OBSのブロックノイズを撃退!配信・録画で高画質を実現する方法

プロックノイズが発生すると、画面が粗くなってしまい、せっかくの映像が台無しになってしまいます。視聴者から「画質が悪い」「見づらいしラグい」と言われたら、モチベーションも下がってしまうでしょう。

しかし、ブロックノイズはOBSの設定を最適化することで防げます。

この記事では、OBSで発生するブロックノイズの原因と解決策を徹底解説。ビットレートやエンコーダーの違い、ネット回線の影響まで分かりやすく解説していきます。

OBSのブロックノイズに悩んでいる方は、今すぐ設定を見直して高画質な映像を実現しましょう。

OBSで発生するブロックノイズとは?

ブロックノイズとは、映像が「乱れる」「ぼやける」「悪くなる」「荒い」などの症状が出る現象のことです。

OBSでは動画データをそのまま記録・送信するのではなく、エンコード(圧縮処理)をしながら映像を出力します。

動画データはそのままだと容量が大きすぎるので、ビットレートを調整してデータサイズを抑えるのですが、圧縮の過程で映像の細かい情報が削られることで、ブロックノイズが発生しやすくなるのです。

次のようなシーンでは、ブロックノイズが特に目立ちやすくなります。

  • 動きの激しい映像(FPSやスポーツ系ゲームなど)
  • 暗いシーンやグラデーションの多い映像(夜景や影が多いシーン)
  • エンコード処理が追いつかない状況(低スペックPCや適切でない設定)

画質が荒い状態を防ぐには、OBSのエンコード設定やビットレートの調整、回線環境の見直しが必要です。

OBSでブロックノイズが発生する原因と解決策

OBSでのブロックノイズ除去や軽減を目指すためには、ブロックノイズの主な原因を把握することが大切です。

原因として考えられるものを大別すると、以下の3つです。

  • ビットレート
  • エンコーダー
  • 回線速度

ビットレートが適切でない場合やエンコード処理が追いつかない場合、映像の一部が削られてノイズとして現れます。ここからは、それぞれの原因と対策方法を解説します。

ビットレートが最適ではない

ビットレートとは1秒間に送信できるデータ量のことです。低すぎれば映像が大きく圧縮されてノイズが発生しやすく、高すぎればプラットフォーム側で強制的に再圧縮されて画質が劣化してしまう可能性があります。

たとえばYouTubeやTwitchでブロックノイズが発生する原因は、各プラットフォーム側の再エンコード処理によって引き起こされています。

高画質を狙ってビットレートを過度に上げても、結局は制限に引っかかって再圧縮されてしまい、画質が改善されないというケースがあるのです。

逆にビットレートの目安を下回った状態で配信を続けると、ノイズだらけの映像になってしまうでしょう。

以下に、ビットレートのおすすめ設定値を解像度別にまとめました。

解像度FPS推奨ビットレート(Twitch)推奨ビットレート(YouTube)
720p302,500~4,000kbps1,500~4,000kbps
720p603,500~5,000kbps2,250~6,000kbps
1,080p304,500~6,000kbps3,000~6,000kbps
1,080p606,000~9,000kbps4,500~9,000kbps

TwitchやYouTubeなど、配信プラットフォームごとの上限・推奨値を意識すると同時に、自身の回線速度も考慮したうえで設定しましょう。

OBSでビットレートを設定する方法は以下の記事で詳しく解説しています。

>>【OBSのビットレート目安】配信&録画時の設定をわかりやすく解説

エンコード処理が間に合っていない

エンコーダーとは、映像を圧縮してデータサイズを小さくする処理をするシステムです。

OBSでは、主に下記2種類のエンコーダーを利用できます。

エンコーダー特徴
x264(ソフトウェアエンコード)CPUを使ってエンコードする。高画質だがCPU負荷が高い。
NVENC(NVIDIA GPUエンコード)NVIDIAのGPUを使ってエンコードする。負荷が低く安定するが、古いGPUでは画質が劣る。

OBSではリアルタイムでエンコードをしながら配信・録画を実行するので、エンコードの処理が追いつかないと映像の一部が欠落してブロックノイズが発生します。

設定がマシンスペックに見合っていないと、エンコード処理が遅延して映像が崩れるリスクが高まるのです。

OBSでエンコードを変更する方法は以下の記事で詳しく解説しています。

>>OBSのエンコーダ設定ガイド!配信・録画を高品質にする設定とは?

