OBSの歌枠配信で音ズレする原因は?改善するための設定手順を解説

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OBSで歌枠配信を行う方で、音ズレに悩む方もいるでしょう。そのような方へ向けて、本記事では音ズレの原因と解決策を解説します。
また、歌の配信に便利なカラオケ字幕を出す方法や、配信時にエコーをかける設定方法も解説しているため、歌枠配信を行う方はぜひ参考にしてください。

音ズレとは
音ズレとは、映像と音声にズレが生じている状態のことです。
映像のみ先に進み、音声があとから来るような配信が該当します。ゲーム配信など、素早い動きを追うような配信では音ズレの違和感に気がつきやすいです。
また、歌枠配信のような音楽に合わせて歌う配信でも、口の動きと音楽にズレが生じるため、違和感を感じます。音ズレは、一度気になってしまうと配信に集中できなくなることが大きなデメリットです。視聴者にとっても見にくい配信となるため、ファンが離れてしまう可能性も否めません。
以下の章では、音ズレの原因と解決策を解説します。
なお、音ズレの修正は設定の順番が大切であるため、本記事を参考に正しい順番で設定を行ってください。
OBSの歌枠配信で音ズレする原因
本章では、OBSの歌枠配信で音ズレする原因を解説します。音ズレする主な原因は、以下のとおりです。
- サンプルレートのズレ
- フレーム落ちしている
- 音声ビットレートが高い
- タイムスタンプの設定
- 同期オフセットの数値ミス
各項目の詳細および解決策を以下の章で解説していきます。
サンプルレートにズレが生じている
音ズレは、OBS側で設定されているサンプルレートと、OS側で設定されているサンプルレートにズレが生じることで起こる問題です。
サンプルレートは音質に関わる数値で、数値を高くすると音質が上がる特徴があります。OBSと使用するOSの間でサンプルレートの数値が異なると、音ズレが発生してしまうため注意しましょう。
なお、推奨値は「44.1kHz」もしくは「48.0kHz」のどちらかです。万が一設定に迷った場合は、「44.1kHz」に設定しておきましょう。
数値が高いほど高音質の配信が可能ですが、両者に大きな差はないため、44.1kHzでも配信の質には問題ありません。
以下の章では、OBSとOSそれぞれの設定方法について解説します。
OBSの設定方法
まずはOBSを立ち上げ、コントロールパネルから「設定」を選択しましょう。

設定を選択後、「音声」を選択すると、「一般」からサンプルレートを変更できます。

前述のとおり、数値は44.1kHzもしくは48.0kHzに設定しましょう。最後にOKボタンを押してOBSの設定は完了です。
OS側の設定方法
まず、Windowsの場合の設定方法を解説します。初めにスタートボタンを押し、「設定」から「システム」を選択してください。

次に「サウンド」を選択し、関連設定にある「サウンドコントロールパネル」を選択しましょう。

サウンドコントロールパネルを選択後、スピーカー・マイク・ヘッドセットの項目が表示されるため、「スピーカー」をクリックしてください。

上記のとおり、スピーカーのプロパティが表示されるため、「詳細」タブからサンプルレートの変更が可能です。スピーカーの設定後は、使用中のマイクについても同じ設定を行ってください。
なお、数値はOBSで設定したサンプルレートと合わせる必要があるため、以下のように設定しましょう。
- OBSが44.1kHzの場合:44100Hz
- OBSが48.0kHzの場合:48000Hz
ビット数に関しては、16ビット・24ビットのどちらを選択しても問題ありません。ビット数が高いほど音質も高くなりますが、24ビットを選択して動作に不具合が起こる場合は、16ビットに合わせましょう。
また、CD・DVD・スタジオの音質の表記がありますが、設定時に気にする必要はないため安心してください。
Macを使用している方は、以下の手順で設定が可能です。
- アプリケーションフォルダの中のユーティリティフォルダを選択
- Audio MIDI設定を開く
- 「オーディオ装置」の中から使用中のマイクを選択する
- サンプルレートを44.1kHzもしくは48.0kHzに合わせる
自身の使用するOSに合わせ、サンプルレートをOBSの設定と合わせましょう。
フレーム落ちしている
フレーム落ちとは、OBSの映像処理が追い付いておらず、画像がうまく送信されない状態を指します。フレーム落ちしているかを確認するために、OBSを立ち上げてから「表示」をクリックしましょう。

