の手順を参考に「MaxQuality」から2〜3段階下げてみましょう。

プリセットを変更する

1.「ファイル」→「設定」を開く
2.「出力」タブの「エンコーダ」設定を確認
3.「プリセット」を「Performance」または「Quality」に変更

ネットワークの最適化を有効にする

配信がプツプツ途切れる、ネット回線の不安定さが疑わしい場合は「ネットワークの最適化」を有効にしましょう。

ネットワークの最適化を有効にする

1.OBSの「ファイル」→「設定」を開く
2.「詳細設定」を選択
3.「ネットワークの最適化を有効にする」にチェックを入れる

OBSが重い時の対処法②ゲームのグラフィック設定を下げる

ゲームを最高画質でプレイしながら配信するのは、多くのPCで大きな負担になります。

ゲームだけならスムーズに動作する環境でも、いざ配信し始めると負荷が一気に増加します。

以下の3つのポイントを中心に調整を進めてみましょう。

1.ゲームの設定画面で、画質を「高」または「中」に変更
ゲーム内の設定画面から画質プリセットを選ぶだけで変更できます。プリセットがない場合、影の品質、アンチエイリアス、テクスチャ解像度など、処理負荷の高い項目を個別に「中」または「低」に設定しましょう。影の品質や視野範囲を下げるだけでも、処理速度が目に見えて改善される場合があります。

2.ゲーム解像度を「1,920×1,080」から「1,280×720」に下げる

3.フレームレートを60fpsに制限する
ゲーミングモニターを使用している場合でも、配信中は120fps以上にする必要がないケースがほとんどです。

120Hz以上のゲーミングモニターを使用している場合でも、60fpsに制限して問題ありません。

フレームレートを無制限に設定するのは、PCに過剰な負担を与える原因となりますのでご注意ください。

OBSが重い時の対処法③PCの環境を整える

OBSが重い原因の一つとして、PC環境がOBSに悪影響を及ぼしていることが挙げられます。

以下の方法でPC環境を整えて、配信をスムーズに進めましょう。

  • HAGSを無効にする
  • デュアルモニターのリフレッシュレートを60Hzに設定する

なお、今回はWindowsを想定した設定方法を紹介します。Macユーザーは、こちらの記事を参考にOBSの設定を進めましょう。

OBSはMacでも使える!ダウンロードの方法と配信時の設定を解説

HAGSを無効にする

Windowsの「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」(HAGS)は、GPUの負担を最適化するための機能です。

しかし、この機能が原因でOBSに問題が生じる場合もあります。カクつきやフリーズ、ビットレートが「0kb/s」になるといった症状が出た場合、一度HAGSを無効化してみましょう。

1.デスクトップの空白部分を右クリック
2.「ディスプレイ設定」を選択
3.ページ下部にある「グラフィック設定」をクリック
4.「既定のグラフィックス設定を変更する」を選択
5.「ハードウェア アクセラレータによるGPUスケジューリング」をOFFに切り替える
6.PCを再起動

HAGSを無効にしても問題が改善しない場合、再度有効化して別の原因を検討しましょう。ゲームや他のソフトで効果を感じる場合があるため、OBS利用時に限定して設定を見直すのがおすすめです。

デュアルモニターのリフレッシュレートを60Hzに設定する

デュアルモニターを使用している場合、リフレッシュレートの違いが原因でOBSが重くなることがあります。

映像がカクつく場合は、一度設定を変更してみましょう。

1.デスクトップの空白部分を右クリック
2.「ディスプレイ設定」を開く
3.ページ下部の「ディスプレイの詳細設定」を選択
4.サブモニターを選び、「アダプターのプロパティ」をクリック
5.「モニター」を開き、「画面のリフレッシュレート」を60Hzに変更
6.「適用」をクリックし、設定を保存

リフレッシュレートを統一すると、配信中の負荷が軽減され、OBSが安定動作しやすくなります。デュアルモニターを使っている方はぜひ試してみましょう。

OBSが重い時の対処法④PCスペックを上げる

OBSが重い原因がPCの性能不足である場合、最終的な解決策はスペックの向上です。

いままで紹介した対処法で改善しない場合は、以下の方法を検討してみましょう。

  • PCをアップグレードする
  • 2台目のPCを用意する

PCをアップグレードする

現在のPCスペックがOBSの要求に見合っていない場合、アップグレードが必要です。

配信には高い処理能力が必要なため、CPUやメモリ、グラフィックボードの性能を底上げしましょう。

推奨スペックを以下にまとめました。

項目推奨スペック
OS最新のWindows OS
CPUIntel Core i7以上
メモリ16GB以上
グラフィックボードGeForce RTX 40シリーズ
ストレージ500GB〜1TB(NVMe SSD)

2台目のPCを用意する

そもそもOBSが重い原因はゲームと配信を同時に1台のPCで行うことにあります。根本的に解決するためには、2台目のPCを導入して作業を分担するのがおすすめです。

1台はゲーム専用、もう1台を配信用として負荷の分散を検討しましょう。

配信用のPCは、ゲーム用PCほどの性能の高さは必要ありません。以下のスペックを目安に選ぶと良いでしょう。

項目推奨スペック
CPUIntel Core i5以上
メモリ8GB以上
グラフィックボードGeForce GTX 600シリーズ以上
ストレージSSD 250GB〜

OBSのパフォーマンスを最適化したら、次は?

今回は、OBSが重い・ラグい・カクつく原因と対処法について解説しました。設定の最適化やPC環境の見直しで、よりスムーズな配信が可能になります。
以下の方法を実践することで、配信のカクつきや遅延が改善できます。

方法内容の一例
配信設定の最適化解像度やビットレートを下げる、最新バージョンにアップデートする
ゲームのグラフィック設定を調整画質やフレームレートを下げてPCへの負荷を軽減する
PC環境を整えるHAGSを無効化、リフレッシュレートを統一する
PCスペックを上げる高性能PCへのアップグレードや2台目のPC導入

最適な設定を見つけるためには、まず「ログファイル」で原因を特定し、結果をもとに調整することが大切ですが、本記事で紹介した方法を試しても改善されない場合は、こちらの記事もチェックしてください。

【簡単】OBS配信で遅延解消する設定!設定以外の原因・対策も解説

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この記事を書いた人

               

ストマガ編集部

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