ここでは、エンコーダーの種類ごとにブロックノイズの発生要因と対処法を解説します。

x264(ソフトウェアエンコード)

x264はCPUを用いるソフトウェアエンコード方式で、細かな画質調整が可能な反面、CPU負荷が高くなりやすいのが特徴です。

エンコードに必要な計算量が膨大なので、配信時に他のアプリ(ゲームなど)でCPUが大幅に使われていると、エンコードが追いつかずブロックノイズを引き起こしやすくなります。

たとえば、プリセット(処理速度)を「slow」に設定すれば理論上は高画質が得られますが、その分CPU負荷が跳ね上がり、リアルタイムエンコードが間に合わない状況に陥るかもしれません。

逆に「veryfast」や「superfast」に設定すれば負荷は低減しますが、画質面で妥協を強いられる部分が多くなります。

対策としては、次のような調整をすることでx264の強みを活かしながらブロックノイズを減らすことが可能です。

  • CPUの使用率を常に確認し、負荷が高すぎる場合はプリセットやビットレート、解像度を下げる
  • CPUに余裕がある高性能マシンなら、やや重めのプリセットにも挑戦してみる
  • 他のアプリとの同時使用を最小限にして、OBSのエンコードにリソースを回す

NVENC(NVIDIA GPUエンコード)

NVENCはNVIDIA製のGPUに搭載された専用ハードウェアでエンコードをする方式です。

CPUの負荷を大きく軽減できる点が魅力ですが、使用するGPUの世代や設定によっては「画質が悪い…」と感じてしまうようなブロックノイズが出る場合があります。

特にGTXシリーズなど旧世代のNVENCは画質がやや劣り、動きの激しいシーンでノイズが顕著になることがあります。

一方、RTXシリーズ以降で採用されている新世代NVENCはエンコード品質が向上しており、OBS側で「New NVENC」を選択することで安定した画質が得られやすいです。

対策として有効なのは次の3つです。

  • なるべくRTX以降の新世代NVENCを活用する
  • 「Psycho Visual Tuning」をオンにし、最適なビットレートを確保する
  • ゲームのグラフィック設定を適度に落とし、GPUリソースに余裕を持たせる

回線速度が遅い

配信で大切なのは、パソコンの処理能力だけではなくアップロード回線の速度です。

回線速度が不足すると映像データをリアルタイムに送信しきれず、結果的にブロックノイズや映像乱れが頻発してしまいます。

また、不安定な回線ではパケットロスが発生しやすく、映像の一部が欠落してさらにノイズを誘発する原因にもなります。

下表に解像度・FPS別のアップロード速度の目安をまとめたので、現状の回線スペックを確認してみましょう。

解像度FPS目安となるアップロード速度
720p303Mbps以上
720p604.5Mbps以上
1,080p306Mbps以上
1,080p608Mbps以上

回線速度に不安がある場合は、ビットレートを控えめに設定したり、Wi-Fiよりも有線接続を検討したりするなどの対策をとり、ブロックノイズを軽減しましょう。

OBSの設定によるブロックノイズの違い【実際の映像を比較】

同じ映像ソースでも、OBSの設定やビットレート、エンコーダーの選び方次第でブロックノイズの出方は大きく変わります。

ここからは、ビットレートによる画質差やエンコーダーの違いがどのように映像に影響を与えるのか、比較例を見ていきましょう。

ビットレート別の画質比較

ビットレート別の画質比較

ビットレートが低すぎると映像が圧縮されすぎてしまい、動きのあるシーンでブロックノイズが目立ちやすくなります。

一方で十分なビットレートを確保すると、動きの激しい場面でもノイズが少なく滑らかな映像をキープできます。

以下の表では同じ映像でビットレートのみを変更し、どのように画質が変わるのかを比較しました。

ビットレート特徴画質評価
2,000kbps低ビットレート。動きが多いとブロックノイズが目立つ★☆☆☆☆
4,500kbps標準的な画質で、細部がややぼやける★★☆☆☆
6,000kbpsTwitch推奨上限。動きの激しいゲームでも比較的クリア★★★★☆
9,000kbpsYouTube高画質向け。ほぼノイズが発生しないレベル★★★★★

エンコーダーごとの画質比較

エンコーダーごとの画質比較

OBSには主にx264(CPUエンコード)とNVENC(GPUエンコード)の2種類があり、同じビットレートでも映像の仕上がりに差が出ます。

たとえばx264の「 veryfast」はCPU負荷を低く抑えられる反面、高速処理の影響でブロックノイズが目立ちやすいです。

一方で「medium」や「slow」側に設定すれば画質は向上しますが、CPU負荷が一気に高まり、エンコードが追いつかなくなる場合もあります。

以下の表では、それぞれの特徴と画質の違いを比較しています。

エンコーダー特徴画質評価
x264(medium)画質は向上するが、CPU負荷が高くなる★★★★★
x264(veryfast)CPU負荷は低いが、細かい部分が潰れやすい★★★★☆