表示を選択後、「統計」をクリックしてください。

統計をクリック後、上記画面の枠内の数値が赤く表示されている場合、音ズレの原因がフレーム落ちであることが予想されます。
なお、フレーム落ちしている場合は、ビットレートを下げることが有効です。以下の章ではビットレートの設定方法を解説します。
音声ビットレートの数値が高い
音声ビットレートを高く設定しすぎると、音にノイズが出たり、音ズレが発生する原因となります。
歌枠配信を行う場合の音声ビットレートの推奨値は128kbpsのため、数値を上げすぎないよう注意しましょう。設定方法は、OBSを立ち上げてコントロールパネルから「設定」を選択してください。

「出力」を選択後、「音声ビットレート」を選択するとプルダウンで数値が選べるため、推奨値の128kbpsに設定し、作業は完了です。
タイムスタンプにチェックが入っている
タイムスタンプの設定は、Windows版のみ設定できる機能です。Macユーザーの場合はタイムスタンプ機能による音ズレ解消はできないため、注意しましょう。
まず初めにOBSを開き、「音声ミキサー」から音ズレが発生しているデバイスに注目してください。

縦に3つ点が並んでいる箇所をクリックし、「プロパティ」を選択しましょう。

デバイスの下に「タイムスタンプを使用する」と表示されたチェックボックスがあるため、チェックを外してください。タイムスタンプの設定を見直しても音ズレの症状が治らない場合は、チェックは戻しても問題ありません。
同期オフセットの数値が合っていない
OBSにおける同期オフセットとは、音を遅延させたり、早めたりすることができる機能です。設定方法は、OBSを開いて「音声フィルタ」から縦に点が3つ並んだ箇所をクリックしてください。

次に「オーディオの詳細プロパティ」を選択すると、上記の画面が出力されます。「同期オフセット」の数値を変更することにより、音ズレの修正が可能です。
例えば、マイク音声の遅延が15msの場合、マイクの同期オフセットの数値を「-15ms」に変更することで、音ズレが修正できます。
なお、詳しい遅延の秒数がわからない場合は、同期オフセット上で大体の数値を設定しましょう。次に、自身の配信を録画して見直し、遅れている秒数を確認しながら同期オフセットの数値を微調整してください。
OBSの歌枠配信でエコーをかける方法
本章ではOBSの歌枠配信でエコーをかける方法を解説します。エコーをかけたい場合、「OrilRiver」というプラグインの導入がおすすめです。
プラグインのインストールおよび設定方法は、以下の章を参考にしてください。
無料プラグイン「OrilRiver」のインストール方法
歌枠配信でエコーをかけるプラグインの「OrilRiver」は、以下からダウンロード可能です。
ダウンロードページにアクセスすると、Windows版とMac版に分かれているため、自身のOSに合ったプラグインをダウンロードしましょう。まずは、Windows版のインストール方法を解説します。

zipファイルを解凍し、ファイル内から「OrilRiver.dll」をデスクトップに追加しておきましょう。次に、「Windows-SSD」から「Program Files」を開いてください。

ファイルを開き、「VSTPlugins」のファイル内に、デスクトップに追加した「OrilRiver.dll」を入れてください。
なお、VSTPluginsのファイルがない場合は、同じ名前で新しく作成しましょう。

追加完了後にOBSを開き、画面左上のプレビュー下にある「フィルタ」を選択してください。

フィルタを選択後、音声フィルタの下部にあるプラスボタンを押し、「VST 2.x プラグイン」を選択しましょう。

VST 2.x プラグインから、プルダウンでプラグインを選択できるため、「OrilRiver」を選択し、「プラグインインターフェイスを開く」をクリックしてください。

