OBS配信でDiscordの音声・画面を共有・連携する方法を解説
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OBSとDiscord(ディスコード)を組み合わせると配信のクオリティを高められます。本記事では、OBSとDiscordを連携して、OBSにDiscordの音声や画面共有を組み込む方法を解説します。視聴者とのリアルタイムなコミュニケーションを楽しみながら、魅力的な配信を目指しましょう。
OBS配信にDiscordの音声や画面共有を入れるメリット
OBS(Open Broadcaster Software)とDiscord(ディスコード)は、配信やコミュニケーションをサポートする無料のツールで、次のような特徴があります。
- OBS:リアルタイムで画面を構成できる高機能な配信ソフト
- Discord:チャットや通話、ビデオ通話、画面共有などが可能なコミュニケーションツール
2つのツールを組み合わせると、視聴者とリアルタイムでコミュニケーションが取れるようになります。音声や画面共有を利用することで、視聴者にとってわかりやすいゲーム配信なども可能となり、視聴者獲得にもつながります。
配信を始める前に推奨環境や機材をチェック
OBS配信を快適に行うために、事前にパソコンのスペックや必要機材を確認しましょう。
最低でも、CPUはCore i5以上、メモリは8GB以上が推奨され、より高品質な配信を求める場合は16GB以上のメモリが望ましいです。ストレージにはSSDを採用することで、読み書きが早くなり、パフォーマンスが向上します。
パソコンに内蔵されているウェブカメラとマイクで対応できることが多いですが、音声にこだわるならコンデンサーマイクや高画質対応のカメラがおすすめです。
OBS配信に必要なパソコンのスペックや機材は、次の記事を参考にしてください。配信の目的に合わせ、最適な機材を選びましょう。
>>VTuberになるために必要な配信機材は?初心者向けにおすすめ機材も紹介
OBS配信でDiscordの通話音声を入れる方法
OBS配信にDiscordの通話音声を入れるには、OBSとDiscordの音声設定を整える必要があります。それぞれの設定方法を詳しく見ていきましょう。
Discordの音声設定
Discordで通話音声をOBSに取り込むための、Discord側の設定手順は次の通りです。
- 右上のメニューにある「ディスコード(Discord)」をクリック
- 「ユーザー設定(Settings…)」を開く
- 「音声・ビデオ」メニューを選択する。
- 「出力デバイス」を「Default」に設定し、PCのメイン音声出力をOBSでキャプチャできるようにする。
- 「入力デバイス」に使用するマイクを設定して、音声が確実に配信されるようにする。
以上の設定を行うことで、OBS側で通話音声が反映されます。
OBSの音声設定
OBSでDiscord通話音声を取り込むための、OBS側の設定手順を紹介します。
- メイン画面下部にある「設定」メニューをクリック
- 「音声」タブを開く。
- 「デスクトップ音声」を「既定」に設定し、PCの全音声をOBSに取り込む。
- 「マイク音声」にも適切なマイクを設定して「OK」で保存する。
オーディオミキサーで音量を調整し、通話音声と自身の声のバランスを取ると、スムーズな音声配信が可能となります。
Macでデスクトップ音声に「無効」しか出ない場合
お使いのPCがMacの場合、上記画像のようにデスクトップ音声に「無効」しか表示されません。Macの場合は使用上、別途で仮想音声チャンネルというものをインストールする必要があります。手順は以下の通りです。
M1もしくはM2チップ内臓Macの場合
BlackHoleというソフトを使います。無料ですが、寄付(Donate)を求めるボタンが出ていますので寄付する場合はそちらから、しない場合はメールアドレス、名(first name)、姓(last name)を記入して下にスクロールして「Send Link to Download」を押しましょう。記入したメールアドレスにダウンロード用のリンクが届きます。インストールする際にチャンネルを聞かれますが、2chでも16chでも構いません(スピーカーをたくさん使う方は数字の大きいものを選択)。
インストールが完了したら、OBSの設定から「規定」「BlackHole 2ch(16ch)」を選択できるようになりますが、このままでは音声のモニタリングができません。そのため、Macユーザーはもう一手間かける必要があります。
なお、M1もしくはM2チップ内臓ではないMacの場合は「Soundflower」というソフトを使用してみてください。
