一匹狼VTuber七狼さくやさんに聞く「やらない」と決めたことを「やる」たった一つの理由

VTuber界では、個性豊かな配信者たちがそれぞれのスタイルで活躍しています。そのなかでも、ひときわストイックに自身をプロデュースしているのが、個人勢VTuber・七狼さくやさんです。

配信は1回4〜8時間と長尺で、半年に1度はオリジナル曲リリース、合間にはボイストレーニングにジム通いと聞けば、そのストイックぶりも納得ではないでしょうか。

初配信時から個人勢とは思えないレベルの作り込みで活動をスタートし、楽曲やグッズの企画、ファンクラブの運用など、ハイレベルなセルフディレクションを行いつつ、なおも表現を拡張しながら走り続けているさくやさん。2026年4月に開催された「ニコニコ超会議2026」では、新たにVTuberアイドルグループ「PROJECT ALVIZIA」への参加も発表され、その活動量はさらに加速していきそうです。

今回は、Alive Studioアンバサダー0期生でもある七狼さくやさんに、VTuberになった経緯や、リスナーとの距離感、飽きさせないための日々の工夫、そして長く続けるために大切にしていることについてお話を伺いました。

プロフィール

七狼さくや(ななおさくや)
七狼さくや(ななおさくや)
個人勢の新人VTuber、デビューは2024年6月。
口上は「媚びない!群れない!属さない!」。好きな物は「仕事」。
デビューから2年経たずに既に4枚のCDを発売し、オリジナル曲を8曲持つ。歌唱と作詞を担当。グッズ製作やプロデュースが得意で、ぬいぐるみを自主制作で3回(600体)製作、販売している。配信スタイルは、基本的にトークと企画物。稀に歌、ゲーム実況も。

YouTube七狼さくや / Nanao Sakuya
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「成功できると思って始めていない」覚悟のスタートライン

七狼さくやさん

―― まずは、自己紹介をお願いします。

User 1
さくやさん
七狼さくやと申します。個人勢のVTuberで、配信が活動の中心です。それと並行して、半年に1曲くらいのペースでオリジナル曲も出していて、先月開催された音楽イベント「M3」(音系・メディアミックス同人即売会)で出る4枚目のシングルで、オリジナル曲は8曲目になります。

―― いきなりですが、世界観のプロデュースって、どこからどこまでをご自身でやっているんでしょうか?

User 1
さくやさん
音楽みたいな苦手分野以外は、できることはぜんぶ自分で決めています。あんまり人に相談しないというか、相談しないほうが早いタイプなので。とは言っても、世界観含めてガッチリ固定するようなタイプではないんですけどね。

―― 世界観に限らず緻密に計算しながら走られているのかなと思っていました。

User 1
さくやさん
それが、ぜんぜんそんなことなくて(笑)。経理部の経験があって簿記の資格も持っているのに、経費計算とかはあんまりしないんですよ。算数が大の苦手で、配信中も計算係のリスナーさんがいてくれるくらいで。だから、勘で動いている部分が結構大きいですね。直感のほうが大事かな、って。

―― 直感の人なんですね、意外でした。

User 1
さくやさん
お金の使い方も、回収できるとは正直思っていなくて。できたらいいなとは思いますけど、できなかったらそれは私が悪いので、そのときに考えればいい、という感覚で動いています。

実は、デビューするまでにすごくお金をかけたんですよ。よく「成功できると思ってやっているムーブですよね?」って聞かれるんですけど、それは本当にぜんぜん逆で。昔、人前に出るお仕事をしていたときに長い下積みで苦労したので、いきなり成功するなんて無理だと思っているんです。

だからこそ、「ここまでやってダメだったら、自分には才能がないんだから諦めよう」っていう、背水の陣みたいなスタートで始めました。

―― 確かに、デビュー時点からかなり作り込まれているなという印象はありました。実は相当な覚悟で臨まれていたんですね。

さくやさん初配信のスクリーンショット
User 1
さくやさん
そうですね。やれることを全部やったうえで失敗したなら、100%自分が悪いじゃないですか。だったら誰のことも責めなくていい。自分のことだけ責めればいいんです。

―― 聞いていて、こちらも背筋が伸びます。

User 1
さくやさん
そんな大層なものでもないんですけど(笑)。ドМなのかもしれないですね。大変な状況のほうが燃えるタイプではあるので。でも、追い込まれたいわけじゃないんですよ。本当はずっと寝ていたい派です(笑)。

「VSinger」と名乗らないまま楽曲を出し続けるワケ

―― 歌活動は、どういうきっかけで始められたんですか?

User 1
さくやさん
たまたまリアルの友人に作曲家がいて、デビュー前に「冗談みたいに」始まったんです。「2曲入りシングルで1,000円が普通だから」って言われて、「えっ、そういうものなんだ」って2曲作って、デビュー前にファーストシングルが完成しました。

―― VTuberとしては、結構珍しい順番ですよね。

User 1
さくやさん
そうみたいですね。本当に色んな形があるとは思いますが、最終的な3Dモデル制作やお披露目ライブを目指して、そのためのオリジナル曲を作って、CD製作や即売会での販売をするという順序が多いと聞きました。
私はその逆をいってしまったので、「歌をメインにやっていきたい子なのかな」って思われやすいんですけど、自分のなかではちょっと違っていて。

―― 歌がメインではない?

User 1
さくやさん
私のなかで自分自身を「VSinger」と呼ぶにはまだ壁が高くて。
私のイメージする「VSinger」は、歌が上手くて、毎日のように歌枠配信をして、歌枠リレーにもコンスタントに出て、ライブにも呼ばれて、歌で人を感動させたい、歌でやっていきたい!という強い想いがある人。私が名乗るには流石にヒヨっ子過ぎます。謙遜ではなく……。

もちろん、本気でやってはいるんですけど、まだ「そこ」には到達していない。だから自分では「VSinger」だと認められないんです。 リスナーさんと「VSingerだろ」「VSingerじゃない」っていう、半分プロレスみたいなやり取りをずっと続けています(笑)
いつか自分自身でも認められたらいいですね……!

―― それでも、半年に1度のペースでリリースは続けているのがすごい。

User 1
さくやさん
最初のシングルが想定よりも評価をいただけてしまって。「次は何を出すの?」って言われると、断れないタイプなので「じゃあ2枚目出します」「じゃあ3枚目」「じゃあ4枚目」と続いていって、今年の秋にはアルバムを出す予定です。

人様からお金をいただいている以上、最低限のことはやらないといけないので、ボイストレーニング(歌や声の出し方を専門家のもとで訓練すること、以下ボイトレ)も2年くらい続けています。

―― 真面目すぎる!(笑)

User 1
さくやさん
やれることをやらずに評価が下がるのは嫌なんですよ。それで「歌、苦手なんだから仕方ないでしょ」って言いたくないので。

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この記事を書いた人

ストマガ編集部

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