OBSの画像スライドショーとは?ソース設定や配信方法まで徹底解説

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OBS Studioの画像スライドショー機能を使えば、配信画面に動きのある視覚効果を簡単に追加できます。本記事では、画像スライドショーの基本設定から、PowerPointやGoogleスライドを使った応用的な配信方法まで詳しく解説します。
OBSの画像スライドショーとは
OBSの画像スライドショーとは、ライブ配信ソフト「OBS Studio」で多数の画像をスライドショー形式で自動的に切り替えて表示できる機能です。配信の幅が広がり、プレゼンテーション(以下、プレゼン)やビジネス用途としても活用できます。
以下では、OBSで画像スライドショーを使用するメリットや具体的な活用シーンについて詳しく説明します。
スライドショーを使用するメリット
OBSでスライドショーを使用すると、配信の質を高める以下のメリットがあります。
- 視覚効果の向上:視聴者にとって魅力的な配信が可能になる
- 説明のスムーズ化:プレゼンや講座配信での説明がわかりやすくなる
- 連携の柔軟性:PowerPointやGoogleスライドと連携して資料を表示できる
- ビジネス利用:オンラインセミナーや商談などのビジネスシーンでも活用できる
OBSに画像を取り込んで設定可能ですが、PowerPointやGoogleスライドに慣れている方は、作成済みの資料をそのままOBSで配信できるので便利です。
スライドショーを使用するシーン
OBSのスライドショー機能は、以下のような配信シーンで役立ちます。
- ゲーム実況やVtuber配信:配信画面の装飾として活用可能
- ビジネス用途:オンラインセミナーやプレゼンでの資料共有
- 教育・講座配信:教育コンテンツや講座配信で視聴者の理解をサポート
上記のシーンでOBSのスライドショー機能を活用することで、配信の質と視聴者の満足度を高められます。
OBSのスライドショーのやり方
OBSでスライドショーを設定する方法は主に3つあります。それぞれの方法には特徴があり、用途に応じて選ぶことで効率的な配信が可能です。
- OBSの画像スライドショーを使用する
- PowerPointを使用する
- Googleスライドを使用する
それぞれのやり方を詳しく見ていきましょう。
やり方その1:OBSの画像スライドショーを使用する
OBS内の「画像スライドショー」ソースを追加すると、複数の画像を自動的に切り替えるスライドショーが作成できます。画像の切り替え速度やエフェクトの設定も可能で、自由度の高さがメリットです。
【メリット】
- 他のソフトを使用せずに、OBSだけで完結できる
- 多彩なエフェクト設定が可能で見栄えが良い
【デメリット】
- 設定に慣れるまで時間がかかる
- 画像の事前準備がある
やり方その2:PowerPointを使用する
PowerPoint(パワーポイント)でスライドを作成し、OBSで「ウィンドウキャプチャ」の機能を使って表示する方法です。
【メリット】
- 画像切り替えやアニメーション機能が豊富である
- プレゼン資料の再利用も可能である
【デメリット】
- PowerPointとOBSの両方を起動する必要がある
- PowerPointが使える環境を整える必要がある
PowerPointがインストールされていない場合は購入を検討してください。ただし、Microsoftのオンライン版PowerPoint(無料)でも基本的なスライドショーは作成できます。オンライン版を使用する場合は、Googleスライドの手順も参考にしてください。
やり方その3:Googleスライドを使用する
Googleスライドを使えば、オンライン上でスライドを作成・共有できます。OBSの「ウィンドウキャプチャ」で表示することで、スライドショーを簡単に配信に組み込めます。
【メリット】
- クラウドベースなので、多くのデバイスでアクセスできる
- PowerPointと同様の操作感でスライド作成できる
【デメリット】
- オフライン環境では使用できない
- 慣れていない場合は操作に時間がかかることもある
OBSの画像スライドショーの設定方法
OBSで画像スライドショーを設定する手順は、以下の基本的なステップで進めていきます。
1.ソースを追加する
2.スライドの画像を追加する
3.スライドショーを設定する
4.表示の動作を設定する
5.スライドモードを設定する
6.手動の場合はホットキーを設定する
7.プレビューを確認する
8.スライドショーを配信に組み込む
それぞれの手順を詳しく解説します。
ソースを追加する
OBSで画像スライドショーを設定するためには、まずソースを追加します。ソースの追加は以下の手順を参考にしてください。
1.OBS起動後、画面左下部にあるシーン枠内の左下の「+」ボタンをクリックし、シーンの名前をつけて「OK」を押す