音声がモニタリングできないとは、Macのスピーカーやヘッドフォンなどで音声が確認ができない状態のことです。これでは不便なので、仮想音声チャンネルと内蔵スピーカーの音声を合成する必要があります。
Macのドッグに並んでいる「Launchpad」をクリックし、上部にある検索窓に「Audio」と打つと「Audio MIDI設定」というアプリが出てきます。これを開いてください。内蔵スピーカーを選択して、左下の「+」ボタンから「複数出力装置を作成」をクリックします。
内蔵スピーカーと「BlackHole 2ch」にチェックを入れて、「スピーカーを構成」をクリックします。
これで音声の合成は完了です。次に、Macのシステム設定(通常、デスクトップ下部のドッグにあります)からサウンドを選択し、出力を「複数出力装置」にします。
これでデスクトップ音声をOBSで流す際も内蔵スピーカーでモニタリングできるでしょう。イヤフォンやヘッドフォンを使う際は別途設定が必要(これまでの手順の内蔵スピーカーを外部ヘッドフォンなどに変えるだけ)なので、モニタリングする際の機器に合わせて事前に設定しておくと安心です。
OBS配信でDiscordの画面を入れる方法
OBS配信にDiscordの画面を追加するには、Discord側で画面共有設定を行い、OBSでその画面をキャプチャする必要があります。それぞれの設定方法について詳しく見ていきましょう。
Discordの画面設定
Discordの画面を配信に表示するためには、以下の設定が必要です。
- 「設定」の「配信モードを有効にする」をチェックする。
- 通話を開始したら「画面を共有する」をクリックする。
- 共有したいウィンドウを選択して「Go Live」を押す。
- 共有画面の右下にある「ポップアウト」をクリックして別ウィンドウで表示させる。
- 画面を右クリックし「ビデオ不使用の参加者を表示」のチェックを外す。
以上の設定により、余計な情報が映り込まず、必要な部分のみの画面共有が可能となります。Discordの「配信モード」を有効にすると、個人情報や通知が非表示になり、安心して画面共有できるため、必ず設定しましょう。
OBSの画面設定
OBSでDiscordの画面を取り込むには、OBS側で以下の設定が必要です。
1.「ソース」の「+」マークをクリックし、「ウィンドウキャプチャ」を選択する(「非推奨」からアクセスできる場合もあります)。
2.次に表示されたプロパティ画面で、先ほどポップアウトしたDiscordの画面(Discord一般など)を指定するとOBSにその画面が映し出される。
3.プレビュー画面にしてDiscordの画面共有が表示されていることを確認する。
必要に応じて、画面サイズや位置を調整し、視聴者にとって見やすい配信画面を作りましょう。
OBSでDiscordの音声を入れる方法・入れない方法
OBSでDiscordの画面共有の音声を入れて配信するには、Discordの音声出力をPCの既定に設定し、OBSで「デスクトップ音声」を有効にする方法が簡単です。逆に、Discordの音声を配信に入れたくない場合は、OBSの設定でDiscord音声のみを除外する必要があります。それぞれの設定を詳しく解説します。
OBSでDiscordの画面共有音声を入れる
Discordの画面共有音声をOBSに入れる方法を紹介します。
- 通話音声と同じく、OBSの「デスクトップ音声」を有効にし、PCの音声出力をOBSで取り込む設定にする。
- Discordで「画面を共有する」ボタンから画面共有を開始する。
- ウィンドウの右下「ポップアウト」をクリックして別ウィンドウとして表示する。
- OBSの「ソース」の「+」をクリックし、「ウィンドウキャプチャ(非推奨→ウィンドウキャプチャの場合も)」を追加する。
- 設定したDiscord画面を指定する。
以上の設定により、通話の画面共有音声がリアルタイムで配信に反映され、視聴者にとってわかりやすい配信が可能となります。
OBSでDiscordの音声を入れないようにする
OBS配信でDiscordの音声のみを除外する設定を行えば、配信に他のアプリケーションの音声だけを流し、Discord通話の音声は配信からカットできます。音声を入れない方法の手順は以下の通りです。
- OBSをバージョン28.0以降にアップデートする。(更新はOBSの「ヘルプ」→「更新を確認」より行う)
- アップデート後、「ソース」の「+」ボタンをクリックし、「アプリケーション音声キャプチャ(ベータ)」を選択する(Macの場合は「macOS 音声キャプチャ」をクリックしてOKした後、方式の選択から「アプリケーション音声キャプチャ」が選べます)。
- 「Discord」を指定すると、Discordの音声を分けることができ、配信から除外される。
以上の設定により、配信に不要な音声が入らず、視聴者にとって聞きやすい音声環境を提供できます。音声の調整が必要な場合に便利な方法です。