以下の画面が出力された段階で、インストールは完了です。

なお、Mac版のインストール方法は以下の手順で行ってください。
- Mac版のOrilRiverをインストールする
- 解凍したファイルから「OrilRiver.vst」の表記があるファイルを探す
- 「Macintosh HD」からライブラリを開く
- 「Audio」から「Plug-Ins」を開く
- Plug-Ins内にある「VST」に「OrilRiver.vst」を追加する
以降は、Windowsの設定と同様にOBS内でOrilRiverを起動させましょう。
OrilRiverの主な使い方
OrilRiverで主に操作する箇所は以下のとおりです。

- ①詳細設定が済んでいる音声が使用できる
- ②バーを動かすことで音量調整ができ、「DRY」は原音をミュートにできる
- ③「PRE REPLAY」の数値が小さいほどすぐにエコーがかかり「WIDTH」は音の広がりを調整できる
なお、詳しい設定がわからない場合は、①のDefaultを変更して理想の配信設定を見つけてみましょう。
OrilRiverの設定方法
OrilRiverは、上記で説明した箇所以外にも詳しい設定が可能です。

①(画像左側)の枠内における機能は以下のとおりです。
項目名 | 詳しい機能 |
---|---|
E.R.VARIATION | 最初の反響音の種類を選択可能 |
REVERB VARIATION | エコーのバリエーションを選択可能 |
DECAY TIME | エコーがかかる時間を調節可能 |
また、②(画像右側)の枠内における機能は以下のとおりです。
項目名 | 詳しい機能 |
---|---|
E.R.(ボタン) | 初期反射音をミュートにできる |
E.R.のバー | 初期反射の音量を調節可能 |
REVERB(ボタン) | エコーをミュートにできる |
REVERBのバー | エコーの音量を調節可能 |
WET(ボタン) | 初期反射・エコー両方をミュートにできる |
WETのバー | 初期反射・エコー両方の音量を一括で調整可能 |
主な使い方と組み合わせ、歌枠配信時の好みに合わせた設定を作り上げましょう。
エコーをかける方法について更に詳細が気になる方は次の記事も参考にしてください。
【無料】OBS配信でエコーをかける方法を紹介!音声フィルタ設定も
OBSの歌枠配信でカラオケ字幕を出したいとき
OBSの歌枠配信でカラオケ字幕を出したい場合、無料ツールの「Jimac」がおすすめです。本章では、Jimacの使い方と、OBSでの表示方法を解説します。
無料ツール「Jimac」の使い方
Jimacの利用にあたって、インストールの必要はありません。まずは、以下のリンクからJimacにアクセスしましょう。
アクセスすると以下の画面が出てきます。赤枠内は自由に編集できるため、希望の歌詞を入力してください。

OBSの歌枠配信に利用する際は、緑背景の部分をウィンドウキャプチャして字幕を出力します。
なお、「Animation」では字幕の出力方法を編集でき、上から下に表示される「fall」と、左から右に流れるように表示される「Stairs」の2種類から選ぶことが可能です。
OBSで表示する方法
JimacをOBSで表示させるためには、OBSを開き「ソース」のプラスボタンから「ウィンドウキャプチャ」を選択します。

ウィンドウキャプチャを選択後、「Jimac」が表示されたウィンドウを選択し、OKボタンを押してください。
次に、プレビュー画面の下にある「フィルタ」をクリックし、「エフェクトフィルタ」から「クロマキー」を選択しましょう。

クロマキーは緑の背景を透過する機能のため、Jimacの緑背景を透過し、配信時は歌詞の部分のみを映すことができます。
最後に、「altキー(Macの場合はOptionキー)」を押しながら画像を切り抜き、歌詞部分のみが映るよう編集して作業は完了です。

OBSで歌枠配信の音ズレを解消したら、次は?
今回は、OBSで歌枠配信の音ズレを改善する方法について解説しました。適切な設定を行うことで、より快適な配信を実現できます。
音ズレを解消したら、次は配信の演出にもこだわってみませんか?
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