【ブロックノイズ対策】OBSの最適な設定を配信環境別に紹介

ブロックノイズを抑え、視聴者に快適な映像を届けるためには、PCスペックや回線状態、配信プラットフォームに合わせたOBSの設定をすることが不可欠です。

ここからは、初心者・中級者・上級者と段階別におすすめの設定例を紹介します。どの設定が自分の環境に合っているかを確認し、スムーズな配信を目指しましょう。

初心者向け|シンプルで安定した設定

OBSの操作に慣れていない初心者は、まず「720p・30fps」で配信を始めると安定しやすいです。

▼初心者向けの推奨設定

設定項目おすすめ設定
エンコーダーNVENC(NVIDIA GPU搭載PC)or x264(CPU)
解像度720p(基本解像度:1,280×720)
FPS30fps(動きの少ない配信なら十分)
ビットレート3,500~4,500kbps
スケーリングフィルターバイリニアまたはランチョス

▼設定のポイント

  • ビットレートを抑えることで、回線速度が遅くても安定しやすい
  • x264(CPUエンコード)を使う場合は、「veryfast」プリセットを選択(CPU負荷を軽減)
  • NVENCが使えるなら、GPU負荷を抑えながら高画質な配信が可能

中級者向け|品質と安定性のバランスを取る設定

PC性能や回線速度にある程度余裕があるなら解像度を1,080p、FPSを60fpsに設定し、滑らかで鮮明な映像を提供しましょう。

▼中級者向けの推奨設定

設定項目おすすめ設定
エンコーダーNVENC(RTXシリーズ推奨)
解像度1,080p(基本解像度:1,920×1,080)
FPS60fps(動きの多いゲーム向け)
ビットレート6,000kbps(Twitch最大)or9,000kbps(YouTube推奨)
キーフレーム間隔2秒(配信プラットフォームの推奨値)
プリセット(x264)「fast」または「medium」(高画質を維持)
スケーリングフィルターランチョス

上級者向け|高画質・高パフォーマンスを両立する設定

高性能なPCを使っているなら、OBSの設定をフルに活用し、最高画質配信が可能です。

▼上級者向けの推奨設定

設定項目おすすめ設定
エンコーダーNVENC(最新)またはx264(slow)
解像度1,440p(基本解像度:2,560×1,440)
FPS60fps(動きの多いゲーム向け)
ビットレート12,000~15,000kbps(YouTube推奨)
キーフレーム間隔2秒(配信プラットフォームの推奨値)
プリセット(x264)「slow」または「medium」(超高画質)
スケーリングフィルターランチョス

AIを活用したOBSブロックノイズの自動改善法

近年、NVIDIAのAI技術をOBSに取り入れる動きが進んでおり、代表的な例が「OBS RTX SuperResolution」というプラグインです。

GPUに搭載されたAI機能を活用して、ブロックノイズや圧縮アーティファクトをリアルタイムで大幅に低減できる仕組みを備えています。

低ビットレートの映像や低解像度のソースであっても、AIが映像の細部を推測・補完するので、通常のスケーリング処理に比べてクリアで滑らかな映像を保ちやすいのが特徴です。

▼OBS RTX SuperResolutionの設定方法

1.OBSのプラグインページから「OBS RTX SuperResolution」をダウンロード
2.OBSを開き、「フィルター」メニューを選択
 ⇒ノイズを軽減したい映像ソース(ゲーム画面・カメラ映像など)を選択
3.「RTX SuperResolution」フィルターを追加し、パラメータを調整
 ・アップスケールレベル:解像度をどこまで補正するか選択(例:720p⇒1,080p)
 ・ノイズリダクション強度:ノイズ低減の強さを設定(強すぎると細部がぼやけるため注意)

AI処理には一定のGPUリソースが必要になります。ゲームのように負荷が高いタスクと同時に使うとフレームレートの低下や処理落ちを招く可能性があるので注意しましょう。

OBSのブロックノイズを軽減できたら、次は?

今回は、OBSで発生するブロックノイズの原因と解決策について解説しました。ビットレートやエンコーダーの最適化、回線速度の調整を行うことで、クリアで滑らかな映像を実現できます。
ブロックノイズを抑えるためのポイントは、以下のとおりです。

対策項目改善方法
ビットレート設定配信プラットフォームの推奨値を基準に設定(例:Twitchなら最大6,000kbps)
エンコーダー選択CPU負荷を抑えたいならNVENC、画質を優先するならx264(medium以上)
回線速度の確保1,080p/60fpsなら最低8Mbps以上のアップロード速度を確保

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この記事を書いた人

               

ストマガ編集部

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