2.ソース枠内の「+」ボタンをクリックし、「画像スライドショー」を選択する

3.スライドショーの名前を入力し、「OK」をクリックする

OBSのソースを追加する方法を詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。基本から応用までの設定方法を解説しています。
>>【完全版】OBSのソースを追加する方法!基本操作~配信画面の設定
スライドの画像を追加する
ソースを追加すると下の画像スライドショーの「プロパティ」ウィンドウが表示されます。

1.プロパティの下の方にある「画像ファイル」にカーソルを移動させ、右側にある「+」ボタンをクリックする

2.「ファイルを追加」または「ディレクトリを追加」を選択し、画像を追加する

画像の枚数が少ない場合は「ファイルを追加」を繰り返して1枚ずつ追加しても良いです。しかし、数が多い場合は同じ作業を繰り返す必要があります。同じフォルダにまとめて保管しておいて「ディレクトリを追加」からフォルダを指定する方法で手間を省けます。
スライドショーを設定する
画像スライドショーのプロパティ画面で、スライドショーの設定を行います。

スライドショーの主な設定項目は以下の通りです。
設定項目 | 説明 |
---|---|
トランジションの種類 | スライド間の切り替え効果(カット、フェード、スワイプ、スライドの4種類)を選択する |
スライド時間間隔 | 各画像が表示される時間を設定する |
画像切り替え速度 | 画像の切り替え時に適用されるアニメーションの表示時間を調整する |
ループ | スライドショーを繰り返す場合にチェックを入れる |
以上の設定を調整し、視覚的なインパクトを持たせたスライドショーを作成しましょう。
表示の動作を設定する
画像スライドショーのプロパティでは、表示状態に応じた動作を選ぶことが可能です。

以下の設定を目的に応じて活用しましょう。
設定項目 | 説明 | 活用例 |
---|---|---|
表示されていないときにも常に再生する | 表示状態に関係なく、スライドショーが常に再生され続ける | バックグラウンドでの再生が必要な場合 |
表示されていないときは停止し、表示時に再開する | 非表示時にはスライドショーが停止し、再表示時に最初から再生が始まる | 中断したら最初からやり直したい場合 |
表示されていないときに一時停止、表示時に再開する | 非表示時にスライドショーが一時停止し、再表示時には停止した位置から再開する | スライドショーを途切れず表示させたい場合 |
以上のオプションを使って、スライドショーの表示動作を効率よく管理しましょう。
スライドモードを設定する
画像スライドショーの進行操作の設定方法を説明します。

表示タイミングに応じて、次の2種類のモードから選択できます。
スライドモード | 説明 |
---|---|
自動モード | 指定した時間間隔で画像が自動的に切り替わる |
手動モード | ホットキーを設定することで、キー操作で画像を手動切り替えできる |
手動モードの場合は、ホットキーの設定が必要です。使いやすいボタンを任意に割り当てられるため、操作性を向上させることが可能です。
手動の場合はホットキーを設定する
手動モードでスライドショーを操作するには、ホットキーを設定しましょう。次の手順を参考にしてください。
1.OBS右下の「設定」メニューを開き、「ホットキー」を選択する。
2.「画像スライドショー」の項目を見つけ、中央の空白部分をクリックする。

3.設定したいキーボードのキーを押すと、割り当てが完了する。

例えば、「→」で次のスライド、「←」で前のスライドに戻る、など、イメージがしやすいキーを設定すると良いでしょう。
ただし、頻繁に使うキーなら、他の操作に影響する可能性があります。普段あまり使わないキーを選ぶと作業の効率が向上します。
プレビューを確認する
設定が終わったら、プレビュー画面でスライドショーの表示状況を確認しましょう。画像の順序や表示時間に誤りがないかチェックし、必要があれば設定を見直して調整してください。

スライドショーを配信に組み込む
画像スライドショーの設定が完了したら、配信に組み込んでいきます。配信に組み込む手順は以下の通りです。
1.ソースセクションの「+」ボタンをクリックし、配信で使用するソースを追加する