トラブルを防ぐための配信前のテスト方法
配信のトラブルを防ぐためには、事前に音声や映像のテストを行うことが大事です。配信前にテストを行うことで、OBSとDiscordの設定が正しく連携しているか確認します。
【OBSの映像がDiscord上で表示されるかをテスト】
- Discordで「音声・ビデオ」設定を開く。
- 出力デバイスを「Default」に、カメラを「OBS Virtual Camera」に設定する。
- プレビュー欄の「ビデオをテスト」を押し、OBSの映像がDiscord上で表示されるかを確認する。
【音声が配信に反映されるかをテスト】
- OBSでの「音声ミキサー」設定
- 「デスクトップ音声」や「マイク音声」のボリュームを調整し、音声が配信に反映されるかを確認する
【その他音声や映像のテスト】
1.プライベートなサーバーや限定配信を行う。
2.実際の視聴者目線で音声や映像の確認を行うと、細かい問題も発見しやすくなる。
以上のテストを事前に行うことで、配信中のトラブルを未然に防ぎ、視聴者にスムーズな視聴体験を提供できます。
OBSとDiscordの音声・画面連携のよくある質問
OBSとDiscordの連携には、配信中に発生しやすい音声や画面に関する問題がいくつか考えられます。トラブルに対する具体的な対処法を確認し、スムーズな配信ができるようにしましょう。
画面共有の音声が聞こえないのはなぜ?
Discordで画面共有を行った際に音声が聞こえない場合、以下のポイントを確認しましょう。
【スピーカーのミュート設定】
画面共有中に音声が聞こえない場合、まず自分のスピーカーがミュートになっていないか確認しましょう。通話画面下のアイコンからミュート設定を確認できます。
【出力デバイスと音声設定】
Discordの音声設定で出力デバイス(スピーカー)が正しく設定されているか確認しましょう。使用しているスピーカーが選択されていることと、「出力音量」が適切に調整されていることを確認します。
【デバイスのボリューム設定】
スマホやPC本体の音量がミュートや低音量になっていないか確認します。音量が十分であることを確かめましょう。
【入力感度・ノイズ抑制設定】
Discordの音声設定で、入力感度の自動調整やノイズ抑制がオンになっていると、音声が入らない場合があります。入力感度の自動調整をオフにし、バーを一番左まで調整してから音声が聞こえるかどうかテストしてみましょう。
OBSでDiscordが表示されないのはなぜ?
OBSでDiscordの画面が映らない場合、いくつかの原因が考えられます。
【「配信モード」の設定】
Discordの「配信モード」の設定を確認し、「スクリーンキャプチャからDiscordウィンドウを隠す」のチェックが外れているかを確認しましょう。設定がオンになっている場合、OBSに画面が表示されないので注意が必要です。
【「ソース」設定】
OBSの「ソース」設定でDiscordウィンドウが正しく選択されているかも確認してください。最小化されている場合も映らないことがあるため、ウィンドウをアクティブにしてOBSで再度キャプチャをするようにしましょう。
Discordの音声が途切れる場合はどうする?
Discordの音声が途切れる場合は、まずネットワークの安定性を確認しましょう。ネットワークが不安定であれば、回線速度を改善することが大事です。
また、音声がこもっている場合には、Discordの「音声・ビデオ」設定から「ノイズ抑制」や「エコー除去」をオンにし、環境音を軽減させると安定しやすくなります。
OBSでDiscordの音声が二重に聞こえるときはどうする?
OBSでDiscordの音声が二重に聞こえる場合、音声モニタリング設定が原因である可能性があります。
OBSの「オーディオの詳細プロパティ」から「音声モニタリング」を「モニターのみ(出力はミュート)」か「モニターと出力」に設定すると、二重音声を防げます。
二重音声を防ぎ、視聴者にきれいな音声が伝わるようにしましょう。
Discordの音量が小さい場合はどうしたら良い?
Discordの音声が小さいと感じる場合、Discord内の「出力音量」を上げることで調整できます。
OBSの音声ミキサーでもバランスを調整し、ゲーム音や自分の声と適切に混ぜることで、視聴者にとって聞きやすい音量に整えることが可能です。
まとめ
今回は、OBSとDiscordを使って視聴者とリアルタイムでつながるための設定方法を紹介しました。推奨機材の選び方から音声・画面共有の設定、トラブル防止のチェックポイントまで、基本を押さえればスムーズな配信ができます。本記事を参考に、OBSとDiscordを連携させることで、視聴者にとってもわかりやすい配信を目指しましょう。