2.ソースの名前を入力して「OK」をクリックする。

3.配信画面にスライドショーと他のソースを調整して配置する。

4.「ソース」セクションの上下ボタンを活用することで、プレビュー画面の前後を変えられます。

PowerPointのスライドショーの設定方法
PowerPointで作成したスライドショーをOBSに取り込み、配信画面に表示する手順を詳しく解説します。
PowerPointでスライドショーを用意する
1.PowerPointを開き、必要なスライドを追加し、内容を作成する。

2.アニメーションや画面切り替え効果を追加し、スライドショーを作成する。


3.メニューの「スライドショー」→「スライドショーの設定」で表示方法を調整する。

OBS側でPowerPointのスライドショーを設定する
PowerPointを作成したらOBS側の設定を以下の通り行います。
1.OBSを起動し、シーンセクションの「+」ボタンを押して新しいシーンを作成する。

2.「ソース」セクションの「+」ボタンをクリックし、「ウィンドウキャプチャ」を選択する。

3.名前を入力し、「OK」をクリックする。

4.「ウィンドウ」メニューからPowerPointスライドショーを選択し、「OK」をクリックする。

画質を確認・調整する
OBSのプレビュー画面でスライドショーが正しく表示されているか確認します。

必要に応じてウィンドウキャプチャソースの位置とサイズを調整します。角をドラッグすることでサイズの調整を調整する。

高画質な配信を行う場合は、OBSの設定メニューからビットレートや解像度を変更してください。
Googleスライドのスライドショーの設定方法
Googleスライドを使ってスライドショーを作成し、OBSで配信に組み込む方法を解説します。
Googleドライブでスライドショーを作成する
1.Googleアカウントにログインし、「Googleドライブ」にアクセスする。

2.「新規」ボタンを押して、「Googleスライド」を選択する。


3.新しいスライドを作成し、必要な内容を追加する。

4.画面右上の「スライドショー」ボタンをクリックし、内容を確認する。

OBS側でGoogleスライドのスライドショーを設定する
1.OBSを起動し、シーンセクションの「+」ボタンを押して新しいシーンを作成する。

2.「ソース」セクションの「+」ボタンをクリックし、「ウィンドウキャプチャ」を選択する。

3.名前を入力し、「OK」をクリックする。
4.「ウィンドウ」ドロップダウンメニューからGoogleスライドを表示しているブラウザウィンドウを選択し、「OK」をクリックする。

5.不要な部分を削除する場合は、Altキー(Macの場合はoptionキー)を押しながら枠をドラッグしてトリミングする。

6.配信画面にスライドショーと他のソースを調整して配置する。
OBSのスライドショーでよくある質問
OBSのスライドショーに関するよくある疑問とその解決方法について解説します。
スライドショーに枚数制限はあるのか?
OBSのスライドショーに、明確な枚数制限はありません。
ただし、OBSの「画像スライドショー」ソースは、画像ファイルの合計サイズが約250MBを超えるとパフォーマンスに影響が出る可能性があります。例えば、1920×1080ピクセルの画像では1枚あたり約8.29MBを使用します。
スライド枚数よりも、画像ファイルの容量に注意することが重要です。
スライドショーに背景音や音声を流すには?
OBSでスライドショー中に音声を流すには、「音声入力キャプチャ」ソースを追加します。
BGMを設定する場合は、音声ファイルを指定し、ループ再生を有効にすると便利です。また、マイク入力を追加すれば、ナレーションやライブコメントも可能です。
音声のバランス調整は「オーディオミキサー」で行います。
スライドショーの画像が表示されない時の対処法は?
スライドショーの画像が表示されない場合は、いくつか原因が考えられます。例えば、次の方法を試してみましょう。
1.「画像スライドショー」ソースが非表示になっていないか確認する。
2.画像ファイルのパスが正しいかチェックする。
3.問題が解決しない場合は、OBSを再起動してみる。
4.使用しているOBSのバージョンが最新か確認し、必要であればアップデートを行う。
まとめ
OBSの画像スライドショー機能は、配信の視覚効果を向上させ、ビジネスからエンタメまで幅広く活用できます。設定手順として、画像スライドショーのソース追加、画像の取り込み、切り替えエフェクトの設定、配信への組み込みを解説しました。
視聴者を引き付ける魅力的な配信を目指し、スライドショー機能を活用しましょう。